能美の艦歴
年 月 日:艦歴
18.08.10:起工、仮称艦名:第326號艦
18.12.03:進水
18.12.22:命名:達第319号:「能美」(ノウミ)
18.12.22:類別等級制定:内令第2776号:種別:海防艦、類別:海防艦、艦型:御藏型
18.12.22:本籍仮定:内令第2780号:横須賀鎮守府
19.01.10:艤装員長:海軍少佐 箟 源三郎
19.01.13:艤装員事務所を日立造船株式會社櫻島造船所内に設置し事務を開始
19.02.28:竣工
19.02.28:本籍:内令第364号:横須賀鎮守府、役務:警備海防艦
19.02.28:海防艦長:海軍少佐 箟 源三郎
19.02.28:戦時編制:呉鎮守府部隊呉防備戦隊
19.03.15:戦時編制:海上護衛総司令部第二海上護衛隊
19.06.23:軍隊区分:機密大湊警備府命令作第86号(8月1日附):直率部隊護衛部隊
19.06.10:機密横鎮電令作第423号:
小笠原部隊指揮官は第三六〇九船団父島着後、同地に於て左の要領に依り第三六〇六船団を改編
其の所定に依りサイパンに向け進撃せしむべし
1.船団部隊指揮官:古賀大佐
2.護衛艦:天草、能美、隠岐、第十六號驅潜艇、第十八號驅潜艇、第八昭和丸
3.船団:美保丸、甘井子丸、豐川丸、淡路丸
4.船団部隊指揮官は部下艦艇船舶中、作戦実施上最適当なるものに其の乗艦(船)を
定むるものとす
5.船団部隊はサイパン着時を以て其の編成を解く
19.06.13:小笠原部隊電令作第121号:
美保丸船団は明14日0100出撃、東京湾方面に避退待機すべし
19.06.14:小笠原部隊電令作第122号:
1.第三六〇六船団を改編
護衛隊:能美、隠岐、天草、第七昭和丸、第八昭和丸
船団:美保丸、甘井子丸、豐川丸、淡路丸
本船団を美保丸船団と呼称す
2.船団部隊指揮官を古賀大佐に指定す、乗艦は指揮官所定
3.船団部隊指揮官は出撃までの日時を利用、教育訓練を励行すべし
4.船団部隊出撃日時は特令
19.06.14:小笠原部隊機密第140705番電:
船団を二群とし
第一群:旧第三六〇六船団(美保丸船団と呼称)、船団部隊指揮官:古賀大佐、0100出撃
第二群:旧第三六〇九船団(彌榮丸船団と呼称)、船団部隊指揮官:第十六號驅潜艇長、
0700出撃せしむ
19.06.24:軍隊区分:海上護衛總司令部電令作第191号(06.23附):大湊警備府海上護衛部隊
19.06.28:軍隊区分:大湊警備府電令作第5号:宗谷防備部隊
1.能美及第十五號驅潜艇を宗谷防備部隊に編入す
2.宗谷防備部隊指揮官は右の艦及適宜の兵力を以て主としてオハ方面行動の油槽船の護衛に
任ずると共に北方輸送の護衛に関し北東方面艦隊に協力すべし
19.06.29:大湊〜哨戒〜06.30稚内
19.07.02:(キ203船団)稚内〜
〜07.04 ----(N45.31-E148.30)地方徴傭船「三穂丸」が船団から分離〜
〜07.05得撫島泉浜
19.07.06:(キ203船団)得撫島泉浜〜07.08稚内
19.07.08:稚内〜07.09大湊
19.07.16:(大発を曳航)大湊〜07.17稚内
19.07.18:戦時編制:大湊警備府部隊
19.07.18:役務:内令第876号:警備海防艦
19.07.19:(船団護衛)小樽〜稚内
19.07.21:(キ102船団護衛)稚内〜07.22得撫〜07.25稚内
19.07.26:稚内〜哨戒〜07.26大泊
19.07.27:宗谷防備部隊電令第62号:
能美は現場に急行、第七驅逐隊に協力掃蕩攻撃すべし
19.07.27:大泊〜対潜掃蕩〜07.27大泊
19.07.29:大泊〜
〜08.01 ---- 北緯53度線附近にてラ303船団(「御津丸」)と会合、護衛開始〜
〜08.02稚内
19.08.05:宗防機密第051740番電:
1.柏榮丸救難作業船左に依り出港せしむ
那須丸、金津丸、能美 5日2000発、7日1200作業地着
葦埼、第十八號掃海特務艇、眞金丸、500噸バージ 6日0400稚内発、8日0700作業地着
2.作業指揮官 能美艦長
19.08.05:稚内〜
〜08.07 ---- 海軍配當船「柏榮丸」座洲現場着
19.08.09:2200 敷設特務艇「葦埼」護衛の下に海軍配當船「金津丸」が出港
19.08.10:1800 第十八號掃海特務艇護衛の下に「公稱第三八二七號」重油船が出港
19.08.12:2245(N49.15-E144.26)敵潜探知攻撃
19.08.14:茂呂沖現場発〜
〜08.17 0435 宗防機密第170340番電(愛郎湾に於て第五十二掃海隊の一艇と任務を交代し大泊に
回航せよ)受領〜
〜08.17愛郎湾
19.08.17:愛郎湾〜08.17大泊
19.08.18:宗防機密第181300番電:
23日早朝オハ着金津丸を護衛帰投すべし
19.08.21:大泊〜08.23オハ
19.08.23:(「金津丸」護衛)オハ〜08.26稚内
19.08.27:大湊警備府電令作第11号:
宗谷防備部隊指揮官は能美、m]をして小樽を基地とし北方輸送に関し北東方面艦隊に
協力せしむべし
但し千島方面行動中は千根司令官の区処を受けしむべし
19.09.01:軍隊区分:機密大湊警備府命令作第89号:直率部隊護衛部隊
19.09.06:(キ505船団護衛)小樽〜
〜09.08 1950(N47.26-E148.24)驅逐艦「波風」が被雷〜
〜09.09 0122 驅逐艦「波風」の北方1.5kmで敵潜を探知攻撃〜
〜09.09 0925 敵潜を攻撃中、投射爆雷数38個〜
〜09.09 1200 宗防機密第091115番電(急速補給の上稚内に進出せよ)受領〜
〜09.10 0330 驅逐艦「波風」の救難を第五十二掃海隊司令に引継ぎ船団護衛に急行〜
〜09.10 0900頃 陸軍徴傭船「昭南丸」遭難地点にて浮流物多数、救命艇(乗員なし)2隻発見〜
〜09.10 2120 千根電令第46号(敷香に回航キ五〇五船団の護衛に任ずべし)受領〜
〜09.10敷香
19.09.11:0900 キ505船団に合同
19.09.15:(キ505船団護衛)敷香〜09.20片岡
19.09.24:(ヲ---船団護衛)片岡〜
〜09.27 0015(N45.44-E148.41)敵潜と交戦、爆雷投射24個、
船体被弾、破口水線附近5個、水線上50個、小破口多数
右舷後部用動力及照明用主電路全部切断
無線送信機一部各種通信装置及電波探信儀故障
探照燈破壊
左舷機排気管其の他五箇所破壊〜
〜09.28 0345 宗防機密第280255番電(宗谷岬附近に於て船団の護衛を止め稚内に回航すべし)受領〜
〜09.28稚内
19.09.28:重傷者5名を稚内陸軍病院に収容
19.09.--:稚内〜09.29小樽
19.10.01:小樽〜10.02大湊
19.10.21:海護總電令作第279号:
大湊警備府司令長官は能美をして速に門司に進出
爾後作戦に関し第一海上護衛隊司令官の指揮を承けしむべし
19.10.21:大湊警備府電令作第17号:
宗谷防備部隊指揮官の能美に対する作戦指揮を解く
能美は速に門司に回航、作戦に関し第一海上護衛隊司令官の指揮を承くべし
19.10.22:大湊〜10.24門司
19.10.26:(ヒ79船団護衛)門司〜10.26六連沖10.26〜
〜10.27 ---- 「第十七號海防艦」が合同〜
〜10.28 1400 「第二十一號掃海艇」が合同〜
〜10.29 1930 陸軍徴傭船「めるぼるん丸」、海防艦「鵜來」「第十七號海防艦」が分離〜
〜10.30 0730 海防艦「鵜來」が合同〜
〜10.30高雄
19.10.31:(ヒ79船団護衛)高雄〜
〜11.04 2322 二番船舵機故障、護衛の為、海防艦「鵜來」が解列〜
〜11.05 1030 故障復旧、船団に合同〜
〜11.08 0640 陸軍徴傭船「有馬山丸」舵機故障、護衛の為、海防艦「鵜來」が解列〜
〜11.08 0830 故障復旧、船団に合同〜
〜11.09昭南
19.11.01:戦時編制:海上護衛総司令部第一海上護衛隊
19.11.01:艦船番号:(10)
19.11.17:第五船団信令第1号:護衛艦船番号:5
19.11.17:(ヒ80船団護衛)昭南〜
〜11.20 1240 「第十七號海防艦」が分離し聖雀に向う〜
〜11.21 0235 視界不良の為、一番船、陸軍徴傭船「日南丸」、「第二十三號海防艦」、
海防艦「三宅」、同「滿珠」、「第五十一號海防艦」が船団より分離〜
〜11.21 1155 同船団に合同〜
〜11.22 0103 視界不良の為、八番船、海防艦「滿珠」、「第五十一號海防艦」が船団より分離〜
〜11.22 0830 同船団に合同〜
〜11.22 1531 陸軍徴傭船「日南丸」機械故障の為、海防艦「鵜來」が反転、護衛に任ず〜
〜11.22 1815 陸軍徴傭船「日南丸」故障復旧、船団に合同〜
〜11.22 1150 陸軍徴傭船「日南丸」落伍の為、海防艦「鵜來」が反転、護衛に任ず〜
〜11.22 1204 海防艦「滿珠」と護衛交代、海防艦「鵜來」が船団に合同〜
〜11.28 0930 敷設艇「新井埼」、特設運送船「良榮丸」、陸軍徴傭船「有馬山丸」解列〜
〜12.02伊万里湾12.03〜12.03六連沖
19.12.03:門司〜12.04佐世保
19.12.04:1630 入渠
19.12.10:戦時編制:海上護衛総司令部第一護衛艦隊
19.12.--:艦隊区分:隊番号:20、艦船番号:(12)
19.12.11:0900 出渠
19.12.12:佐世保〜12.12大牟
19.12.14:(モタ28船団護衛)大牟〜12.22高雄
19.12.26:(ヒ85船団護衛)高雄〜12.29サンフェルナンド
20.01.01:(マタ40船団護衛)サンフェルナンド〜
〜01.03 1123(N22.45-E119.25)陸軍特殊船「~洲丸」被爆沈没、同「吉備津丸」、
同「日向丸」被爆小破〜
〜01.01ムサ01.02〜01.03高雄港外01.03〜
〜01.03高雄
20.01.04:高雄〜タモ35船団に合同〜01.04南澳島01.05〜01.04高雄
20.01.10:高雄〜ヒ87船団に合同〜01.13香港
20.01.17:(ヒ87先遣部隊)香港〜01.22聖雀
20.01.23:聖雀〜反転〜01.24聖雀
20.01.28:(ヒ88B船団護衛)聖雀〜01.29バンフォン01.30〜
〜01.30 キノン附近にて「第二十號驅潜艇」が分離反転〜
〜01.30 2220 敵浮上潜水艦2隻を砲撃〜
〜01.31 0635 航空機と協力し対潜掃蕩〜
〜01.31 0701(N14.58-E103.58)海軍配當船「延喜丸」被雷沈没、海軍配當船「大越丸」被雷大破〜
〜02.02西貢
20.02.03:西貢〜02.06昭南
20.02.05:戦時編制:海上護衛総司令部第一護衛艦隊第一海防隊
20.02.05:海防隊編制:内令第99号:第一海防隊
20.02.05:艦隊区分:第一海防隊、隊番号:11
20.02.11:(ヒ88F船団護衛)昭南〜
〜02.12 0610(N01.27-E104.30)触雷〜
〜02.18キノン
20.02.18:(ヒ88F船団護衛)キノン〜対潜掃蕩〜02.19カムラン
20.02.20:(ヒ88F船団護衛)カムラン〜02.23船団から分離〜02.24香港
20.02.--:応急修理
20.02.25:第二工作部岸壁よりA8番浮標に繋留換
20.02.26:(ヒ88F船団護衛)香港〜03.03泗礁山03.04〜03.07對馬北端03.08〜03.08六連03.08〜
〜03.08門司
20.03.--:艦隊区分:第一海防隊、隊番号:21
20.03.09:門司〜03.09呉
20.03.11:九三式三米測距儀修理(04.06まで)
20.03.20:四十五口径十年式十二糎高角砲修理(04.06まで)
20.03.21:仮称三式探信儀改二新設(04.07まで)
20.03.23:呉海軍工廠にて入渠
20.03.25:九三式水中聴音機二型甲小艦艇用捕音器換装(04.04まで)
20.03.30:九四式投射機を撤去、三式投射機に換装(04.06まで)
20.04.03:出渠、ポンツーンに繋留、真水搭載
20.04.03:一号電波探信儀三型改一新設(04.07まで)
20.04.04:九六式二十五粍単装機銃二型改一新設(04.07まで)
20.04.06:仮称電波探知機三型改一新設(04.07まで)
20.04.07:1300 第三ポンツーンに繋留、重油搭載
20.04.08:呉〜試運転〜04.08呉
1800 第三ポンツーンに繋留
20.04.09:呉〜04.09門司
20.04.10:真水搭載30t
20.04.11:(モシ02船団護衛)門司〜
〜04.11 ---- 「第二百十三號海防艦」が船団より分離〜
〜04.11 2000 船団は豆酸湾に仮泊、「第三十一號海防艦」は湾口を移動哨戒〜
〜04.12 0130 「第三十一號海防艦」と交代、湾口移動哨戒〜
〜04.12 0630 豆酸湾口に於て「第三十九號海防艦」が船団に合同〜
〜04.12 1800 巨文島仮泊〜
〜04.13 0530 仮泊地発〜
〜04.13 1400 飛揚島着、湾口移動哨戒〜
〜04.13 1930 「第三十一號海防艦」と交代、飛揚島仮泊
20.04.14:0030 海防艦「三宅」が移動哨戒のため出港
0407 特設運送船「壽山丸」被雷火災
0408 艦橋直下に被雷
0420 総員退去
0430 沈没
20.04.14:沈没
20.04.14:海防艦長:海軍中佐 箟 源三郎(戦死)
20.05.25:海防隊編制:内令第466号:第一海防隊より削る
20.05.25:類別等級削除:内令第472号
20.05.25:除籍:内令第470号
喪失場所:N33.25-E126.15 済州島附近
喪失原因:米潜水艦Tirante (SS-420)の雷撃
同型艦
御藏、三宅、淡路、倉橋、屋代、千振、草垣。
兵装
(計画時)
四十五口径十二糎聯装高角砲A型改三1門、四十五口径十二糎高角砲A型改三1門、
二十五粍二聯装機銃2基、九六式軽機銃2挺、一四式拳銃25丁、三八式小銃50挺、
九六式三米測距儀1基、九六式六十六糎測距儀1基、
九三式水中聴音機1基、九三式探信儀一型1基、須式七十五糎探照燈四型改一1基、
九四式投射機2基、爆雷装填台三型2基、爆雷水圧投下台三型2基、
爆雷手動投下台一型2基、爆雷手動投下台二型2基、九五式爆雷120個、
単艦式大掃海具1組、小掃海具一型改一2組、水中処分具一型2基。
(19.12.10現在)
四十五口径十二糎聯装高角砲A型改三1門、四十五口径十二糎高角砲A型改三1門、
九六式二十五粍二聯装機銃5基、同単装機銃1基、三式八糎迫撃砲1門、
須式七十五糎探照燈1基、
二号電波探知機二型1基、一号電波探知機三型1基。
写真資料
雑誌「世界の艦船」海人社 1996年2月号増刊「日本海軍護衛艦艇史」(P.16)
雑誌「世界の艦船」海人社 2017年12月号増刊「日本海軍護衛艦艇史」(P.16)
雑誌「丸スペシャル」潮書房 No.28「海防艦」(P.16)
「日本海軍艦艇写真集 駆逐艦」ダイヤモンド社 H17.10 呉市海事歴史科学館(P.162)
「写真日本海軍全艦艇史」 潟xストセラーズ H06.12 福井静夫(2277)
前の艦へ ← 海防艦 → 次の艦へ
Homeへ戻る