スルミ、ガスマタ占領後に解隊された「ス」攻略部隊の兵力をもって、パプア島南部東岸のラエ、サラモア方面の攻略を目的に南洋部隊中に編成された実行部隊。第六水雷戦隊司令官梶岡少将を指揮官とし、陸軍南海支隊をRZL(サラモア:Salamaua)に、海軍陸戦隊をRZM(ラエ:Lae)攻略にあてた。上陸自体は順調に行われたものの3月10日の空襲で陸軍徴傭船「横濱丸」、特設巡洋艦「金剛丸」、特設敷設艦「天洋丸」、特設掃海艇「第二玉丸」の4隻を喪失、特設水上機母艦「聖川丸」をはじめ多くの艦艇が損傷を受けた。
17.02.20:機密南洋部隊命令作第10号:第四兵力部署編制ーSR方面攻略部隊 17.02.22:南洋部隊電令作第101号:第四兵力部署発令 17.02.20:機密SR方面攻略部隊命令作第1号:【兵力】(艦船のみ抜粋) 17.02.22:第一兵力部署 主隊: 第六水雷戦隊 (夕張) 第一部隊: 第二十九驅逐隊(追風、朝凪、夕凪) 陸軍輸送船二隻(横濱丸、ちゃいな丸) 第二部隊: 津輕 第三十驅逐隊 (睦月、彌生) 天洋丸、金剛丸、黄海丸 航空部隊: 聖川丸 第三十驅逐隊 (望月) 哨戒部隊: 第十四掃海隊 (玉丸、第二玉丸、羽衣丸、第二號能代丸) 附属隊: 金龍丸 17.03.08:第二兵力部署 主隊: 第六水雷戦隊 (夕張) 第一部隊: 第二十九驅逐隊(追風、朝凪、夕凪) 第十四掃海隊 (玉丸、第二玉丸) 第二部隊: 津軽 第三十驅逐隊 (睦月、彌生) 第十四掃海隊 (羽衣丸、第二號能代丸) 航空部隊: 聖川丸 第三十驅逐隊 (望月) 附属隊: 天洋丸、金剛丸、黄海丸、金龍丸 17.03.17:軍隊区分:南洋部隊電令作第138号:第五兵力部署発令より解隊
17.02.20:SR方面攻略部隊電令作第1号:第六水雷戦隊機密第479番電: 1.金龍丸は修理完了せば速にラバウルに回航待機すべし 2.津輕は2月24日迄ラバウル港に於ける港務作業に関しR方面防備部隊に協力すべし 3.第十四掃海隊は其の一艦を警戒艇としてスルミに残留し2月22日迄にラバウルに帰投すべし 4.聖川丸及び当隊艦艇を以てするラバウル及び附近近海の哨戒は特令する迄之を続行すべし 17.02.20:SR方面攻略部隊電令作第2号:第六水雷戦隊機密第481番電: 1.敵情第四艦隊機密第846番電の通 2.各艦(隊)は20日0400以後至急出港準備を完成し対敵警戒を厳にすべし 3.聖川丸は0400以後全飛行機の発進準備を完了し第二十四航空戦隊に協力之が捕捉撃滅に努む可し 17.02.20:SR方面攻略部隊電令作第3号:第六水雷戦隊機密第483番電: 1.0915敵大部隊ラバウルの75度460浬に在り針路35度 2.第六水雷戦隊は直に同敵艦隊を邀撃撃滅する如く行動せよ 3.聖川丸は全力を挙げ之に触接攻撃すべし 4.爾余の艦(隊)はラバウルに在りて機宜行動R方面防備部隊に協力すべし 17.02.20:SR方面攻略部隊電令作第4号:第六水雷戦隊機密第485番電: 全力を挙げて敵艦隊の補足触接に努め要すればカビエンに進出する等機宜の行動を執るべし 17.02.23:SR方面攻略部隊電令作第5号:第六水雷戦隊機密第489番電: 1.R方面に在る各隊(艦)は (イ)R方面防備部隊指揮官の協議に応じ同方面の作戦に協力すべし (ロ)SR作戦準備(出動直前実施のものを除く)は3月1日迄に概ね之を完成しラバウル附近 に待機すべし 2.第六水雷戦隊は2月26日トラック発28日ラバウル着の予定 17.03.04:SR方面攻略部隊電令作第6号:第六水雷戦隊機密第494番電: 金龍丸はラバウル入港後南洋部隊基地航空部隊指揮官の協議に応じ基地員並に物件をラエに輸送 すべし 17.03.08:SR方面攻略部隊電令作第7号:第六水雷戦隊機密第507番電: 第十四掃海隊第一小隊を第一部隊に第二小隊を第二部隊に編入 17.03.08:SR方面攻略部隊電令作第8号:第六水雷戦隊機密第512番電: 1.敵機は近距離飛行場を利用頻々として味方輸送船を襲撃し8日の如きは六回に及べり 2.航空部隊指揮官は9日黎明以後聖川丸飛行機の全力を挙げて左の通作戦せしむべし (1)常時二乃至一機を以て横濱丸及びちゃいな丸上空警戒 (2)常時一機を以て黄海丸、天洋丸、金剛丸上空警戒 (3)成る可く速にワウ飛行場の偵察攻撃 17.03.09:SR方面攻略部隊電令作第9号:第六水雷戦隊機密第515番電: 第一部隊指揮官は所要人員を陸上時派遣し堀江部隊と連絡の上ラエ飛行場電信所其の他一般の 調査を実施すべし 17.03.09:SR方面攻略部隊電令作第10号:第六水雷戦隊機密第516番電: 設営部隊指揮官は最善を尽して第二十四航空戦隊参謀の要望通りラエ飛行場を完備すべし 17.03.09:SR方面攻略部隊電令作第11号:第六水雷戦隊機密第520番電: 1.航空部隊は10日左に依り作戦すべし (イ)上空警戒及び陸戦協力9日に同じ (ロ)ラエ北飛行場の偵察 (ハ)サラモアより南方Nelson岬に至る沿岸及びラエより東方Cretin岬を経てLang島南方に至る 沿岸偵察 2.陸戦部隊指揮官は掃蕩戦終らば成る可く速にラエ市及び附近の一般情況(人口、家屋、 利用し得る敵産道路等)を調査報告すべし 17.03.--:SR方面攻略部隊電令作第12号:第六水雷戦隊機密第---番電: (不明) 17.03.10:SR方面攻略部隊電令作第13号:第六水雷戦隊機密第527番電: 航空部隊は保安上差支えなければ第四艦隊機密第298番電に応ずる如く行動、飛行隊の全力を 以てSR東南海面概ね350浬圏内を索敵すべし 17.03.10:SR方面攻略部隊電令作第14号:第六水雷戦隊機密第530番電: 10日1800SR方面攻略部隊は爾後第六水雷戦隊機密第529番電に応ずる如く行動すべし 第二案に依る場合は特令す 17.03.11:SR方面攻略部隊電令作第15号:第六水雷戦隊機密第536番電: 1.各部隊は第六水雷戦隊機密第329番電第二案に基づき行動すべし 2.陸戦部隊指揮官はサラモア守備隊を11日夕刻より夕張は右乗艦終了次第サラモアに回航 守備隊は直に上陸12日夕刻迄に堀江部隊と交代(サラモア)の警備並に残敵掃蕩に任ずべし 堀江部隊は12日夕刻ちゃいな丸に乗船、同夜サラモア発第六水雷戦隊(夕凪、朝凪欠)は 輸送船及び黄海丸をラバウルに護送す 3.サラモア守備隊用諸物件は差当り戦闘必要なるものは夕張、其の他は同夜黄海丸にて輸送せしむ 17.03.12:SR方面攻略部隊電令作第16号:第六水雷戦隊機密第546番電: ラバウルに帰着せる各艦は特令ある迄同地に在りて速に修理並に補給実施、次期作戦準備を整頓 すべし 17.03.12:SR方面攻略部隊電令作第17号:第六水雷戦隊機密第551番電: 1.黄海丸は本日1700ラエ発ラバウルに回航すべし、追風は之が護衛に任ずべし 2.夕張は金剛丸、天洋丸、第二玉丸の重傷者収容の上、陸軍部隊ちゃいな丸乗船後、 第三十驅逐隊(望月欠)と共に之をラバウルに護送す、第三十驅逐隊(望月欠)は適宜 現哨区を撤し日没時、サラモアに於て旗艦に合同する如く行動すべし 3.金龍丸はSR方面攻略部隊電令作第6号所定任務終了せば成る可く速に金剛丸及び天洋丸の 乗員を収容ラバウルに帰投すべし 17.03.16:SR方面攻略部隊電令作第18号:第六水雷戦隊機密第577番電: 1.各部隊の軍隊区分左の通改む(括弧内指揮官) (イ)主隊 第六水雷戦隊、津輕 (直率) (ロ)航空部隊 聖川丸サラモア水上基地 (聖川丸艦長) (ハ)哨戒部隊 第十四掃海隊(第二玉丸欠) (第十四掃海隊司令) (ニ)陸戦部隊 ラエ及びサラモア守備隊 (宮田中佐) (ホ)設営部隊 第二兵力部署 (安藤技師) (ヘ)附属 金龍丸、黄海丸、長浦(救援隊を含む)(直率) 2.任務行動 (イ)主隊は敵機動部隊の出現に備え全般支援 (ロ)航空部隊、準備出来次第水偵を逐次サラモア水上基地に進出主としてポートモレスビー 南方海面の索敵SR及びRR間航路の対潜警戒 (ハ)哨戒隊、R方面防備部隊に協力、附近海面の対潜警戒 (ニ)陸戦部隊、設営部隊、現任務続行 (ホ)金龍丸は現任務終了せばRRに帰投、第四艦隊機密第344番電の任務遂行 (ヘ)長浦(救援隊)特令ある迄RRに在りて主として黄海丸、聖川丸の修理作業援助、八根に 協力座礁艦艇の引揚に従事 (ト)各損傷艦は極力艦内工作力利用友隊及び松榮丸の協力を得て速に復旧に努め次期作戦準備
17.02.20:SR方面攻略部隊信電令第1号:第六水雷戦隊機密第482番電 至急出港準備をなせ
17.02.20:SR方面攻略部隊信令作第1号: SR方面攻略部隊全般に対する指呼信号を左の通定め各部隊内限り使用す 艦TS 17.02.20:SR方面攻略部隊信令作第2号: 各艦(隊)は便宜至急出港準備を復旧し20日0600以後12節30分間待機となすべし 17.03.12:SR方面攻略部隊信令作第3号: 金剛丸艦長は其の艦の機銃七.七粍二門(機銃員共)本日1630迄に黄海丸に移さしめ同艦の 対空防禦に協力せしむ可し
17.02.20:SR方面攻略部隊信令第1号: 1.本日0400以後至急出港準備を完成し対潜警戒を厳にすべし 2.聖川丸は0400以後全飛行機の発進準備をなし第二十四航戦に協力索敵を実施すべし 17.02.20:SR方面攻略部隊信令第2号: 津輕艦長は本日より当分の間第八特別根據地隊附属特設監視艇乗組電信員の訓練に関し 第八特別根據地隊司令官の協議に応じ協力すべし 17.02.20:SR方面攻略部隊信令第3号: 2月21日0800より夕張に於てSR作戦第一回打合を行う関係諸官参集すべし 17.02.20:SR方面攻略部隊信令第4号: 1.第二警戒碇泊となせ、但し第六水雷戦隊の機関待機は第六水雷戦隊信令第57号に依る 2.聖川丸はSR方面攻略部隊電令作第2号に依る飛行機の発進準備を便宜復旧し予定の 訓練作業に従事すべし 17.03.04:SR方面攻略部隊信令第5号: 本日1400より夕張に於て船長会報を行う、参集者黄海丸、横濱丸、ちゃいな丸各船長 17.03.04:SR方面攻略部隊信令第6号: 各艦(隊)は第二號海城丸入港せば左に依り速に横付燃料補給を実施すべし 1.順序:第一回 第二十九驅逐隊及び第三十驅逐隊一隻、 第二回 夕張(補給艦の右舷)第三十驅逐隊二隻 第三回 津輕 2.開始時刻: (イ)補給艦入港来らば第一回各艦は補給艦の整備を待ち令なくして横付を開始す (ロ)横付作業日没30分以後となる場合には本日の補給を中止し5日早朝より開始す 3.補給量各艦満載とす 4.右の他艦長司令所定 17.03.04:SR方面攻略部隊信令第7号: 夕張、津輕は左に依り第二號海城丸に横付燃料補給を実施すべし 1.補給時刻0500とす、但し第二號海城丸入港し在ざる場合は第二號海城丸入港直後とす 2.横付艦補給艦の右舷夕張、左舷津輕とす 3.各艦燃料満載とす SR方面攻略部隊信令第6号を取消す 17.03.--:SR方面攻略部隊信令第8号: (不明) 17.03.07:SR方面攻略部隊信令第9号: 接敵時よりの機関待機を左の通定む 1.第六水雷戦隊 (イ)自7日1700至2200 24節即時、28節30分、最大戦速30分間待機 (ロ)自7日2200至8日0700 24設即時、最大戦速一時間待機 (ハ)8日0700以後(イ)項待機に同じ 2.津輕、金剛丸、天洋丸は第二部隊指揮官、聖川丸、第十四掃海隊は艦長司令所定とす 17.03.08:SR方面攻略部隊信令第10号: 夕張艦長はラエ鉄道桟橋附近に黄海丸横付の能否及繋留浮標、航路標識、ライターの有無等を 速に調査報告すべし 17.03.08:SR方面攻略部隊信令第11号: 1.第三十驅逐隊司令は睦月及び左の作業員を指揮しウェーキ経験に基き座礁大発の引卸を実施 すべし 既令の作業員、黄海丸大発一隻、陸戦隊員成る可く多数 2.右以外に必要なる作業員及び要具あらば要求すべし 17.03.08:SR方面攻略部隊信令第12号: 第十四掃海隊第二小隊は予定の掃海終了せば第三十驅逐隊司令の指揮を受け大発引卸に従事すべし 17.03.08:SR方面攻略部隊信令第13号: 陸戦隊指揮官は速に重機二門より成る警戒隊を黄海丸に派遣し同艦当地出港前復帰せしむべし 17.03.09:SR方面攻略部隊信令第14号: 津輕艦長は所要の人員を派遣し黄海丸に有する機関故障の大発を修理すべし 17.03.08:SR方面攻略部隊信令第15号: 特令ある迄追風及び二番隊の一艦はI区、二番隊(一艦欠)はJ区にありて対空対潜警戒を厳に すべし 旗艦は午前中IJ区方面にありて午後SR方面に機宜行動予定 17.03.12:SR方面攻略部隊信令第16号: 夕張艦長は本12日ちゃいな丸に工作員を派遣同船の船体応急修理を実施せしむべし 17.03.15:SR方面攻略部隊信令第17号: 本日0900指揮官(掃海艇長以上及び黄海丸艦長)旗艦に参集すべし 1300より各艦を巡視す、服装作業当日の侭とす 17.03.16:SR方面攻略部隊信令第18号: 1.当港在泊中応急出動艦を左の通定む 明17日より驅逐艦一隻宛(17日追風)艦船送番号順(朝凪、夕凪欠)一日交代(交代時刻0800) 2.各艦(隊)は明17日以後乗員の四分ノ一の割合にて各自一回宛1200より四時間以内の散歩上陸を 許可することを得、但し応急出動艦指定日を除く 3.機関待機は左の外従来通 応急出動艦以外の艦は1200より1700迄12節一時間待機とす 17.03.17:SR方面攻略部隊信令第19号: 黄海丸船長は夕張派遣の信号員を原隊に復帰せしむべし
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