ラバウル占領後に解隊されたR攻略部隊の一部をもって、同じニューブリテン島の「ス」(スルミ:Surumi)方面の要地攻略を目的に編成された部隊。新たに編成された第八特別根據地隊の司令官金澤中将を指揮官とした。
17.02.01:南洋部隊電令作第66号:R方面部隊編成 【兵力】(艦船のみ抜粋) 1.第一兵力部署(17.02.01:機密R方面部隊命令作第1号) 根據地部隊海上隊:(17.02.01:機密R方面部隊根據地部隊海上隊命令作第1号) 主隊: 津輕 第一部隊: 第五砲艦隊 (日海丸、靜海丸、京城丸) 第二部隊: 第五十六驅潜隊(第五壽丸、第八玉丸、第三利丸) 第三部隊: 第十四掃海隊 (玉丸、第二玉丸、羽衣丸、第二號能代丸) 附属隊: 黄海丸、 「ス」攻略部隊: (イ)第一兵力部署 主隊: 第六水雷戦隊 (夕張) 金龍丸、高瑞丸 掩護隊: 第二十九驅逐隊(追風、朝凪、夕凪、内一隻欠) 警戒隊: 第三十驅逐隊 (睦月、彌生、望月) 航空部隊: 聖川丸 第二十九驅逐隊(一隻) (ロ)第二兵力部署(上陸完了後) 主隊: 第六水雷戦隊 (夕張) 航空部隊: 聖川丸 第二十九驅逐隊(一隻) 第一警戒隊:第二十九驅逐隊(追風、朝凪、夕凪、内一隻欠) 第二警戒隊:第三十驅逐隊 (睦月、彌生、望月) 附属隊: 金龍丸、高瑞丸 2.第二兵力部署(17.02.14:機密R方面部隊命令作第4号) 根據地部隊: 海上隊: 津輕 第五砲艦隊 (日海丸、靜海丸、京城丸) 第五十六驅潜隊(第五壽丸、第八玉丸、第三利丸) 第十四掃海隊 (玉丸、第二玉丸、羽衣丸、第二號能代丸) 要地攻略部隊:第六水雷戦隊 (夕張 第二十九驅逐隊(追風、朝凪、夕凪) 第三十驅逐隊 (睦月、彌生、望月)) 航空部隊: 聖川丸 附属: 金龍丸、高瑞丸、特設監視艇 17.02.22:0000 南洋部隊電令作第101号により解隊
17.02.01:機密R方面部隊電令作第1号:R方面部隊機密第266番電: 1.ラバウル及び附近海面哨戒は特令する迄現配備に依り続行すべし 2.聖川丸は本日早朝より適宜の機数を以てセントジョージ海峡附近を哨戒し特に敵潜の撃滅に 努むべし 17.02.01:機密R方面部隊電令作第1号:R方面部隊機密第269番電: 津輕艦長はタバウル港に於ける港務作業を担当すべし 17.02.01:機密R方面部隊電令作第2号:R方面部隊機密第271番電: 第六水雷戦隊はRR及び附近海面哨戒および防備に関し根據地部隊海上隊を援助すべし 17.02.05:機密R方面部隊電令作第3号:R方面部隊機密第288番電: 「ス」作戦は特令あるまで其の実施を延期す
17.02.02:R方面部隊電令作第2号:R方面部隊機密第273番電: 1.1日0900南緯2度14分東経149度に於て第二號海城丸敵の攻撃を受く 第三驅逐隊之を捜索攻撃中 2.聖川丸水偵を以て右地点附近敵潜水艦捜索撃沈すべし 17.02.05:R方面部隊電令作第4号:R方面部隊機密第290番電: 1.ラバウルを基地とする第二十四航空戦隊大艇隊は南方海面(ソロモン群島含む)に対する 約700浬の索敵攻撃を実施中 2.航空部隊は「ス」攻略作戦発動迄ラバウル及びカビンコ基地とし東方海面に対し400浬の 索敵を実施すると共に附近哨戒に任ずべし 3.「ス」攻略部隊は発令後12時間以内に発進し得る姿勢にあるべし 17.02.06:R方面部隊電令作第5号:R方面部隊機密第298番電: 機密R方面部隊命令作第1号に依る「ス」作戦を実施す 「ス」上陸期日を2月9日とす 17.02.07:R方面部隊電令作第7号:R方面部隊機密第307番電: 航空部隊の飛行艇は8日早朝より右に依り全力索敵に任ずべし 1.ラバウル南東方よりガスマタ南方に亘る海面進出距離300浬索敵並にラバウル附近哨戒 2.カビエンの115度方向300浬の索敵及びカビエン附近哨戒 17.02.09:R方面部隊電令作第8号:R方面部隊機密第317番電: 敵機動部隊近海に行動の兆あり 各部隊は南洋部隊電令作第86号第二項に準じ特に警戒を厳にせよ 17.02.09:R方面部隊電令作第9号:R方面部隊機密第318番電: 1.第二十四航空戦隊大艇隊は本9日R南東方遠距離(約600浬)索敵並に中攻一機を以て RWE上空並にRQ南方海面の哨戒に任じつあり 2.聖川丸飛行機基地水偵は鹿島水偵と協力、同地より80度100度線内360浬を索敵すると共に ラバウル附近海面を哨戒すべし、鹿島水偵は特令ある迄ラバウルを基地として行動すべし 3.RO基地水偵はカビエンを中心とする150浬内哨戒すべし 4.聖川丸ラバウル基地水偵及び鹿島水偵は特令ある迄本職之を指揮す 17.02.10:R方面部隊電令作第10号:R方面部隊機密第326番電: 海上隊指揮官は当分の間特設砲艦一隻をグリーン島に派遣同島の警戒に任ぜしむると共に 第四根據地隊派遣同地警備隊及び横浜航空隊大艇隊に対する母艦任務を担当せしむべし 17.02.10:R方面部隊電令作第11号:八根機密第325番電: 1.海上隊指揮官は成可く速なる時機に特設砲艦一隻をグリーン島に派遣、京城丸と交代 せしむべし 2.京城丸は右砲艦到着後グリーン島所在当隊附属特設監視艇中、第五光進丸を除く六隻を 嚮導しラバウルに帰投すべし 17.02.10:R方面部隊電令作第12号:八根機密第327番電: 左記特設監視艇九隻を根據地部隊海上隊に編入す 第三號朝日丸 備讃丸 第二南進丸 第十五大日本丸 第十二號紀美丸 美島丸 オーストラリヤ丸 鳥取丸 第五光進丸 17.02.13:R方面部隊電令作第14号:八根機密第355番電: 2月13日1200以後軍隊区分を左の通改む 1.第十四掃海隊(第二小隊欠)を「ス」攻略部隊に編入、「ス」飛行場並に同方面の警戒に 任ぜしむ 2.金龍丸を「ス」攻略部隊より除きR方面部隊附属とし本職之を直率す 17.02.14:R方面部隊電令作第15号:八通機密第360番電: 1.高瑞丸をR方面部隊附属とし本職直率 2.高瑞丸、金龍丸は航海に支障なき程度の応急修理の上ラバウル発トラックに回航、船体及び 兵器の急速修理を行い速に次期作戦準備を整えラバウルに帰投すべし
17.02.15:R方面部隊電令作第16号:八根機密第362番電: (命令作第4号要旨) 1.作戦方針:スルミ攻略後の同方面飛行場急速設営の外現作戦続行次期作戦準備 2.兵力部署:R第二兵力部署 部隊名(イ)指揮官(ロ)兵力(ハ)主要任務(ニ)の順 (1)(イ)根據地部隊陸上隊 (ロ)第八特別根據地隊司令官 (ハ)従来の兵力に第六水雷戦隊を除く「ス」攻略部隊兵力を加う (2)(イ)第八特別根據地隊海上隊 (ロ)津輕艦長 (ハ)津輕、第五砲艦、第五十六驅潜隊、第十四掃海隊 (ニ)R方面担任海域哨戒並に防備特令に依り要地攻略に従事 (3)(イ)要地攻略部隊 (ロ)第六水雷隊司令官 (ハ)第六水雷隊特令に依り所要兵力を附す (ニ)特令に依り要地攻略、担任海域哨戒並に防備 (4)(イ)航空部隊 (ロ)以下従前通 (5)(イ)附属 (ロ)直率 (ハ)金龍丸、高瑞丸、特設監視艇 3.各部隊の行動 (1)当海上隊指揮官は左の標準に依り哨戒に任ずべし 要地攻略部隊指揮官は海上隊指揮官を援助すべし (イ)ラバウル湾口附近:砲艦、掃海隊、驅逐艦計二乃至三隻、特設監視艇若干 (ロ)セントジョージ海峡:驅逐艦一乃至二隻 (ハ)グリーン島:砲艦一隻、特設監視艇一隻 (ニ)スルミ附近:掃海艇二隻 (2)航空部隊 (イ)ラバウル方面:第二十四航空戦隊と密接なる連繋を保ちつつ附近哨戒並に東方 海面遠距離索敵 (ロ)カビエン方面附近哨戒および当方遠距離索敵
17.02.20:R方面部隊電令作第1号:八根機密第401番電: 第五砲艦隊司令は2月25日以後ラバウル港方面に於ける港務作業を担当すべし 17.02.20:R方面部隊電令作第6号: 1.本夜及び明早朝敵機動部隊の来襲に対し特に警戒を要す 2.明21日早朝左に依り飛行機索敵を行うべし(以下不明) 17.02.21:R方面部隊電令作第8号:八根機密第423番電: 津輕は更にヌガーバ島に至り第四航空隊機密第72番電に依る陸攻搭乗員を収容ラバウルに 帰投せよ
17.02.01:機密R方面部隊電令第2号:R方面部隊機密第270番電: 金龍丸は明2日早朝当地発カビエンに回航し同地に水上基地物件を陸揚し2月4日迄に 帰投すべし
17.02.01:第八根據地隊信令作第1号: 1.今夜敵機来襲の際味方戦闘機飛昇す 2.射撃を禁ず、照射は捕捉に自信ある場合のみ行うべし 17.02.02:R方面部隊信令作第2号: 1.聖川丸飛行機0930ザゼレン岬の160度100浬に敵小型船約30噸を発見白旗を揚げあり 乗員軍人らしきもの飛行機よりラバウルに向う様指示せり 2.第六水雷戦隊司令官は適宜驅逐艦を派遣し右敵小型船を獲捕すべし 3.聖川丸は更に飛行機を派遣触接を持続すべし 17.02.06:R方面部隊信令作第3号: 1.敵機発見の場合各艦発する空襲警報(サイレン)長符連装は必要なり艦船之を中継す 2.敵機来るを確認せば照射並に砲撃を行うべし、但し味方飛行機之に近接行動(味方表示の為 射撃を行う事あり)をとらば照射のみを持続し射撃すべからず
17.02.02:R方面部隊信令第2号: 本日1400より今次部隊本部に於て当地防空戦闘打合会を開催す 津輕艦長及び各艦艇部隊主務者参集すべし 17.02.09:R方面部隊信令第13号: 津輕艦長は寶洋丸監督官の要求に応じ同船の船底検査作業を援助すべし 17.02.12:R方面部隊信令第14号: 左記に依り聯合工作を行う 1.作業目的(イ)金龍丸の損傷応急修理 (ロ)拿捕船艇の整理 2.人員 (イ)津輕機関長 (ロ)八根工作隊 (ハ)五砲、十四掃は適宜 3.各部は指揮官の要求に応じ必要なる人員資材を請求すべし 17.02.18:R方面部隊信令第19号: 爾今当地陸上に於ける空襲警報発令は当隊本部附近に於て発する号砲三発(毎秒十秒間隔を隔 て)を以て示し同じく解除は電話信号を以て之に令す
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