「ウ」(AA:ウェーキ島:Wake Island)攻略を目的とした部隊で第六水雷戦隊司令官梶岡少将をを指揮官とした。ウェーキ島はウェーキ本島、ウイルクス島(Wilkes Island)、ピール島(Peale Island)の三島からなる環礁である。第一次の攻略戦では荒天に依り夜間上陸ができず明方の強行上陸となり航空機の援護もなかったため失敗に帰し、驅逐艦「疾風」、同「如月」を喪失、特設巡洋艦「金剛丸」も損傷した。これを教訓に第二次攻略戦では特設水上機母艦「聖川丸」を部隊に加えるとともに、第二航空戦隊(「飛龍」「蒼龍」)からの航空機の掩護も受け、12月23日上陸に成功した。なお、この戦闘では「第三十二號哨戒艇」「第三十三號哨戒艇」を海岸に擱坐させて強行上陸を敢行したため両艦とも全損となった。
16.11.24:機密「ウ」攻略部隊命令作第1号:【兵力】(艦船のみ抜粋) 16.12.08:第一軍隊区分(攻略完了まで) 本隊: 第六水雷戦隊 (夕張 第三十驅逐隊 (望月、如月)) 第四艦隊三號輸送艇 第一攻略隊: 第二十九驅逐隊(追風、疾風) 第二攻略隊: 第三十驅逐隊 (睦月、彌生) 第三十二號哨戒艇、第三十三號哨戒艇 潜水部隊: 第二十七潜水隊(呂66、呂65、呂67) 設営隊: 金剛丸、漁船5 附属隊: 金龍丸 16.12.--:第二軍隊区分(攻略完了後−作戦失敗に依り発動せず) 本隊: 第六水雷戦隊 (夕張 第二十九驅逐隊(追風、疾風) 第三十驅逐隊 (睦月、如月、彌生、望月) 第三十二號哨戒艇、第三十三號哨戒艇 第四艦隊三號輸送艇 潜水部隊: 第二十七潜水隊(呂66、呂65、呂67) 設営隊: 金剛丸 第二號監視艇(第二稲荷丸) 第四號監視艇(第一見寶丸) 第七號監視艇(第五富久丸) 漁船5、大発3 16.12.16:機密「ウ」攻略部隊命令作第11号:【兵力】(艦船のみ抜粋) 16.12.16:第一軍隊区分(攻略完了まで) 本隊: 第六水雷戦隊 (夕張 第二十九驅逐隊(夕凪) 第三十驅逐隊 (彌生、望月)) 第一攻略隊: 第三十驅逐隊 (睦月) 第三十二號哨戒艇、第三十三號哨戒艇 第二攻略隊: 第二十九驅逐隊(追風、朝凪) 金龍丸 第一水上機隊:聖川丸 設営隊: 金剛丸 第二號監視艇(第二稲荷丸) 第四號監視艇(第一見寶丸) 第七號監視艇(第五富久丸) 附属隊: 天洋丸 16.12.26:1200 第二軍隊区分(攻略完了後設営作業完了迄) 本隊: 第六水雷戦隊 (夕張 第二十九驅逐隊(追風、夕凪、朝凪) 第三十驅逐隊 (望月、彌生、望月)) 第三十二號哨戒艇、第三十三號哨戒艇 第一水上機隊:聖川丸 設営隊: 金剛丸 第二號監視艇(第二稲荷丸) 第四號監視艇(第一見寶丸) 第七號監視艇(第五富久丸) 附属隊: 天洋丸、金龍丸 16.12.27:機密「ウ」攻略部隊命令作第14号:【兵力】(艦船のみ抜粋) 16.12.27:軍隊区分 本隊: 第六水雷戦隊 (夕張 第二十九驅逐隊(追風、夕凪、朝凪) 第三十驅逐隊 (望月、彌生、望月)) 「ウ」守備隊: 陸戦隊: 第三十二號哨戒艇、第三十三號哨戒艇 附属隊: 天洋丸、金龍丸、金剛丸 16.12.30:南洋部隊電令作第39号により解隊
16.12.12:「ウ」攻略部隊電令作第1号:第六水雷戦隊機密第275番電: 当部隊明13日0530ミルー水道より入泊す、水上機隊は二機を以て0400より水道外の対潜警戒に 任ずべし 16.12.22:「ウ」攻略部隊電令作第2号:第六水雷戦隊機密第324番電: 天洋丸は速に第二水上機隊は準備出来次第ウェーキに進出すべし
16.12.24:「ウ」攻略部隊電令第1号:第六水雷戦隊機密第---番電: 特令ある迄各隊(艦)は隊附(乗組)主計科士官を聯合陸戦隊に派遣し聯合陸戦隊指揮官の命を 受け捕虜及び敵産処理其の他の所要務に任ぜしむべし 16.12.24:「ウ」攻略部隊電令第3号:第六水雷戦隊機密第330番電: 本日以後特令なき限り夜間の行動は機密「ウ」攻略部隊命令第15号に依る、 但し24日第三十驅逐隊二隻、25日第二十九驅逐隊二隻(以下一日毎に交代す)はウェーキ南岸 附近を機宜行動し警戒通信連絡に任ずべし 16.12.25:「ウ」攻略部隊電令第4号:第六水雷戦隊機密第341番電: 本日情況に依り1800頃迄荷揚作業を実施す、此の場合の対潜警戒要領次の通り定む 1.一番隊は繋泊位置の外周二乃至三粁二番隊は五粁附近を原速力にて行動警戒す 2.夕張は一番隊の内方を機宜行動す 16.12.25:「ウ」攻略部隊電令第4号:第六水雷戦隊機密第334番電: 第二水上機隊は速に飛行機発進左に依り対潜警戒を実施すべし 一機を以て日没迄常時ウェーキ南方10浬圏内の哨戒 一機を以て午前及び日没前各一回ウェーキ周囲50浬圏内の捜索 16.12.25:「ウ」攻略部隊電令第5号:第六水雷戦隊機密第343番電: 1.当部隊電令第4号より睦月を除く 2.今夜荷揚作業終了後行動中の護衛驅逐艦を金龍丸に対し夕凪、朝凪、金剛丸に対して望月、 彌生とす 3.追風、睦月は此の附近にありて警戒すべし 4.金龍丸、金剛丸は翌朝極力速に作業を開始し得る如く行動すべし 5.行動区域を金剛丸C区、金龍丸D区、夕張AB区適宜とす 16.12.25:「ウ」攻略部隊電令第6号:第六水雷戦隊機密第345番電: 1802に到らば作業を止め発進予定の如く行動せよ 16.12.25:「ウ」攻略部隊電令第7号:第六水雷戦隊機密第346番電: 今後の行動区域を金剛丸A区、金龍丸B区、夕張CD区、適宜に改む 16.12.26:「ウ」攻略部隊電令第8号:第六水雷戦隊機密第357番電: 1.本日第六水雷戦隊各艦(睦月欠)は1600発動金剛丸作業終了迄「ウ」攻略部隊電令第4号の 要領に依り対潜警戒に任ずべし 2.金剛丸出港後一番隊と距岸30浬迄之が護衛に任ずべし 3.今夜夕張はCD区、一番隊はA区、二番隊はB区を機宜行動、明日0430ウェーキ南方海岸に 集合すべし 4.第六水雷戦隊は明日概ね1200当地発ルオットに回航の予定
16.12.12:「ウ」攻略部隊信電令作第1号:第六水雷戦隊機密第274番電: 明13日驅逐隊哨戒艇は左に依り前路並に入泊航路の掃蕩警戒を実施すべし 1.0330令なくして発動、望月は夕張の右20度3粁、尓余の各艦は間隔2粁を以て望月の右側 追風、第三十二號哨戒艇、左側睦月、彌生、第三十三號哨戒艇の順に単横陣を制形し 前路掃蕩を実施すべし 2.解列の令あらば基準針路の右側望月、追風、第三十二號哨戒艇、左側睦月、彌生、 第三十三號哨戒艇、各側司令の定むる所に依り第十八戦隊水道進入迄航路附近の警戒に 任じたる後、一番隊、二番隊、第三十二號哨戒艇、第三十三號哨戒艇の順に入泊すべし 16.12.24:「ウ」攻略部隊信電令第2号:第六水雷戦隊機密第326番電: 今明日頃より敵潜水艦の出現は必定なり、各艦(機)は益々警戒を厳にするは固より極力之を 索めて撃滅に努むべし 16.12.26:「ウ」攻略部隊信電令第3号:第六水雷戦隊機密第348番電: 1.機密「ウ」攻略部隊法令第4号に依る聯合特別陸戦隊の編制を解く 2.陸戦隊本部は速に復帰すべし 3.板谷中隊は別令に依り原隊に復帰すべし
16.12.06:「ウ」攻略部隊信令作第1号: 明7日0300以後機銃高角砲に配員し対空警戒を厳にせよ 16.12.07:「ウ」攻略部隊信令作第2号: 機密「ウ」攻略部隊命令作第1号4項(4)上陸掩護射撃(1)に左を追加す 各攻略隊指揮官は上陸部隊着岸前照射砲撃を受けたる場合及び距岸2000米に達したる時は 無線にて全軍に報告通知すべし 16.12.07:「ウ」攻略部隊信令作第3号: 1.本職12月8日1515第六水雷戦隊(驅逐隊欠)金龍丸、金剛丸、第三十二號哨戒艇、 第三十三號哨戒艇を率いルオット泊地発ミルー水道より出撃す、驅逐隊は先任司令之を指揮し 予定の如く行動すべし 2.右各隊(艦)はミルー水道外に於て第七警戒航行序列に占位すべし、夕張の針路290度 速力15節、金剛丸及び哨戒艇は成るべく続行する如く行動すべし 3.石廊は9日便宜出港、別令に依り行動すべし 4.第二號監視艇は適宜ルオット発9日日没時迄にピキンニに回航、第七號、第四號監視艇と共に 行動すべし 16.12.07:「ウ」攻略部隊信令作第4号: 1.石廊は12月10日中にピキンニに進出待機すべし 2.爾後の行動は追て指示す、特令なければ13日0600ポカアック島に達する如く行動すべし 16.12.07:「ウ」攻略部隊信令作第5号: 1.本7日1600以後各艦(隊)左に依り対敵警戒碇泊とす、但し (イ)日出一時間前より機銃の全数に対し即時射撃可能なる如く配員す (ロ)夜間即時主砲一門以上射撃可能なる如く配員す (ハ)哨艇を出さず (ニ)特に必要なる舷窓通路を開くことを得 (ホ)各艦12節二時間待機とす 2.第三十驅逐隊司令の定むる一艦は12節20分待機とし応急出動艦とす 3.第二號監視艇はミルー水道内方に在りて監視哨戒に任ず 4.明8日0300以後12節20分待機、24節一時間待機とす 16.12.08:「ウ」攻略部隊信令作第6号: 本作戦中機関取扱に関し左の通り定む 1.敵機来襲又は空襲警報の際は指令中短時間(30分以内)待機を令なくして速に即時待機となし 復帰は各艇適宜とす 2.昼間の煤吹掃除を禁ず 3.機関室ビルヂ投射は日没後一時間後より約30分間に実施する外之を禁ず 16.12.08:「ウ」攻略部隊信令作第7号: 1.石廊8日午後、第十八戦隊に先ち機宜出港、ピキンニに進出待機すべし 2.爾後の行動は追て指示す、特令なければ13日0600ポカアック島に達する如く行動すべし 16.12.--:「ウ」攻略部隊信令作第8号:(不明) 16.12.09:「ウ」攻略部隊信令作第9号: 陸戦隊揚陸時は敵に発見せられたる虞なき場合と雖も上陸舟艇距岸約二〇〇〇米に達せる 時機より各攻略隊は敵砲台トーチカ等に対し機宜射撃すべし 16.12.--:「ウ」攻略部隊信令作第10号:(不明) 16.12.09:「ウ」攻略部隊信令作第11号: 上陸点第一案の場合特令なければ如月は標準艦任務終了後よりピーコックポイントの南東に 位置し夕張射撃の側方観測をなせ、此の場合如月の射撃実施は特令す 16.12.10:「ウ」攻略部隊信令作第12号: 本日日没迄特令なければ28節20分間待機、最大戦速1時間待機となせ 16.12.10:「ウ」攻略部隊信令作第13号: 1300発動第四接岸序列に占位せよ 16.12.10:「ウ」攻略部隊信令作第14号: 1.本日日没後26節即時待機 2.特令なければ本日2200以後最大戦速即時待機となせ 16.12.10:「ウ」攻略部隊信令作第15号: 1.上陸後成る可く速に敵戦闘機を撃破すべし 2.明朝0430頃友軍航空機(中攻)はウェーキ本島赤屋根附近陣地及びピアル島を爆撃す 16.12.--:「ウ」攻略部隊信令作第16号:(不明) 16.12.11:「ウ」攻略部隊信令作第17号: 1400以後24節20分待機となせ 16.12.12:「ウ」攻略部隊信令作第18号: 当部隊はクエゼリンにて戦備を完成し天候を見て「ウ」攻略を再行せんとす、各隊(艦)速に 戦備完成に努むべし 16.12.--:「ウ」攻略部隊信令作第19号:(不明) 16.12.20:「ウ」攻略部隊信令作第20号: 1.聖川丸は23日天明時搭載機を以て上陸作戦に参加し得る如く行動すべし、但し飛行機の発進は 特令す 2.監視艇は先任艇長之を率い20日午後ルオット発ポカアックに回航待機すべし 16.12.20:「ウ」攻略部隊信令作第21号: 通信情報に依れば米大型機数機今朝来ミッドウェーよりウェーキに移動せること隔日なり 警戒を厳にせよ 16.12.20:「ウ」攻略部隊信令作第22号: 明21日0520以後24節即時、最大戦速1時間待機となせ 16.12.21:「ウ」攻略部隊信令作第23号: 聖川丸は出撃後為し得る限り攻略部隊至近の距離を行動し 22日天明時より水偵2機宛を以て上空直衛に任ぜしめたる後、ポカアック島附近にて収容 23日成る可く速にウェーキ附近に達する如く行動すべし 16.12.21:「ウ」攻略部隊信令作第24号: 電波警戒管制第一法となせ 16.12.22:「ウ」攻略部隊信令作第25号: 第三十二號哨戒艇は着岸後差支なき時機より南20度西方向に対し第一攻略隊及び大発等の目標 として灯火を出すべし、右はオシタップ等を以て囲い厳に敵方より視認せられざる如く作製すべし 16.12.22:「ウ」攻略部隊信令作第26号: 1430に到らば各隊(艦)令なくして発動接岸序列に占位すべし 16.12.24:「ウ」攻略部隊信令作第27号: 特令する迄昼間対潜警戒要領左の通定む 1.担任水路を短艇水路を通ずる210度線以西一番隊、以東二番隊とす 2.各隊司令の定むる所により金龍丸、金剛丸の外方適宜の距離を行動警戒を実施す 3.夕張は情況に応じ機宜行動す
16.12.04:「ウ」攻略部隊信令第3号: 本日以後第二警戒碇泊となせ、但し (1)灯火警戒管制となし探照燈の配員を撤する事を得 (2)哨艇は出さず (3)特に必要とする舷窓通路を開く事を得 16.12.05:「ウ」攻略部隊信令第9号: 第二十七潜水隊識別に関し左の通定む 1.隊番号、艦船名は抹殺す 2.艦橋両舷に左に依り片仮名を記入す (1)六六潜 フ (2)六五潜 ク (3)六七潜 イ 16.12.08:「ウ」攻略部隊信令第19号: 0900より特令ある迄見張員及び機銃員は戦闘配備とし特に対空警戒を厳にせよ 16.12.09:「ウ」攻略部隊信令第23号: 艦船陸戦隊員は明10日日没時以後特に差支なき限り陸戦被服を着用せしめ置くべし 16.12.09:「ウ」攻略部隊信令第24号: 爾今特令する迄当部隊内に於ては海軍信号書(甲)を使用するもとに一定し区別旗(符)「O」 を省略す 16.12.09:「ウ」攻略部隊信令第25号: 本日日没時までに第七警戒航行序列に占位すべし、但し哨戒艇は金龍丸の正横約二粁に占位する ものとす 16.12.09:「ウ」攻略部隊信令第26号: 明日0600及び1200の艦位を旗艦の位置に修正し報告すべし 16.12.12:「ウ」攻略部隊信令第27号: ルオットに於ける錨地を第一錨地とす、但し驅逐艦錨地の空位は順次充すものとす 金龍丸、金剛丸は適宜前回錨位附近に投錨差支えなし 16.12.13:「ウ」攻略部隊信令第29号: 第二警戒碇泊となせ、但し 1.昼間機銃員は全員を配員すべし 2.夜間主砲一門以上に配員すべし 3.機関は昼間12節一時間待機、夜間12節二時間待機となせ 16.12.14:「ウ」攻略部隊信令第32号: 「ウ」攻略部隊信令第29号中但し書を左の通改む 但し 1.機銃員は日出前一時間前より日没後一時間迄配員す 2.哨艇を出さず 3.機関は12節二時間待機とす 16.12.14:「ウ」攻略部隊信令第36号: 次発魚雷の実用頭部は之を取外し格納すべし 16.12.17:「ウ」攻略部隊信令第46号: 1.夕張はエニビン島に見張所を設置し各艦(隊)は左の区分に依り見張員を派出し北水道附近の 見張警戒に任ぜしむべし (イ)17日夕張、18日第二十九驅逐隊、19日第三十驅逐隊、20日夕張(1600迄) (ロ)派出員数6名 (ハ)交代時刻を0700とす 2.各艦は敵侵入に際しては主砲を以て水道附近を射撃し得る如く準備し置くものとす 3.射撃実施の場合の監視艇は必要に応じ航海灯を点じ航空隊方面に避退すべし 4.各驅逐隊司令は右に依り麾下の一艦をして12節20分待機にて錨泊警戒せしむべし 17日第二十九驅逐隊、18日第三十驅逐隊以下繰返す 5.規約信号を左の通定む (イ)敵発見、昼間一瓲発煙筒、夜間火箭一発(又は号星拳銃連発)「セ」(ヒ)連送 (ロ)味方識別 聯合艦隊戦策改定 16.12.17:「ウ」攻略部隊信令第49号: 明19日天明後機銃に全部配員し対空警戒を特に厳にすべし 16.12.19:「ウ」攻略部隊信令第50号: 魚雷頭部並爆雷に対し柔道畳釣床其の他鉄鈑等を以て防護を施すべし 16.12.20:「ウ」攻略部隊信令第51号: 明日ag以外の出撃順序を夕張、金龍丸、第三十二號、第三十三號哨戒艇、聖川丸の順とす 聖川丸は水道外に於て便宜解列し信令第20号に依り行動すべし 16.12.21:「ウ」攻略部隊信令第53号: 敵発見の場合上空直衛機に急報の為夕張は煤煙幕を展張敵機の方向に変針所定の信号を行う 此の場合各隊(艦)は原針路を続行、要すれば機宜回避運動を実施すべし 16.12.21:「ウ」攻略部隊信令第54号: 1.警戒航行中特令なき限り第三十二號哨戒艇は夕張の右正横二粁、第三十三號哨戒艇は金龍丸の 右正横二粁に占位すべし 2.睦月は哨戒艇の外方適宜を行動之が護衛誘導に任ずべし 16.12.21:「ウ」攻略部隊信令第55号: 明22日0600、1200の位置を夕張の位置に修正し報告すべし 16.12.22:「ウ」攻略部隊信令第56号: 第三十驅逐隊司令は本日日没時迄麾下の一艦をして金龍丸の対潜警戒に任ずべし 16.12.22:「ウ」攻略部隊信令第57号: 艦船陸戦隊員は特令する迄聯合陸戦隊指揮官の指揮を受くべし 16.12.22:「ウ」攻略部隊信令第58号: 1.当隊(第二十九驅逐隊欠)の行動予定左の通定む 1600ウェーキ島の135度5浬針路135度速力12節、2100 225度、0000 350度に夫々変針す 2.追風、夕凪はウェーキ島南方を行動し陸上との通信連絡並に警戒に任ずべし 3.金龍丸、朝凪は機密「ウ」攻略部隊命令第15号に依り行動すべし 16.12.22:「ウ」攻略部隊信令第59号: 24節20分待機、最大戦速1時間待機となせ 16.12.24:「ウ」攻略部隊信令第60号: 本日驅逐隊各種作業特令ある迄警戒艦金剛丸に対し第三十驅逐隊の一艦、金龍丸、聖川丸に対し 第二十九驅逐隊の各一艦とす 16.12.24:「ウ」攻略部隊信令第61号: 1.聯合陸戦隊指揮官は速に陸上の兵器を整備すると共に防備を完成すべし 2.各艦は左に依り戦死者遺骨箱を作製、本日午前中に陸戦隊本部に送付すべし (イ)夕張52、驅逐艦各8、金剛丸、金龍丸各10 (ロ)寸法:外側高さ270粍、210粍角、材料エゾ松又は厚さ4分又は6分側板の打付は左廻りとす 16.12.24:「ウ」攻略部隊信令第62号: 本日午後大艇3、水偵8程度繋留可能なる如く準備を完成すべし 16.12.24:「ウ」攻略部隊信令第63号: 護衛驅逐艦は金龍丸、金剛丸の外方二粁付近を約13節にて行動対潜警戒を厳にすべし 16.12.25:「ウ」攻略部隊信令第64号: 各隊(艦)は本日0800作業位置に於て遙拝式を実施すべし、服装其の侭とす 16.12.25:「ウ」攻略部隊信令第65号: 1.搭載中無線関係を至急陸揚せよ 2.無線関係設置補助官として掌通信長を派遣すべし 16.12.25:「ウ」攻略部隊信令第66号: 左に依り主計兵(烹炊員)を陸上に派遣し陸戦隊指揮官の指揮を受けしむべし 夕張2、驅逐艦各1 16.12.25:「ウ」攻略部隊信令第67号: 1.夕張は左記兵器を「ウ」守備隊長に貸与すべし乾湿寒暖計、測風計、空盒晴雨計、雨量計各1 2.守備隊長は第四艦隊所定の気象観測通報を実施すべし 16.12.25:「ウ」攻略部隊信令第68号: 艦船派遣陸戦隊は26日午前中に復帰せしむべし 16.12.25:「ウ」攻略部隊信令第69号: 左に依り遺骨箱を作製、至急陸戦隊本部に送付すべし 夕張6、金龍丸、金剛丸各2 16.12.25:「ウ」攻略部隊信令第70号: 板谷中隊は明日1200以後、金龍丸に乗艦せし得る如く準備をなしおけ 16.12.26:「ウ」攻略部隊信令第72号: 金龍丸は26日成る可く速に荷揚作業を完了すると共に板谷中隊を収容サイパンに回航すべし 16.12.26:「ウ」攻略部隊信令第73号: 守備隊指揮官は第三十二、三十三號哨戒艇装備の使用可能兵器其の他逐次撤去し之が整備保管に 任ずべし 16.12.26:「ウ」攻略部隊信令第75号: 遺骨は左の区分に依り本日1400迄に艦船に奉戴すべし 夕張陸戦隊 夕張 内田部隊、板谷部隊 金龍丸 高野部隊 金剛丸 16.12.26:「ウ」攻略部隊信令第76号: 陸上に派遣中の主計科士官は27日0600迄烹炊員は本日1400迄に復帰せしむべし 16.12.26:「ウ」攻略部隊信令第77号: 当部隊信令第75号を取消す 遺骨は天洋丸に奉戴すべし 16.12.26:「ウ」攻略部隊信令第78号: 出港前金龍丸は大発一隻、金剛丸は大発、中発各一隻を搭載すべし 16.12.26:「ウ」攻略部隊信令第79号: 天洋丸は遺骨奉戴後便宜出港、クエゼリンに回航すべし 16.12.26:「ウ」攻略部隊信令第80号: 天洋丸は出港前金剛丸より中発を受領搭載すべし 16.12.26:「ウ」攻略部隊信令第81号: 金剛丸は本日荷役終了後トラックに回航すべし 16.12.26:「ウ」攻略部隊信令第82号: 今夜金剛丸作業終了後第一號大発を守備隊に附属せしむ 16.12.27:「ウ」攻略部隊信令第85号: 1.本職第六水雷戦隊を率い1100漂泊地発ウェーキ島を右廻り一周したる後ルオットに向う 2.第六水雷戦隊各艦はピーコック岬に於て本作戦殉職者の英霊に対し黙祷を行うべし黙祷の時機 標示旗の降下を以て示す 16.12.27:「ウ」攻略部隊信令第86号: 1.一番隊は直ちに出港、機宜行動の上針路173度速力12節にてルオットに回航すべし 2.夕張二番隊は要務終了後速力14節にて回航す 16.12.27:「ウ」攻略部隊信令第87号: 二番隊は便宜出港、針路173度速力12節にてルオットに回航すべし
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