特設哨戒艇隊

特設哨戒艇隊は特設艦船部隊令第五十八條で規定される部隊です。哨戒艇及その他の特務艇二隻以上を以て編成し、其の編制に依り第一哨戒艇隊等と呼称することとされました。特設部隊ですが正規の特務艇で編成される部隊です。実際に編制が定められたのは第一哨戒艇隊のみで、哨戒艇10隻に依り編成されました。
第一哨戒艇隊は編成されたものの当初から司令が作戦指揮下においていたのは第一號及び第二號のみで、昭和16年12月のウェーキ島攻略作戦において第三十二號及び第三十三號を一度も指揮下におくことなく喪失してしまいました。昭和17年1月の戦時日誌には早くも合同の機なく隊任務遂行上困却すと窮状が訴えられております。昭和17年3月に入ってアンボンにて第三十八號及び第三十九號とようやく合同しますが、他の四隻とは結局一度も合同することなく昭和17年4月に解隊されてしまいました。戦時日誌の締めくくりとして語られた右の如き状況にして隊とは名のみにして各哨戒艇は全く独自の作戦に従事し各哨戒艇の指揮、統率、教育、訓練、人事、給与掌理上極めて困難を極め不都合の点多かりしというところに第一哨戒艇隊の実情を知ることができます。

特設哨戒艇隊編制

【第一哨戒艇隊】
 16.11.20:内令第1493号:第一號第二號第三十二號第三十三號第三十四號第三十五號第三十六號第三十七號第三十八號第三十九號
 17.01.15:内令第  73号:第一號、第二號、第三十四號、第三十五號、第三十六號、第三十七號、第三十八號、第三十九號	
 17.04.10:内令第 654号:特設哨戒艇隊編制を廃止

特設哨戒艇隊人事

特設哨戒艇隊には次の職員を置きその職務に付いては驅逐隊潜水隊水雷隊掃海隊驅潜隊令を準用しました。
  司令
  機関長
  軍医長
  主計長
これらの職員の外特設哨戒艇隊に編入される哨戒艇の乗員に充てるため次の職員を置き驅逐艦の職員に準じ服務するものとされました。
  哨戒艇長
  分隊長
  隊附 士官、特務士官、准士官、下士官、兵

【第一哨戒艇隊司令】
補 16.11.20:海軍大佐 西川 速水   (乗艇:第一號)
免 17.04.10:海軍大佐 西川 速水

【第一哨戒艇隊機関長】 補 16.11.20:海軍機關少佐 堀切 春吉 (乗艇:第二號) 免 17.04.10:海軍機關少佐 堀切 春吉
【第一哨戒艇隊軍医長】 補 16.11.20:海軍軍醫中尉 莇 祐三郎 (乗艇:第二號) 免 17.04.10:海軍軍醫中尉 莇 祐三郎
【第一哨戒艇隊主計長】 補 16.11.20:海軍主計中尉 菊池 康太 (乗艇:第一號) 免 17.04.10:海軍主計中尉 菊池 康太
【第一哨戒艇隊特務艇長兼分隊長】 補 16.11.20:海軍豫備大尉 八巻 楯吉 (乗艇:第三十四號) 補 16.11.20:海軍豫備大尉 赤沼 輝彦 (乗艇:第三十六號) 補 16.11.20:海軍豫備大尉 森 亞男  (乗艇:第三十三號) 補 16.11.20:海軍豫備大尉 池田 虎雄 (乗艇:第三十七號) 補 16.11.20:海軍豫備大尉 千本木 コ二(乗艇:第二號) 補 16.11.20:海軍豫備大尉 熊井 善太郎(乗艇:第三十五號) 補 16.11.20:海軍豫備大尉 杉野 十二 (乗艇:第三十二號) 補 16.11.20:海軍豫備大尉 種子 壽美夫(乗艇:第三十八號) 補 16.11.20:海軍豫備大尉 東 實夫  (乗艇:第一號) 補 16.11.20:海軍豫備大尉 河野 正  (乗艇:第三十九號) 免 16.12.08:海軍豫備大尉 杉野 十二 補 16.12.08:海軍豫備大尉 西尾 正  (乗艇:第三十二號) 免 17.01.15:海軍豫備大尉 森 亞男 免 17.01.15:海軍豫備大尉 西尾 正 免 17.04.10:海軍豫備大尉 八巻 楯吉 免 17.04.10:海軍豫備大尉 赤沼 輝彦 免 17.04.10:海軍豫備大尉 池田 虎雄 免 17.04.10:海軍豫備大尉 千本木 コ二 免 17.04.10:海軍豫備大尉 熊井 善太郎 免 17.04.10:海軍豫備大尉 杉野 十二 免 17.04.10:海軍豫備大尉 種子 壽美夫 免 17.04.10:海軍豫備大尉 東 實夫 免 17.04.10:海軍豫備大尉 河野 正

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