「ガ」攻略部隊/G攻略部隊

概要

「ガ」(G:グァム島:Guam)攻略を目的とした部隊で第五根據地隊司令官春日少将をを指揮官とした。昭和16年12月8日から第十八航空隊及び聖川丸艦載機がグァム島の空爆を開始。攻略部隊は9日夜半にグァム島泊地に進入し、日付が変わった頃上陸を開始。10日中に全島攻略を完了した。以後グアム島を大宮島と呼称する。

 16.11.--:機密南洋部隊命令作第1号:G攻略部隊編成
 16.11.21:機密G攻略部隊命令作第1号:【兵力】(艦船のみ抜粋)
       護衛集団
        第一護衛隊:津輕、夕月
        (輸送船第一分隊):チェリボン丸横濱丸ちゃいな丸
        第二護衛隊:昭コ丸
        (輸送船第二分隊):べにす丸日美丸門司丸
        第三護衛隊:第二十三驅逐隊(菊月、卯月)
        (輸送船第三分隊):くらいど丸松江丸太jロ
        第四護衛隊:朧
        航空部隊: 聖川丸
       第一哨戒部隊:勝泳丸弘玉丸
       第二哨戒部隊:第六十驅潜隊 (第八京丸第十京丸珠江丸)
              第五十九驅潜隊(第五昭南丸第六昭南丸昭jロ)
       掃海部隊:  第十五掃海隊 (第二文丸第三關丸)

 16.12.13:南洋部隊電令作第18号により解隊

「ガ」攻略部隊電令作

 16.12.08:電令作第5号:第五根據地隊機密第74番電:
      (1)9日は予定行動の外ロタを中心とする80浬圏Gサイパン連結線の西半円内の退船飛行索敵
         (特に当隊航路前程を厳重に)を行うべし
      (2)10日の飛行作業開始時刻を0430以後に改む

 16.12.07:電令作第6号:第五根據地隊機密第56番電:
       第五十九驅潜隊、第十五掃海隊は12月9日早朝より日没迄左記海面の対潜掃蕩を実施すべし
       指揮官を第十五掃海隊司令に指定す
       ロタ東北端(基点)より250度45浬基点より220度及基点にて包まるう海面

 16.12.09:電令作第7号:第五根據地隊機密第72番電:
       当隊電令作第5号中本9日の飛行対潜索敵区域を左の通改む
       ロタ項 (基点)の85度29浬(U点とす)
           基点の325度39浬(V点とす)
           基点の235度85浬(W点とす)
           基点の139度80浬(X点とす)
       を結ぶ海面

 16.12.10:電令作第9号:第五根據地隊機密第78番電:
       夕月は第二分隊第二回揚陸後同分隊(大発曳航)を松山沖に於て第三分隊に合同すべし

 16.12.10:電令作第10号:第五根據地隊機密第81番電:
       第四艦隊電令作第9号に依る一号艇の索敵に関し左の通定む
      1.出発時刻:10日0700
      2.索敵海面:サイパン、ウルシー、北緯12度20分東経138度20分の三点を連結する線上、但し
             ウルシーの30浬以内に接近すべからず
      3.12月11日の索敵に関しては後令す

 16.12.10:電令作第11号:第五根據地隊機密第82番電:
       朧は任務終了せば津輕に合同すべし

 16.12.10:電令作第12号:第五根據地隊機密第83番電:
       速に黒浜沖(ダディービーチ)の掃海を行うべし

 16.12.10:電令作第13号:第五根據地隊機密第85番電:
       第二十三驅逐隊司令は本日午後より特令ある迄驅逐艦一隻をして常時G島東側及び南側海面の哨戒に
       任ぜしむべし(本任務を当隊限りA任務と呼称す)

 16.12.10:電令作第14号:第五根據地隊機密第86番電:
       信令第11号の機関待機を解く

 16.12.10:電令作第15号:第五根據地隊機密第90番電:
       12月10日以後G攻略部隊通信計画を左の通改む
      1.艦船通信系周波1930kl(チウ451)
        特設艦船にして中波を装備しあらざる所は187kl(ナ三)を使用する事を得、
        第三受伝標、但しサイパン在泊中の驅逐隊(艦)掃海隊(艇)は第五通信隊と協議の上
        便宜待受時間を変更することを得 
      2.超短波通信系をG攻略部隊指名通話伝系とす
      3.輸送船団通信系を削除す

 16.12.10:電令作第16号:第五根據地隊機密第9番電:
       碇泊艦船は第二警戒碇泊にて警戒せよ

 16.12.12:電令作第19号:第五根據地隊機密第108番電:
       第十八航空隊司令は明13日以後当分の間毎日三座水偵3機を以て左記海面の哨戒を実施すべし
      (以下略:Ref. JACAR:C08030755500, P.101)

「ガ」攻略部隊信令

 16.11.24:信令第1号:第五根據地隊司令官:
      1.26日1300将旗を津輕に移掲す
        禮式は禮式令第六九條表中第八號に準ず
      2.津輕は26日1330会合点に向け出港すべし

 16.12.03:信令第2号:護衛艦隊指揮官:
       荒天準備をなし煖機を開始せよ

 16.12.03:信令第3号:護衛艦隊指揮官:
       警戒航行序列中に於ける朧の任務行動に左記を追加す
      1.輸送船団後方分隊に対する信号の中継
      2.日出、日没及び深夜各一回宛て約一時間護衛集団の後方約十浬の現場の対潜哨戒

 16.12.04:信令第4号:護衛艦隊指揮官:
       護衛艦隊は本日0900当地を出撃、第一航路を経由目的地に向う

 16.12.05:信令第5号:護衛艦隊指揮官:
       各隊(艦船)指揮官の定むる處に依り対敵警戒を厳にせよ、津輕は第三配備にて警戒す

 16.12.06:信令第8号:護衛艦隊指揮官:
       予定航路左の通
       8日0600D点(北緯17度14分東経148度1分)
       爾後針路215度にて9日0300C点(北緯14度55分東経146度21分)に達す

 16.12.07:信令第9号:護衛艦隊指揮官:
       各隊行動中左の通改む
      1.第二部隊は8日1600解列B点附近に向け先行し予定の如く行動すべし
      2.朧は右解列後其の前程に進出し9日1200迄にB点附近対潜掃蕩を行い爾後予定の如く行動すべし
      3.爾余の部隊は9日0300C点に達し令に依り解列予定の如く行動す
      4.水戸丸はちゃいな丸に続行し9日1500解列サイパンに回航すべし

 16.12.07:信令第10号:護衛艦隊指揮官:
       朧は明8日早朝より第二部隊解列迄当隊の前方十粁附近を先行しつつ対潜警戒をなせ

 16.12.07:信令第11号:護衛艦隊指揮官:
       本日1400以後24節(津輕は18節)15分間待機
       明8日0500以後大戦速15分間待機となせ

 16.12.09:信令第14号:護衛艦隊指揮官:
      1.夕月の位置を津輕の前方三粁に改む
      2.1500、27度に変針の予定

 16.12.09:信令第18号:護衛艦隊指揮官:
      1.監視艇は左の如く行動すべし
        常時一隻宛て大宮港外概ね5浬の海面を哨戒監視、他二隻は港内に警戒碇泊
      2.監視艇の母艦任務担当官を津輕とす

 16.12.10:信令第19号:護衛艦隊指揮官:
       錨地を指定す
       横濱丸   キャブラス島西端の227度2180米
       松江丸   同        253度2890米
       ちゃいな丸 同        244度1380米
       日美丸   同        249度1880米
       べにす丸  同        252度2380米
       津輕    同        235度1750米

 16.12.11:信令第21号:護衛艦隊指揮官:
      1.津輕艦長は防火隊二隊(号役兵力70名)を編成し本12月11日以後羊島の防火作業に従事せしめ
        併せて林部隊を羊島警衛隊に協力火災発生防止に努めしむべし
        同隊は夜間適宜艦内に収容するものとす
      2.防火隊上陸の初期に於ける偵察及び警戒は自隊にて行うものとし防火作業開始後は林部隊をして
        警戒せしむる予定

 16.12.11:信令第22号:護衛艦隊指揮官:
       津輕艦長は運送船の捕獲手続を行い其の要目性能等を速に報告すべし

 16.12.12:信令第24号:護衛艦隊指揮官:
       津輕のサイパン回航を取止め

 16.12.13:信令第25号:護衛艦隊指揮官:
       爾今飛行機着水の際は在泊驅逐艦にて繋留及び人員武家kんの運搬に任ずるものとす

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