阪警海面防備部隊

概要

 【任務】
 呉鎮守府防備部隊と協力して警備区内防禦海面の防備を完成し主として友ケ島水道、鳴門海峡以南、室戸埼、潮岬連結線以北の海面に在って警戒見張を厳にし又防空監視に任じ、敵艦艇航空機を発見すれば全力を挙げて之を攻撃撃破することを任務とした。さらに警備区域内を行動する見方船舶の掩護、船舶の交通保護にも任じた。

 【兵力】
 大阪警備府の頁を参照。 

海面防備部隊電令作

 17.03.10:電令作第1号:海防機密第101300番電:
       当分の間左記に依り敵潜掃蕩を実施すべし
      1.担任哨区市江埼監視艇P区、日ノ御埼監視艇NO、大島監視艇K、伊島監視艇LM
      2.掃蕩要領
        日没より日出迄概ね担任哨区南端を東西に移動掃蕩椎南廻りにて反転す
        日ノ御埼、伊島監視艇は日没時昼間配備点発とす、各艇は概ね日出時昼間配備点に帰投し兼ねて
        航行管制に任ず

 17.04.16:電令作第3号:海防機密第161400番電:
       爾今二番(市江埼)三番(大島)監視艇は船舶航行管制に支障なき限り昼夜間を通じ配備点以南
       に於て夫々PX区KR区を概ね商船航路に添い南北に対潜移動哨戒することに改む
       尚重要船舶に対してはなし得る限りその外側を警戒すべし

 17.04.19:電令作第4号:紀防機密第238番電:
       阪警信令作第8号に依る対潜警戒要領左の通定む
      1.使用艦艇、掃海艇三隻(指揮官:第三十二掃海隊司令)、第五十一號、第五十二號驅潜特務艇、
        第九日東丸(指揮官:紀防機雷長)
      2.担任海面、第三十二掃海隊は室戸埼潮岬連結線以南概ね三〇浬海面にして日ノ御埼灯台を通ず
        る一八〇度線以東、第五十一號、第五十二號驅潜特務艇、第九日東丸は日ノ御埼灯台を通ずる
        一八〇度線以西の海面     
      3.本作戦行動は二十二日〇八〇〇迄とす
      4.哨戒各艦艇は各指揮官所定東西に航行南廻にて反転するものとす
      5.第二號松榮丸は串本に至り盤谷丸と連絡をとり呉防戦機密第423番電に依りソ聯商船の臨検に
        協力すべし

 17.04.24:電令作第5号:紀防機密第243番電:
       一五一五橘丸周参見沖に於て敵潜水艦の攻撃を受く
      1.第三十二掃海隊司令は掃海艇四隻及び第五十一號驅潜特務艇(機雷長乗艇)を区処し
        之が救助に任ずると共に現場以南第四、第五区を掃蕩攻撃すべし
      2.第三高島丸は二一三〇迄に市江埼監視配備に復帰し海軍御用船乾洋丸の航路指示をなせ
      3.第三江口丸は日ノ御埼監視配備に就き乾洋丸を危険区域を嚮導すべし

 17.04.28:電令作第6号:紀防機密第248番電:
       当分の間第三十二掃海隊司令は掃海艇一隻を市江埼に一隻、一隻を市江埼より潮岬間に配備し
       哨戒並に航行船舶の警戒護衛に任ぜしむべし
       日ノ御崎監視艇は防備隊より派出す

 17.05.30:電令作第9号:紀防機密第287番電:
       本日索敵要領左の通定む
      1.眞鶴艦長は成生、第五十三號驅潜特務艇を区処し夫々WX区
        第三十二掃海隊司令は全力を以てOP区
        第八日東丸、第九日東丸は日置より江須埼間概ね商船航路に沿い索敵攻撃に任ずべし
      2.各艇は概ね東西に索敵右廻りにて反転すべし
      3.本職準備出来次第出港、千鳥に乗艇機宜行動す
      4.哨戒実施要領
         哨戒は敵情海面の状況天候季節等を考慮し水中測的兵器の全幅活用見張機関の全能力発揮を
         計ると共に防備衛所航空機との緊密なる協同連繋のもとに実施す

 17.06.03:電令作第10号:紀防機密第291番電:
       阪警電令作第13号に依る本夜敵潜索敵攻撃要領左の通定む
       一五一五敵潜の一潮岬の二七五度九浬
      1.第三高島丸は潮岬灯台の二四五度六浬、第二高島丸、第九日東丸は夫々其の二七〇度線上
        各間隔四浬にありて停止哨戒せよ
      2.眞鶴は潮岬灯台の一八〇度九浬、成生、第五十三號驅潜特務艇は夫々其の二七〇度線上
        各間隔一〇浬にて東西に移動哨戒せよ
      3.各艇は適宜威嚇投射を行うべし
      4.保安に関しては特に注意し右廻反転とし要すれば舷燈探照燈を使用すべし
      5.味方飛行機協力することあるべし
      6.第二日新丸の護衛は横鎮部隊にて行う

 17.06.03:電令作第11号:紀防機密第292番電:
      1.眞鶴は潮岬灯台の一八〇度線以東の甲区、成生は其の以西市江埼灯台の一八〇度線以東の甲区
               第五十三號驅潜特務艇は其の以西の甲区を各々東西に掃蕩せよ        
      2.第二高島丸、第三高島丸は所定監視配備に復帰せよ、第九日東丸は便宜由良内に帰投せよ
      3.第二高島丸は明日交代後タナ123番電により浮流物を調査せよ

 17.06.25:電令作第12号:紀防機密第324番電:
      1.第二圖南丸本日一〇二〇東経一三六度五四分北緯二八度五四分に於て敵潜の攻撃を受く
        救難の為山風現場に急行しつつあり        
      2.眞鶴は今夜甲区を哨戒警戒を厳にし同区以北市江埼間同船の護衛に任ずべし
      3.成生、第五十二號驅潜特務艇及掃海艇一隻は明朝未明潮岬配備に就き対潜哨戒を厳にし甲区
        以北同船の護衛に関し協力すべし

 17.08.10:電令作第12号:紀防機密第460番電:
      1.今後眞鶴、千鳥は甲区を掃蕩せよ成生は串本にて待機し明早朝出撃潮岬配備に就け
      2.明十一日一二〇〇に至るも状況に変化なければ第六配備に復帰せよ
      3.千鳥は明日一二〇〇哨区発由良内に回航せよ
      4.第五十二號、第五十三號驅潜特務艇は今夜由良内に帰投せよ

 17.08.11:電令作第13号:紀防機密第463番電:
       阪警電令作第32号による紀伊水道通過一般船舶の直接護衛要領を左の通定む
      1.護衛艦艇名基地
         眞鶴、千鳥、成生:串本、
         第五十二號驅潜特務艇、第五十三號驅潜特務艇:田邊灣(由良内)とす       
      2.護衛艦発着要領
        (イ)大島  〇六〇〇発の艇は瀬戸埼一三〇〇発
        (ロ)大島  一〇〇〇発の艇は瀬戸埼一六〇〇発
        (ハ)瀬戸埼 一〇〇〇発の艇は大島一四〇〇発
        何れも船団護衛終了後基地に帰投す -- 紀防機密第464番電により削除
      3.航路指示
        友ケ島配備の監視艇は南下船舶に所定の時刻場所を示達するものとす
        此の場合護衛開始点に密集停船し輻輳せざるよう注意すべし
      4.護衛艦は其の都度発着時刻並に隻数を報告するものとす
      5.通信に関しては別に定む

 17.08.11:電令作第14号:紀防機密第456番電:
      1.明日眞鶴は潮岬配備に就け、千鳥は明日〇七〇〇由良内発串本に回航せよ
      2.電令作第13号による直接護衛艦の日割は各基地毎に先任艇長之を区処するを立前とす
      3.十三日以後直接護衛艦の哨戒配備に関しては特令す

 17.08.12:電令作第15号:紀防機密第467番電:
      1.本日一二〇〇樫野埼灯台五六度三.二浬敵潜の雷撃を受けたる船あり
        眞鶴、成生は直ちに索敵攻撃せよ
      2.第一掃海隊司令はなし得れば作業を中止し攻撃に向え
      3.千鳥は準備出来次第出撃せよ

 17.08.12:電令作第16号:紀防機密第470番電:
      1.今夜第一掃海隊は丙区、眞鶴、千鳥、成生は先任艇長之を区処し丁区を掃蕩せよ
      2.爾余の各艇は固有配備にありて警戒を厳にせよ
      3.鎌倉丸二三三〇市江埼南下す

 17.08.12:電令作第17号:紀防機密第473番電:
       明十三日未明に至るも情況に変化なければ直接護衛艦左の通り定む
      1.大島〇六〇〇発瀬戸埼一三〇〇発千鳥(第一護衛艦と称す)
        大島一〇〇〇発瀬戸埼一六〇〇発眞鶴(第二護衛艦)
        瀬戸埼一〇〇〇発大島一四〇〇発第五十三號驅潜特務艇(第三護衛艦)
        眞鶴は明朝串本入港、なし得れば艇長交代を行い右任務に応ずる如く行動せよ
      2.第一掃海隊は同隊司令の定むる所により掃蕩を続行せよ
      3.成生は市江埼附近、第八日東丸田邊配備、第三十二掃海隊の一艇は潮岬配備に就け

 17.08.13:電令作第18号:紀防機密第475番電:
       一五〇〇に至るも情況変化なければ第一掃海隊は哨区を撤し所定掃海作業続行せよ

 17.08.13:電令作第19号:紀防機密第479番電:
       横鎮護衛艦に連絡の関係あり明日より電令作第13号に依るの外南下被護衛艦隻数護衛速力を
       報告し其の際阪警参謀に通報せよ 

 17.08.14:電令作第20号:紀防機密第482番電:
       本日〇三〇〇梶取埼二六度一二.五浬にて敵潜の攻撃を受けたる後木本泊地に座礁せる船舶あり
      1.眞鶴、千鳥は樫野配備に就き夫々第一、第二護衛艦となし成生は第三護衛艦となれ
      2.第五十三號驅潜特務艇は潮岬配備、第八日東丸は田邊配備に就け 
(17.08.14:紀防機密第484番電による訂正済)

 17.08.14:電令作第21号:紀防機密第483番電:
       千鳥は遭難商船救難の為電令作第20号に依る現場(木ノ本泊地)に急行せよ

 17.08.14:電令作第22号:紀防機密第486番電:
       千鳥は電令作第20号に依る現場附近海面を掃蕩しつつ兼ねて電令作第21号による救難に任ずべし

 17.08.14:電令作第23号:紀防機密第490番電:
      1.一九〇〇に至るも状況に変化なければ千鳥の外第六配備に復帰せよ
      2.千鳥は今夜B線以南市江埼灯台を中心とする概ね二〇浬圏内を掃蕩せよ
        兼ねて同灯台の光達距離を測定報告せよ
      3.明日第五十三號驅潜特務艇、眞鶴、成生は夫々第一、第二、第三護衛艦となれ
      4.爾余の各艇は最寄港にて待機、成生、第八日東丸は由良内に帰投せよ

 17.08.14:電令作第24号:紀防機密第491番電:
       一五一五市江埼の一四四度八浬に敵潜の攻撃を受けたる船あり、千鳥は現場に於て掃蕩中
       成生、眞鶴は直ちに出動先任艇長之を区処し現場を中心とする二〇浬圏内を掃蕩せよ

 17.08.14:電令作第25号:紀防機密第493番電:
       明十五日〇六〇〇に至るも情況に変化なければ左記担任区を飛行機と協力徹底的に掃蕩攻撃すべし
      1.千鳥X区、眞鶴Y、第五十三號驅潜特務艇Z、成生PW
      2.第三十二掃海隊ニ、ホ、ヘ区、第八日東丸ト、第九日東丸チ区
      3.夏島、那沙美は先任艇長之を区処右以南の丁区

 17.08.14:電令作第26号:紀防機密第490番電:
            二〇〇〇に至るも状況に変化なければ
      1.成生はUV区、千鳥はWX区を掃蕩せよ、明朝〇六〇〇電令作第25号による哨区に復帰せよ
      2.第三十二掃海隊は固有配備に復帰し爾余の各艇は最寄港に待機、明日〇六〇〇電令作第25号
        に依る哨区(本日昼間配備)に復帰せよ
      3.十四日一九〇〇潮岬南方六〇浬に雷跡発見す警戒せよ

 17.08.16:電令作第27号:紀防機密第16114516番電: 
            一四〇〇に至るも状況に変化なければ
      1.眞鶴は潮岬配備に就き一九〇〇以後哨区を撤し串本に入港せよ
      2.千鳥は由良内に回航補給をなせ、成生は串本に入港せよ
      3.爾余の各艇は第一配備に復帰せよ

 17.08.16:隊電令作第28号:紀防機密第502番電: 
      1.本日一七五五東経一三六度北緯三三度三五分の地点にて商船呉竹丸敵潜の攻撃を受く損害なし
      2.眞鶴、成生は現場に急行附近海面を掃蕩せよ
(17.08.16:紀防機密第503番電による訂正済)

 17.08.16:電令作第29号:紀防機密第16214077番電: 
      1.千鳥、第九日東丸は明十七日〇六〇〇出港夫々潮岬樫野配備に就け
      2.第三十二掃海隊司令は固有配備の外更に一隻をニホヘ区に就け

 17.08.17:電令作第30号:紀防機密第505番電:
       一一五〇室戸埼の北東五浬にて室戸丸敵潜の攻撃を受く、千鳥、成生、第五日正丸は現場に急行
       附近海面を掃蕩せよ 

 17.08.17:電令作第31号:紀防機密第506番電:
       成生は潮岬配備に就け
       電令作第30号中千鳥の次に第五十二號驅潜特務艇を加う
       室戸丸被害なし 

 17.08.17:電令作第32号:紀防機密第509番電: 
      1.今後成生、第九日東丸は串本にて待機、第三十二掃海隊は固有配備に復帰せよ、各艇は明朝
        〇六三〇出港、成生は潮岬、第九日東丸は樫野埼配備、第三十二掃海隊は本日と同様配備に
        つけ
      2.第二號松榮丸は準備出来次第大島配置に就け

 17.08.18:電令作第33号:紀防機密第514番電: 
      1.千鳥はC線上を掃蕩しつつ串本に待機せよ
      2.第五十二號驅潜特務艇は今後室戸埼を中心とする二〇浬圏内を掃蕩せよ、但し船体保安上不安
        ある場合は早目に最寄港に避泊すべし
      3.第二號松榮丸はナ、ラ、ム区を掃蕩せよ
      4.一九〇〇以後成生、第八日東丸は串本に待機、第三十二掃海隊は固有配備に復帰せよ

 17.08.21:電令作第34号:紀防機密第522番電:
       一二一五敵潜樫野埼の一三五度二浬針路三五度速力〇.五節間なく多量油を湧出しつつあり
       徹底的に攻撃せよ
 
 17.08.21:電令作第34号:紀防機密第527番電:
       今夜掃蕩配備左の通り定む、樫野埼灯台の一七〇度二浬を基点とす
       基点の五浬圏内一八〇度線以東第五十二號驅潜特務艇、以西第五十三號驅潜特務艇、
       其の外方五十浬圏内基点の一二〇度線以東成生、一二〇度線より二〇〇度線間眞鶴、
       二〇〇度線以西千鳥とす
 
 17.08.21:電令作第35号:紀防機密第528番電: 
       1.眞鶴は明朝本日攻撃効果調査をなし正午に由良内に於て補給をなせ
       2.明朝第五十二號驅潜特務艇、第五十三號驅潜特務艇、成生は交互に串本に於て第三江口丸
         より爆雷を補充せよ
       3.千鳥は現場効果調査を行い附近を掃蕩せよ
       4.第一掃海隊司令は〇六〇〇以後一部兵力を以て掃蕩を続行し爾余の艇及び夏島、那沙美は
         所定の作業を続行せよ

 17.08.23:電令作第36号:紀防機密第538番電: 
       本日〇七二五紀洋丸は潮岬一八度九浬敵潜水艦を発見、〇八一五飛行機略同地点に油を認む
       千島、眞鶴、成生、第五十三號驅潜特務艇は飛行機と協力、之を攻撃撃滅せよ

 17.08.30:電令作第38号:紀防機密第30162999番電: 
       状況変化なければ
      1.今夜千鳥、成生は串本に待機し明日成生は潮岬配備、千鳥は525番電に依る交通艇となれ
      2.眞鶴は掃蕩を続行明朝由良内にて補給をなせ
      3.本日一二〇〇低気圧中心位置一三三度東二六度北七四四粍北に進む時速二〇粁警戒せよ

 17.09.07:電令作第39号:紀防機密第07211551番電:
      1.阪警電令作第45号による吾妻山丸護衛艦を眞鶴に指定す
      2.眞鶴は九日一一三〇頃瀬戸埼附近より横須賀迄同船の直接護衛に任ずべし
        任務終了せば成可速に串本に帰投せよ
      3.本任務中眞鶴は紀伊防備隊通信系に入りたる儘横須賀通信系に入れ

 17.09.25:電令作第40号:紀防機密第582番電:
       一四二四潮岬二八八度七浬商船敵潜の攻撃を受く被害なし、千鳥、眞鶴、第五十三號驅潜特務艇
       第三十二掃海隊は直に之を掃蕩攻撃せよ

 17.09.25:電令作第41号:紀防機密第583番電:
       今夜第三十二掃海隊は同隊指令の定むる所に依り潮岬二八〇度五浬を中心とする七浬圏内、
       千鳥眞鶴は右以南の丁区を掃蕩すべし
       第五十三號驅潜特務艇は最寄港に待機せよ

 17.09.25:電令作第42号:紀防機密第584番電:
      1.第八、第九日東丸及び第五十三號驅潜特務艇は明黎明時現場附近に到達敵潜掃蕩に任ずべし
        敵潜水艦と誤認せざる様注意せよ
      2.今夜月出時前後特に対潜警戒を厳にせよ
      3.今夜より田邊、新宮間列車及沿岸町村灯火警戒管制

 17.09.26:電令作第43号:紀防機密第586番電:
       本日昼間掃蕩配備
       千鳥丁区、眞鶴J線以西の丙区、第五十三號驅潜特務艇樫野、第三十二掃海隊ニホヘトチリ区
       第八、第九日東丸潮岬配備とす

 17.09.26:電令作第44号:紀防機密第587番電:
       一二〇〇市江埼灯台の南二浬敵潜没潜水艦飛行機千鳥第三十二掃海隊攻撃中之を掃蕩攻撃中

 17.09.26:電令作第45号:紀防機密第590番電:
       今夜掃蕩の配備左の通定む
       市江埼を通ずる二七〇度線以南
      1.第三十二掃海隊は市江埼を中心とする十浬圏内
      2.千鳥、眞鶴は右以南G線I線D線を以て包む海面
      3.第五十三號驅潜特務艇、第九日東丸は最寄港に待機せよ
      4.攻撃効果調査の上報告せよ

 17.09.26:電令作第46号:紀防機密第591番電:
      1.本日の対潜攻撃に於て第二鮮友丸、第八日東丸は気泡噴出せるを確認、眞鶴は多量湧出油帯を
        認めたり効果確実と思考するも尚浮上潜水艦に対し警戒を厳にせよ
      2.明日黎明時より第五十三號驅潜特務艇は樫野配備、第九日東丸は潮岬配備に就け
      3.明日更めて効果検討報告せよ

 17.09.27:電令作第47号:紀防機密第595番電:
       〇七一七敵潜の位置市江埼の二一九度一,五浬之を攻撃撃滅せよ

 17.09.27:電令作第48号:紀防機密第27160026番電:
       今夜掃蕩配備左の通定む
      1.第三十二掃海隊の二隻ニホヘトチヌ、千鳥右以外の丁区
      2.眞鶴、第五十三號驅潜特務艇は串本其の他は最寄港に待機
      3.明黎明時眞鶴、第九日東丸は潮岬配備、第五十三號驅潜特務艇は樫野配備に就け

 17.09.27:電令作第46号:紀防機密第603番電:
       敵情に変化なければ二十八日〇八〇〇以後第六配備に復帰せよ

 17.10.02:電令作第49号:紀伊防機密第614番電:
       今夜対潜掃蕩配備左の通定む
      1.第三十二掃海隊司令は掃海艇三隻(市江配備を含む)を以て市江埼を中心とする一〇浬圏内
        千鳥は右以南の丁区
      2.眞鶴、第五十二號驅潜特務艇は串本にて待機明黎明時よりそれぞれ潮岬及樫野配備につけ
      3.第八、第九日東丸は由良内に帰投補給をなせ
      4.眞鶴、第三江口丸は成可速かに一日攻撃効果の調査せよ

 17.10.03:電令作第50号:紀伊防機密第031245番電:
       掃蕩配備左の通定む
      1.三日夜間第三十二掃海隊の二隻市江埼及潮岬配備、眞鶴丁区、其の他は最寄港に待機
      2.四日昼間第三十二掃海隊の二隻市江埼及潮岬配備、千鳥潮岬、第五十三號驅潜特務艇周参見、
        第五十二號驅潜特務艇樫野、眞鶴丁区
      3.第三十二掃海隊司令はなし得れば

 17.10.04:電令作第51号:紀伊防機密第041200番電:
      1.情況変化なければ本日没以後第六配備に復帰せよ
      2.紀伊水道方面敵潜の伏在の疑いあり〇二三〇敵味方不明の潜水艦一隻一三八度四六分三四度
        九分針路北西警戒を厳にせよ
      3.潮岬配備五日千鳥、六日眞鶴以下此の順
      4.六、七、八の三日間潮岬配備は第三十二掃海隊以外の船艇を以てす
      5.第五十二號。第五十三號驅潜特務艇本日日没後由良内に帰投補給せよ

 17.10.04:電令作第52号:紀伊防機密第041935番電:
       一七五〇樫野埼沖約三浬敵潜水艦らしきもの洋上約十分の後潜没せり
       千鳥、眞鶴今夜樫野埼を中心とする五〇浬圏内を第三十二掃海隊の二隻は市江埼を中心とする
       一〇浬圏内を掃蕩せよ

 17.10.04:電令作第53号:紀伊防機密第042300番電:
       五日〇八〇〇以後の掃蕩配備
      1.第三十二掃海隊二隻は市江及潮岬、千鳥、第五十二號驅潜特務艇潮岬、第九日東丸周参見、
        第五十三號驅潜特務艇は樫野配備とす
      2.眞鶴は樫野配備につき第五十三號驅潜特務艇着後之と交代串本にて待機せよ
        要すれば由良内にて補給をなせ

 17.10.05:電令作第54号:紀伊防機密第051328番電:
       情況変化なければ
      1.潮岬配備(夜間は丁区哨戒)五日第五十三號驅潜特務艇、六日第五十二號驅潜特務艇、
        七日眞鶴、八日千鳥
      2.五、六、七、八の四日間(昼間)潮岬配備第九日東丸
      3.六、七日大島配備第八日東丸
      4.本月は周囲の状況により特に厳重なる警戒を要するものと認む

 17.10.06:電令作第56号:紀伊防機密第061525番電:
       一三三〇飛行機市江埼の二八四度二浬敵潜没潜水艦の油を認む、千鳥、第五十二號驅潜特務艇、
       第九日東丸及び第三十二掃海隊の一隻は之を掃蕩すべし

 17.10.06:電令作第57号:紀伊防機密第061709番電:
       今夜掃蕩配備左の通定む
       第三十二掃海隊の一隻は二区、第五十三號驅潜特務艇はWX、千鳥は右以南I線以西の甲区
       第九日東丸は最寄港にて待機せよ

 17.10.07:電令作第58号:紀伊防機密第070000番電:
       状況変化なければ
      1.〇八〇〇以後第六配備(第三鮮友丸市江、眞鶴、第九日東丸潮岬)に復帰せよ
      2.千鳥、第五十二號驅潜特務艇は串本、第五十三號驅潜特務艇は田邊に待機せよ
      3.千鳥、第五十三號驅潜特務艇は要すれば燃料補給をなせ
      4.第三高島丸、第五十三號驅潜特務艇は攻撃効果調査報告せよ

 17.10.08:電令作第59号:紀伊防機密第081057番電:
       一〇一五、北緯三四度東経一三六度二二分帝楓丸敵潜の雷撃を受く損害大
       千鳥は直に救援並に攻撃に向へ

 17.10.08:電令作第60号:紀伊防機密第081815番電:
       今夜敵潜掃蕩配備
       三木埼を中心とする五〇浬圏内に於て三木埼の一五〇度線以東千鳥、以西眞鶴とす

 17.10.09:電令作第61号:紀伊防機密第091817番電:
      1.本九日一四〇〇八幡山丸梶取埼の一六二度五浬に於て敵潜水艦の攻撃を受く被害なし
      2.今夜の索敵配備梶取埼を中心とする五〇浬圏内に於て梶取埼を通ずる一三〇度線以北
        眞鶴以南千鳥とす
      3.千鳥は準備出来次第出撃せよ
      4.紀防機密第091300番電第1項を取消す
      5.視界狭少に付保安に注意せよ

 17.10.15:電令作第62号:紀伊防機密第612番電:
       今夜掃蕩配備左の通定む
      1.第三十二掃海隊の二隻は市江埼を中心とする十浬圏内
      2.成生は右以南I線以西の甲区とす

 17.10.21:電令作第63号:紀伊防機密第637番電:
       二十一日〇七五〇室戸東一〇浬敵潜一隻
      1.第五日正丸、第八日東丸は室戸埼を中心とする一五浬圏内を掃蕩攻撃せよ
      2.第三高島丸、第五十三號驅潜特務艇は梶取配備、成生は潮岬配備
      3.眞鶴は甲区を掃蕩せよ
      4.千鳥、第五十二號驅潜特務艇は一時間待機となせ

 17.10.22:電令作第64号:紀伊防機密第644番電:
       市江埼灯台よりの報告に依れば〇〇四九敵潜一隻西行す
      1.成生、第三江口丸、榊丸は直に右灯台を中心とする一五浬圏内を索敵攻撃すべし
      2.千鳥、第五十二號驅潜特務艇は直に出港、右以南I線以西の甲区を索敵攻撃せよ

 17.10.23:電令作第65号:紀伊防機密第656番電:
       一五〇五東一三五度一四墳北三三度一二分一星丸敵潜の雷撃を受け沈没の虞あり
       千鳥、眞鶴は直に附近索敵攻撃並に同船救助に任ずべし

 17.10.24:電令作第66号:紀伊防機密第664番電:
      1.本日一六四五串本哨戒機は樫野埼の八〇度八浬に敵潜水艦の油らしきもの発見せり
      2.成生は今夜樫野埼を中心とする概ね三〇浬圏内を索敵掃蕩すべし

 17.10.26:電令作第67号:紀伊防機密第665番電:
       〇五四五田辺監視哨の南西六粁海上商船の横に轟声一発水柱を認めたり附近索敵攻撃せよ

 17.10.26:電令作第68号:紀伊防機密第671番電:
       今夜対潜掃蕩配備
      1.第三十二掃海隊の一隻は市江、一隻は潮岬
      2.第五十二號驅潜特務艇は田辺配備
        成生は紀防173番電松本丸護衛終らばI線以西の甲区

 17.10.31:電令作第74号:紀伊防機密第700番電:
       阪警電令作第65号による掃海は左記に依り速かに之を完了すべし
      1.第三十二掃海隊は切目埼の二二五度線以北海面
       2.紀防機雷長は成生、新井埼を指揮し右以南の海面

 17.11.03:電令作第75号:紀防機密第031435番電:
       第三十二掃海隊司令、紀伊防備隊機雷長は夫々担任区域の掃海完了し余力あらば相互協力援助し
       以て全区域清掃完了を促進すべし

 17.11.04:電令作第76号:紀防機密第041230番電:
       本日余力あらば三鮮機密第041017番電に依る掃海作業を援助すべし
       右作業終らば本日中に両艇共由良内に入港補給をなせ
       但し状況之を許さば成生は串本に進出せしめよ

 17.11.22:電令作第77号:紀防機密第221000番電:
       第三十二掃海隊司令は阪警電令第67号に基き二十五日以後左記に依り成る可く速に掃海を完了
       すべし
      1.使用兵力:第三十二掃海隊(六隻)、哨戒艇一隻(長勝丸)
      2.掃海区域:第二六三〇番航路線(OEG点連結線)
      3.掃海幅:八〇〇米深度十五米以上

 18.01.11:電令作第79号:海防機密第111319番電:
      1.漁夫の報告に依れば本日1010潮岬221度7浬附近に潜望鏡を発見せり、飛行機索敵攻撃中
      2.新井埼は之を索敵せよ

 18.01.14:電令作第80号:海防機密第141017番電:
       1005千鳥は市江埼の225度3.5浬に敵潜望鏡を発見す
       成生、第五十一號驅潜特務艇、第九日東丸、第三十二掃海隊は之を攻撃撃滅せよ

 18.01.14:電令作第81号:紀防機密第141540番電:
       状況変化なければ本日1800以後掃蕩配備左の通り定む
      1.第三十二掃海隊司令は其の二隻を以て市江埼灯台を中心とする十浬圏内
      2.成生、第九日東丸は成生艇長之を区処し右以外の丁区
       3.爾余の艇は最寄港に待機せよ
      4.第五十一號驅潜特務艇、第八日東丸は明朝出撃潮岬配備に就け
      5.本昼間攻撃に於て油多量に浮出効果略確実なるも夜間浮上の算なしとせず警戒を厳にせよ 

 18.01.16:電令作第82号:紀防機密第160831番電:
       本日0120潮岬の75度35浬に敵浮上潜水艦を発見、左記に依り索敵攻撃に任ずべし
      1.成生(丙丁区)、第八日東丸潮岬配備
      2.第三十二掃海隊二隻 市江埼配備
      3.爾余の艇は警戒待機せよ

 18.02.02:電令作第83号:海防機密第020956番電:
       〇八三〇Vの205度2浬敵潜水艦発見、飛行機触接中之を捜敵攻撃撃滅せよ

18.02.22:電令作第2号:海防機密第221025番電:       昨夜二三四五梶取埼の東四浬に於て敵浮上潜水艦を発見せり      1.第三十二掃海隊の二隻は各々市江潮岬、第九日東丸は潮岬、成生は梶取配備に就き        之を索敵攻撃せよ      2.爾余の艇は一時間待機とせよ 18.04.08:海防電令作A:海防機密第080930番電:       七日二一〇〇以後敵潜発見せず、本日の哨戒掃蕩左の如し      1.新井埼、成生は新井埼艇長区処の下に丙丁哨区(トチリヌル)の哨戒に任ずべし      2.第三十二掃海隊(榊、第二鮮友丸欠)は市江埼を中心とする10浬圏内の掃蕩哨戒に任ず      3.那智丸、第五日正丸は那智丸艦長区処の下にネチラ哨区の哨戒掃蕩に任ぜよ      4.富士丸、榊丸は防備隊機雷長の指揮の下に哨区クヤマの哨戒掃蕩に任ぜよ      5.第九日東丸は市江配備に就け      6.其の他の艦艇は附近基地に待機せよ      7.指揮官は第三江口丸にあり 18.04.08:海防電令作B:海防機密第082015番電:      1.第三十二掃海隊(第三小隊欠)は天候回復次第直に市江埼切目埼間商船航路の探掃を行う        榊丸は市江埼配備に任ず      2.紀防司令は監視艇一隻を処分として第三十二掃海隊の探掃に協力せしむべし      3.紀防機雷長は所属驅潜艇を指揮し市江埼灯台を中心とする10浬圏内敵潜掃蕩に任ぜよ      4.那智丸、第五日正丸、新井埼、成生は電令作A任務を続行せよ 18.04.10:海防電令作C:       一六〇〇迄異状なければ左の哨戒並に作業配備に付け       大島配備 那智丸、第五日正丸、富士丸    (由良)       R 配備 新井埼、成生、第五十一號驅潜特務艇(串本基地)       V 配備 榊丸、第九日東丸、第三號驅潜特務艇(田辺基地)       Q 配備 紀伊言防備隊所属船艇三直配備とし各先任指揮官之を区処すべし 18.04.16:海防電令作第3号:海防機密第160940番電:       阪警電令作第10号に依る敵潜掃蕩担任海面を左の通定む各艇は本日二〇〇〇迄担任海面警戒制圧       に任ず可し      1.第五日正丸はQを中心半径五浬圏のC線以南      2.第五十一號驅潜特務艇はQの二〇浬圏内一〇浬外のC線以南日没時Qの一八〇度一五浬に至り        左の如く掃蕩しつつ由良内に帰投補給せよ、針路三〇〇度一五浬九〇度一〇浬午后針路四〇度      3.新井埼、成生は先任艇長之を区処し対艦にて「ケ、フ、コ、エ、テ」区      4.第三號驅潜特務艇は直に出港潮岬配備に就け 18.04.16:海防電令作第4号:海防機密第161739番電       一八〇〇に至るも状況変化なければ      1.新井埼、成生は串本に帰投待機せよ      2.第五十一號驅潜特務艇は由良内にて補給をなせ      3.第五日正丸は早鞆丸に代り固有配備に復帰せよ 18.04.20:海防電令作第5号:海防機密第201058番電:       C澄丸十五節本日一三〇〇昭南に向け神戸発一七〇〇X通過接岸航路、串本航空隊航空機       日没迄之が前路警戒の予定      1.那智丸はX附近よりQ附近迄之が直接護衛に任ずべし 18.05.05:海防電令作第6号:海防機密第052145番電:       白海丸一九〇五敵潜水艦の雷撃を受け沈没す 北緯三四度〇五分東経一三七度三五分       眞鶴溺者救助中       新井埼は準備出来次第現場に急行、眞鶴の区処を受け之が救助に任ずべし 18.05.12:海防電令作第6号:海防機密第121730番電:       本日一六〇〇串空飛行機樫野埼六八度一二浬に敵潜水艦を発見目下之を攻撃中       第三號驅潜艇、阿津丸哨区より新井埼、第五十一號驅潜特務艇は準備出来次第直に出撃       飛行機と協力之が攻撃に任じ新井埼艇長之を区処せよ 18.05.12:海防電令作第7号:海防機密第121800番電:       海面防備部隊は本日二〇〇〇より左により徹底的に敵潜掃蕩を行う      1.指揮官 第三十二掃海隊司令      2.兵力 第三十二掃海隊、新井埼、第五十一號驅潜特務艇、第三號驅潜特務艇      3.掃蕩区域Jを中心三十浬圏内 18.05.13:海防電令作第8号:海防機密第131251番電:       阪警電令作第15号関連各艇は旧配備に復帰せよ      1.潮岬配備 第八日東丸      2.市江潮岬配備 第三十二掃海隊司令所定      3.富士丸、第十號驅潜艇は便宜由良内に帰投せよ 18.06.09:海防電令作第13号:海防機密第091355番電:      1.五十鈴担任海面通過に際し特に警戒を厳になせ      2.新井埼は潮岬西方より梶取埼北方迄之が警戒に任ずべし 18.06.10:海防電令作第14号:海防機密第101500番電:       常盤十一日一二〇〇潮岬180度一浬を経て接岸航行す、速力十節      1.新井埼は明十一日潮岬配備に就き梶取埼北方より瀬戸埼附近迄之が警戒に任ずべし      2.配備中各艇は哨区に在りて同艦通過に際し特に警戒を厳になせ 18.06.24:海防電令作第16号:海防機密第2410945番電:       二十四日〇六〇〇北緯三十四度〇分東経一三六度四十分に於て木津川丸(八六二三船団)       敵潜の雷撃を受く、損害なし      1.紀伊防機雷長は新井埼、成生を率い現場に急行之を索敵攻撃せよ      2.他の二艇を梶取附近に配備せよ 18.06.24:海防電令作第17号:海防機密第241800番電:       明二十五日〇三〇〇に至るも情況に変化なければ敵潜掃蕩を止め第一回聯合教練に参加せよ 18.06.25:海防電令作第18号:海防機密第251615番電:       本日一五一七潮岬二六二度三浬にて船団敵潜の雷撃を受く被害なし、新井埼、第三江口丸之を       掃蕩中       紀防機雷長は串本進出部隊及第三江口丸、榊丸、第三鮮友丸を指揮し之を攻撃撃滅せよ 18.06.25:海防電令作第19号:海防機密第251930番電:       情況変化なければ二〇三〇以後甲哨区及其の南方敵潜水艦浮上予想海面を左に依り徹底的に       掃蕩せよ      1.周参見一八〇度線以西第三十二掃海隊指揮官同隊指令      2.同線以東串本進出部隊指揮官紀防機雷長 18.06.25:海防電令作第20号:海防機密第251930番電:       富士丸は準備出来次第U,V,W哨区の敵潜水艦掃蕩を実施せよ 18.06.26:海防電令作第21号:海防機密第261725番電:       日没に至るも敵情を得ざれば左に依り之が索敵攻撃に努むべし      1.第三十二掃海隊はフ、コ、エ、テ区      2.串本部隊はヘ、ト、チ、リ、ヌ、ル、ヲ区及D線以南(日ノ御崎、舵取埼一八〇度線間)      3.富士丸は大島配備に就け、本索敵攻撃は対艇にて行うべし 18.06.26:海防電令作第22号:海防機密第261737番電:      1.第三十二掃海隊は市江埼潮岬配備附近      2.串本部隊は樫野埼配備附近及市江梶取埼間の第二航路帯外方 18.06.27:海防電令作第23号:海防機密第271706番電:       本二十七日一九三〇に至るも状況に変化なければ爾後左に依り之を索敵攻撃せよ      1.二十七日一九三〇以後海防電令作第22号と同様      2.二十八日〇五〇〇以後海防電令作第22号と同様 18.06.27:海防電令作第24号:海防機密第281430番電:      1.阪警電令作第25号に依り本日一三〇〇以後通常配備に復帰すべし      2.紀防機雷長は第九、第八日東丸、第十號驅潜特務艇を率い由良内に帰投せよ      3.第二十一號掃海艇は交代後串本に進出待機せよ 18.06.29:海防電令作第25号:海防機密第291820番電:      1.第七六二九船団(重要船舶、鹿島丸、西安丸、葉山丸、速力十一節)三十日〇四〇〇潮岬        通過の予定      2.新井埼は梶取埼附近より瀬戸埼附近迄之が直接護衛に任ずべし      3.第二十一號掃海特務艇は三十日〇五〇〇迄に潮岬配備に就け        配備中の各艇各哨区に在りては退船警戒を厳にせよ 18.07.01:海防電令作第26号:海防機密第010455番電:       本日〇一一五N三三度二八分E一三六度四八分に於て泰洋丸雷跡を認む      1.串本進出部隊は新井埼艇長之を指揮索敵攻撃に任ずべし      2.配備中の各艇は対潜警戒を厳にせよ 18.07.01:海防電令作第27号:海防機密第011600番電:       一四五〇V一三六度六,五浬に於て商船雷撃を受く被害なし       海防部隊は左に依り之を攻撃撃滅せよ      1.紀防機雷長は第十號驅潜特務艇、第二百五十一號驅潜特務艇を率い直に出撃串本進出部隊を        指揮し昼間江須埼梶取埼間距岸二〇浬以内夜間二〇浬外方海面      2.第三十二掃海隊司令は昼間江須崎瀬戸崎間距岸二〇浬以内夜間二〇浬外方海面      3.本作戦中夜間は新井埼、成生の外対艦にて行うべし 18.07.03:海防電令作第29号:海防機密第031400番電:       通常配備に復帰せよ 18.07.11:海防電令作第30号:海防機密第110230番電:       〇〇五〇N三三度三一分E一三五度二四分商船敵潜の雷撃を受け損害なし      1.第三十二掃海隊司令は能ふ限りの艇を以て索敵攻撃に任じ串本進出部隊を区処せよ      2.第二十一號掃海特務艇は直に出撃せよ      3.第二百五十一號驅潜特務艇準備出来次第出港市江配備に就け 18.07.11:海防電令作第32号:海防機密第111445番電:       本日日没に至るも敵状を得ざれば本夜間掃蕩を左の通定む      1.第三江口丸、第三鮮友丸、第二百五十一號驅潜特務艇は瀬戸埼二四〇度I線間の第三、        第四航路帯境界線付近      2.第三號驅潜特務艇、第十號驅潜特務艇は樫野梶取配備      3.第九日東丸、第二十一號掃海特務艇は潮岬配備      4.第八日東丸は市江配備      5.第五日正丸はF線以東B線上附近      6.本掃蕩は第八日東丸、第五日正丸の外は対艇にて行うべし      7.夜間情況変化なければ明十二日〇六〇〇以後海防電令作第31号に依り索敵攻撃をなせ 18.07.11:海防電令作第33号:海防機密第111735番電:       西航船団四隻八・五節十二日〇二〇〇潮岬通過予定      1.第二百五十一號驅潜特務艇は同船団の外方斜前、第三號、第十號驅潜特務艇は斜後を梶取埼        附近より市江埼附近迄之が直接護衛に任ずべし      2.船団附近通過に当り特に警戒を厳になせ 18.07.12:海防電令作第34号:海防機密第121030番電:       敵潜は月明を利し水上発射にて船団を襲撃する算大なり殊に日没時は特に厳重なる注意を要す      1.第十號驅潜特務艇、第三江口丸、第八日東丸は串本(周参見)にて待機せよ      2.第二十一號掃海特務艇は補給の為由良内に回航せよ      3.第三號驅潜特務艇樫野、第九日東丸市江、第二百五十一號驅潜特務艇、第三鮮友丸潮岬配備に        就け 18.07.12:海防電令作第35号:海防機密第121620番電:       本日一九〇〇に至るも敵情を得ざれば今夜間の掃蕩配備を左の通り定む      1.早鞆丸、第二百五十一號驅潜特務艇、第三江口丸瀬戸埼梶取埼間の東航船団外方に直衛し        任務終らば西航船団を直衛せよ      2.第三號驅潜特務艇は串本、第三鮮友丸は田辺にて待機、第五日正丸は由良内にて補給をなせ      3.第九日東丸市江、第八日東丸樫野、第三高島丸潮岬配備 18.07.13:海防電令作第36号:海防機密第130400番電:       本十三日〇六〇〇以後の掃蕩配備を左の通り定む      1.早鞆丸は市江、第三高島丸は潮岬、第三號驅潜特務艇は樫野配備に就け      2.第九日東丸は田辺、第二百五十一號驅潜特務艇は由良内、第十号驅潜特務艇、第八日東丸、        第三江口丸は串本又は田辺にて待機せよ 18.07.13:海防電令作第37号:海防機密第131245番電:       通常配備に復帰せよ      1.第三十二掃海隊司令は市江潮岬配備艇を定め報告すべし      2.早鞆丸は由良内に回航せよ      3.第二十一號掃海特務艇は準備出来次第出港潮岬配備に就け 18.07.15:海防電令作第37号:海防機密第257番電:       第三十二掃海隊串本進出後の担任配備先を左の通改む      1.潮岬配備二隻(情況に依り一隻梶取配備)第三十二掃海隊      2.市江配備一隻(航路指示を兼ぬ)周参見(田辺)進出部隊      3.串本進出の紀防船艇は周参見(田辺)び進出市江配備に就け 18.08.13:海防電令作第38号:海防機密第130807番電:       本日〇五三〇敵潜水艦の位置梶取埼の五七度一九浬串空飛行機之を制圧中      1.第三十二掃海隊司令は部下掃海艇を率い之を攻撃撃滅すべし      2.第八日東丸は直に出港潮岬配備に就け 18.08.13:海防電令作第39号:海防機密第131900番電:      1.第三十二掃海隊司令は阿津丸、第三高尾丸、第三江口丸をして熊野灘部隊に協力、        本夜徹底的に敵潜掃蕩を実施せしむべし      2.自余の艇は潮岬配備の他司令所定 18.08.15:海防電令第40号:海防機密第151500番電:      1.敵情に変化なければ通常配備に復帰せよ      2.第八日東丸は便宜由良内に帰投せよ 18.09.24:海防電令作第41号:海防機密第241215番電:       掃蕩部隊は情況に変化なければ一二〇〇以後第二配備となし非番船艇は便宜串本或いは       由良内にて補給せよ 18.09.25:海防電令作第42号:海防機密第251800番電:      1.敵情に変化なければ通常配備に復帰せよ      2.富士丸は由良内に帰投せよ 18.09.30:海防電令作第43号:海防機密第301350番電:       夜間の敵潜掃蕩は特令ある場合の外概ね左の要領に依り実施すべし      1.主として商船航路附近距岸一〇浬以内      2.船団(単独船を含む)通航の際は前項に拘らず之が直接護衛を兼する如く行動するものとす 18.10.01:海防電令作第44号:海防機密第011110番電:      1.本日一二〇〇に至るも情況に変化なければ第二配備となせ      2.第二十一號掃海特務艇は市江配備に就き第八日東丸は由良内にて補給せよ      3.其の他の非番艇は各指揮官の定むる所に依り便宜最寄港又は基地にて補給待機せよ 18.10.03:海防電令作第45号:海防機密第031400番電:      1.本日一二〇〇以後敵情に変化なければ通常配備に復帰せよ      2.富士丸、第九日東丸は便宜由良内に帰投せよ      3.第二十一號掃海特務艇は田辺にて待機明日市江配備に就け 18.12.16:海防電令作第47号:海防機密第161105番電:      1.千歳、雪風、天津風本日二三三〇潮岬通過北上す(速力二〇節)      2.第三十二掃海隊司令は串本待機艇をして新宮沖市江埼間の警戒に任ぜしむべし      3.配備艇は特に対潜警戒を厳にせよ 18.12.22:海防電令作第48号:海防機密第221816番電:       二十二日より概ね十二月末迄担任の配備を左の通改む       1.梶取配備、潮岬配備を兼ねて第三十二掃海隊一隻を以てす      2.市江配備艇の哨区を江須埼沖迄延長す 18.12.23:海防電令作第49号:海防機密第231205番電:      1.掃蕩部隊に富士丸を加う      2.一曵、長勝丸は長勝丸艇長指揮し富士丸に代りネ・ナ・ラ哨区編隊掃蕩をなせ      3.那智丸、富士丸は主として船団の直接護衛に任ぜしむる予定 18.12.23:海防電令作第50号:海防機密第231624番電:       和歌浦避泊中の第八二二二船団三隻八節本日一四〇〇仮泊地発一九〇〇瀬戸埼沖通過の予定      1.富士丸は瀬戸埼沖より梶取埼冲迄右船団の直接護衛に任じたる後串本にて待機せよ      2.配備艇は船団通過に際し特に警戒を厳にすべし 18.12.24:海防電令作第52号:海防機密第241058番電:       第七二二三船団二隻速力一〇・五節一三二〇潮岬通過の予定      1.富士丸は右船団通過の場合新宮沖より瀬戸埼沖迄直接護衛をなせ      2.各配備艇は船団通航の際警戒を厳にせよ 18.12.24:海防電令作第53号:海防機密第241810番電:       第八二二四船団三隻続行第八二二三船団甲二隻速力九節二二三〇切目埼〇二四〇潮岬護衛艦なし      1.那智丸、富士丸は瀬戸埼沖より新宮沖迄直接護衛をなせ      2.各配備艇は警戒を厳にせよ 18.12.25:海防電令作第55号:阪海防機密第251912番電:      1.独船「ハーヘルランド号」二十六日〇八〇〇串本発神戸に曳航の予定      2.那智丸は瀬戸埼沖附近迄、第八日東丸は友ヶ島水道附近迄之が警戒護衛に任ずべし      3.配備艇は特に警戒を厳になせ      4.那智丸は右任務終了後由良内に回航補給の上掃蕩任務に就く 18.12.26:海防電令作第56号:海防機密第261405番電:      1.独船の曳航は明二十七日〇五〇〇串本発に延期せらる      2.那智丸、第八日東丸は海防電令作第55号の如く行動せよ      3.第九日東丸は明二十七日〇三〇〇頃の市江埼沖附近の海上模様を那智丸に通報すべし 18.12.27:海防電令作第57号:海防機密第270823番電:      1.君川丸、護國丸、第二十四號掃海艇、第三號掃海艇、十四節本日〇九〇〇由良内発接岸航路        により横須賀に向かう      2.掃蕩部隊並各配備艇は出来得る限り直接護衛を兼ねる如く行動し特に対潜警戒を厳にすべし 18.12.27:海防電令作第58号:海防機密第271300番電:      1.一二二〇潮岬の二五〇度二浬に於て君川丸雷撃を受く      2.掃蕩部隊は全力を挙げて敵潜攻撃撃滅すべし 18.12.27:海防電令作第59号:海防機密第271427番電:      1.那智丸、第八日東丸は適宜索敵攻撃を打切り独船の護衛任務を続行せよ      2.第九日東丸は潮岬の西方より瀬戸埼附近独船の直接護衛に任ずべし 18.12.28:海防電令作第60号:海防機密第281752番電:       第九日東丸は君川丸の警戒に任ずべし 18.12.28:海防電令作第60号:海防機密第292143番電:      1.山城、沖波、朝霜、春雨、三十日一五〇〇友ヶ島水道出撃横須賀に向う      2.掃蕩部隊並に各配備艇は出来得る限りリレー式に前路掃蕩をなす如く行動し特に対潜警戒を        厳にすべし 18.12.30:海防電令作第61号:海防機密第301754番電:      1.情況に変化なければ通常配備に復帰せよ      2.第二十一號掃海艇は君川丸の警戒艇となれ      3.早鞆丸は市江配備、長勝丸は大島配備に就け 18.12.31:海防電令作第62号:海防機密第310913番電:      1.〇六五〇潮岬の一九一度二八〇〇米にて早鞆丸敵潜望鏡発見攻撃中      2.第三十二掃海隊(与う限り全兵力)那智丸、富士丸、第二十二號掃海特務艇、        第二十一號掃海特務艇は現場に急行、第三十二掃海隊司令の指揮を受け索敵攻撃に任ずべし      3.第八日東丸は君川丸の警戒に任ぜよ、第九日東丸到着せば市江配備に就け      4.第九日東丸は最寄港にて補給後君川丸の警戒に任ぜよ      5.一曵は爆雷一〇〇個投射箭五〇個搭載串本に急行待機せよ      6.第五高尾丸、第三盛松丸は大島配備に就け      7.衛所見張所は特に警戒を厳にせよ 18.12.31:海防電令作第63号:海防機密第311800番電:      1.敵情を得ざれば通常配備に復帰せよ      2.早鞆丸は市江配備に就き第二十一號掃海特務艇は君川丸の警戒に任ぜよ      3.第八日東丸は田辺にて補給待機、第三盛松丸は帰投せよ      4.一曵は田辺にて爆雷揚陸終了次第帰投せよ
19.04.23:海防電令作第6号:海防機密第231805番電:      1.第一護衛法別法第三掃蕩配備となせ      2.成生は掃蕩を止め串本に待機せよ        早鞆丸、第九日東丸の即時待機を解く 19.04.23:海防電令作第8号:海防機密第230800番電:      1.敵潜出撃せり潮岬の二五〇度一・五浬第二十一號掃海特務艇は串空飛行機と協同攻撃中      2.第三十二掃海隊司令は麾下所要兵力を以て敵潜掃蕩をなせ      3.第二十二號掃海特務艇は第二十一號掃海特務艇に協力敵潜掃蕩をなせ        第九十七號驅潜特務艇は市江配備に就け      4.早鞆丸、第八日東丸、第九日東丸は即時待機となせ 19.04.23:海防電令作第9号:海防機密第231045番電:       成生、第二十一號掃海特務艇、第二十二號掃海特務艇は敵潜掃蕩に関し那智丸砲艦長の指揮を       受くべし 19.05.05:電令作第11号:22掃機密第051159番電:       掃蕩区分左の通り定む      1.第三十二掃海隊 丙哨区      2.紀伊水道部隊 成生は丁哨区       本職現場到着まで丁哨区の掃蕩は所在先任指揮官之を指揮すべし 19.05.07:海面防備部隊電令作第13号:海防機密第071300番電:       海面防備部隊電令作第12号第2項那智丸の次に高知丸を加う

海面防備部隊電令

 17.08.08:電令作第2号:海防機密第081720番電:
       一九〇〇に至るも敵情に変化なければ左記に依り対潜掃蕩をなせ
      1.第一掃海隊、夏島、那沙美 乙区
      2.千鳥、成生は先任艇長之を区処しI線以西の甲区
      3.第三十二掃海隊は固有配備に復帰せよ
      4.爾余の艇は由良内に帰投待機せよ

 17.08.09:電令作第4号:海防機密第091500番電:
       一九〇〇に至るも情況変化なければ
      1.今夜第一掃海隊はG線以東I線以西C線以南三〇浬の哨区眞鶴、成生はI線以東の甲区を
        掃蕩すべし、
      2.第三十二掃海隊司令は固有配備の外当該司令の定むる所に依る
      3.千鳥、夏島、那沙美は直に由良内に廻航補給をなし命を待て
      4.第五十二號驅潜特務艇は明早朝潮岬配備に就け
      5.爾余の各艇は最寄港に待機せよ

 17.08.09:電令作第5号:海防機密第092000番電:
      1.第一掃海隊は今後一掃機密第241番電に依る地点(市江埼の二三度一二浬)附近一帯海面を
        探信掃蕩し敵潜水艦を補足攻撃すべし
        爾余の各艇は電令作第4号に依り行動せよ
      2.千鳥は補給終らば明日なるべく速かに第四地区T区を掃蕩すべし
      3.眞鶴は明朝哨区発由良内に於て補給をなし終らばT区を掃蕩すべし

 17.08.10:電令作第6号:海防機密第101000番電:
      1.一二〇〇に至るも情況に変化なければ第一掃海隊、夏島、那沙美は哨区を撤し所定の掃海
        作業を続行すべし
      2.眞鶴(補給終了後)成生は甲区、千鳥は丁区、爾余の艇は電令作第4号に依り行動すべし

17.09.27:電令作第1号:紀防機密第597番電:       重油浮出点千鳥調査に依れば二十七日一〇〇〇市江埼灯台の二〇一度三一〇〇米眞鶴二十七日       〇七三〇同灯台の一八〇度二浬第三江口丸二二〇度三浬なり同一のものなりや       攻撃効果検討上必要なり尚後日掃海を行はるるやも知れず再調査報告せよ 17.09.27:電令第3号:紀防機密第602番電:       二十六日撃沈の敵潜一詳細調査の要あり尚油による敵潜発見上支障あるに付而今同方面海上に       ビルヂ棄却せざる様注意せよ
17.10.01:電令作第1号:海防機密第011618番電:       一五一〇周参見沖にて商船雷撃を受け沈没す      1.千鳥、眞鶴、第五十二號驅潜特務艇、第三十二掃海隊は現場に急行掃蕩      2.本職第五十三號驅潜特務艇に乗艇一六三〇現場着の予定 17.10.01:電令作第2号:海防機密第011745番電:       今夜の掃蕩配備左の通定む      1.第三十二掃海隊現場「市江埼一五一度三浬」を中心とする七浬      2.千鳥、眞鶴 TE      3.第五十二號驅潜特務艇、第八、九日東丸は最寄港にて待機せよ、第五十三號驅潜特務艇は機宜        行動せよ 17.10.02:電令作第3号:海防機密第020156番電:      1.本日〇七〇〇以後の掃蕩配備左の通定む        第三十二掃海隊は固有配備の他に一隻以上を潮岬配備に就き眞鶴は潮岬配備千鳥はT区        第五十二號驅潜艇は樫野埼配備第八、第九日東丸は田辺配備に就け、第五十三號驅潜艇は        機宜行動      2.眞鶴、江口丸、榊丸、第五十三號驅潜艇はなるべく昨日の攻撃をなせ      3.掃蕩の際兼てて遭難者捜索に努めよ 17.10.14:電令第8号:紀防機密第619番電:      1.第三十二掃海隊司令は掃海艇一隻を十七日午前串本に進出せしめ当分の間日東丸駆潜特務艇と        共に輪番毎日昼間一隻宛梶取配備に就かしむべし      2.第五十二號驅潜艇は十六日串本に進出すべし      3.第八日東丸は十七日、第九日東丸は十八日由良内に帰投補給すべし 17.10.23:電令第10号:紀防機密第655番電:      1.十一月一日以後第三十二掃海隊(一隻)の串本進出を取止む      2.十一月一日以後第三十二掃海隊司令は市江及潮岬に各一隻宛昼夜間共配備すべし 17.10.26:電令作第11号:紀防機密第670番電:      1.二十六日附千鳥、眞鶴は作戦に関し横鎮長官の指揮を受けしめらる      2.本日夕刻串本に入港明早朝出港午前中に由良内に於て補給完了淺間丸を護衛し横須賀に回航        すべし      3.淺間丸の行動に関しては後報す 17.11.06:電令作第14号;紀防機密第041230番電:       第三十二掃海隊司令は現実施中の担任区域の清掃完了、翌日より当分の毎日掃海艇二隻を以て       内一隻は市江埼配備(昼夜)一隻を以て昼間潮岬夜間田邊配備に就け 17.12.25:電令第22号:海防機密第250845番電:       担任海面敵潜出現の兆大なり元旦の前後特に警戒を厳にせよ尚碇泊待機中の船艇の応急出動に       遺憾なきを期すべし
18.04.13:海面防備部隊電令第1号:海防機密第132000番電:       キトウ號は明十四飛夕刻被曳航出港可能なり第三十二掃海隊司令は部下の一をして一七〇〇迄に       勝浦に派遣同地より友ヶ島迄之が警戒護衛に任ぜしむべし 18.05.15:海防電令第1号:海防機密第151045番電:       特令なき限り一艇は市江配備に就け置け 18.06.15:海防電令第8号:海防機密第151640番電:       B船日朗丸十一節澤風護衛十六日〇九〇〇神戸に向けR通過の予定      1.新井埼は十六日潮岬配備に就き梶取埼北方より市江埼附近迄之が警戒に任ずべし      2.配備中の各艇は警戒を厳になせ 18.06.22:海防電令第9号:海防機密第221350番電:       紀防機雷長は第一回聯合教練参加の船艇を以て二十三日までに市江埼三輪埼間の第一、第二       航路帯の対潜掃蕩を実施すべし 18.07.05:海防電令第10号:海令機密第051130番電:       第八七〇五A船団三隻一〇節一五三〇切目埼一九三〇潮岬通過の予定、       之字運動昼間O法夜間A法毎五分、船団長山鶴丸船長      1.成生は本船団を瀬戸埼より三木埼間直接護衛に任ずべし      2.第三號驅潜特務艇は成生に代り潮岬配備に就け      3.配備中の艇は船団通航に際し警戒を厳になせ 18.07.08:海防電令第12号:海防機密第081215番電:       陸軍徴傭船阿波丸一一二四九噸十五、五節八日〇三〇〇大阪に向け清水発一五三〇潮岬通過予定       同船通過に当り第三號駆潜特務艇は樫野配備、第三十二掃海隊司令は能ふ限りの艦艇を以て       市江潮岬配備に就き之を間接護衛せよ 18.07.08:海防電令第13号:海防機密第081250番電:       新井埼、成生は大阪警備府信令第23号の如く行動すべし 18.07.10:海防電令第14号:海防機密第101700番電:       極洋丸九節十日〇八〇〇門司に向け四日市発十日〇〇三〇潮岬通過       同船通過に当り左に依り間接護衛をなせ      1.第三號驅潜特務艇、第十號驅潜特務艇は梶取樫野配備に就け      2.第三十二掃海隊司令は能ふ限りの艦艇を以て市江潮岬配備に就け 18.08.03:海防電令第15号:海防機密第360番電:       第八八三〇船団八隻八節三日一五〇〇由良沖南下の予定      1.富士丸は右船団を由良内沖より梶取埼北方迄之が直接護衛をなせ      2.配備中の各艇は船団通過に際し警戒を厳にせよ 18.08.06:海防電令第16号:海防機密第061355番電:       第八八〇六船団六隻八・五節六日一六三〇由良沖南航の予定      1.富士丸は右船団を由良内沖より梶取埼沖迄直接護衛すべし      2.配備中の各艇は船団通航に際し警戒を厳にせよ      3.単独船一隻七節〇一〇〇潮岬通過北上す 18.08.13:海防電令第18号:海防機密第131950番電:       第三十二掃海隊司令は榊丸をして夜間掃蕩隊の一艇と交代せしめ第二鮮友丸は田辺回航を止め       由良内に直航補給並に僚艇爆雷運搬に任ぜしむべし 18.08.25:海防電令第19号:海防機密第251900番電:       山城、第三十二驅逐隊響、山雲は二十七日〇五〇〇N三二度〇分E一三九度三一分を経て       〇七一五第二水道に進入北上す      1.二十六日第三十二掃海隊の二艇は十番浮標より水道端迄、第二十一號掃海特務艇、一曳は        同浮標より由良内沖迄の水路掃海をなせ      2.二十六日一八三〇以後艦隊通過迄市江配置は第八、第九日東丸の二隻を以て之に当れ      3.自余の各艇は各配備に在りて特に対潜警戒を現にすべし 18.12.03:海防電令第21号:海防機密第030951番電:       敷設艦津輕航行に際し所在各艇は特に対潜警戒を厳にし護衛に任ぜよ
19.04.26:海防電令第4号:海防機密第261525番電:       掃蕩隊は一八〇〇以後左記に依り掃蕩哨戒すべし      1.第一掃蕩隊(各配備先任艇長指揮)         潮岬配備  第九日東丸         安宅配備  (主として現場附近)成生、紀洋丸、第八日東丸         周参見配備 高知丸、第二十二號掃海特務艇         田辺配備  第九十七號驅潜特務艇      2.第三掃蕩隊 丙哨区 第三十二掃海隊司令所定      3.那智丸は第七四二四甲船団の護衛終らば安宅配備に就き掃蕩哨戒に任ずべし 19.04.26:海防電令第5号:海防機密第262139番電:       明日〇五〇〇以後第一護衛法別法第二掃蕩配備となせ 19.04.27:海防電令第6号:海防機密第271640番電:       掃蕩隊は一八〇〇以後左記に依り掃蕩哨戒すべし      1.第一掃蕩隊(各配備先任艇長指揮)         潮岬配備  那智丸、成生(護衛終了後)         安宅配備  第九日東丸、第八日東丸(特例後)         周参見配備 第二十二號掃海特務艇、高知丸         田辺配備  第九十七號驅潜特務艇      2.第三掃蕩隊 丙哨区 第三十二掃海隊司令所定      3.紀洋丸は帰投せよ 19.04.30:海防電令第7号:海防機密第301724番電:      1.第一護衛法別法第三掃蕩配備となせ(先任艇長指揮)      2.早鞆丸、第八日東丸は江須埼配備、高知丸、長勝丸は市江配備、成生、昭和丸は護衛任務        終了後串本待機、第九日東丸は由良内待機とす
20.02.27:電令第1号:       乙哨区通過船舶に対しては大島、室戸間を配備艇二隻を以て直接護衛するを立前とす之の場合       已むを得ざれば非番艇は大島交通艇を取止め其旨衛所に通報すべし

海面防備部隊信電令作

 17.07.14:信電令作第1号:紀防機密第368番電:
       十四日一〇二七潮岬二六〇度三〇浬に西行する敵浮上潜水艦を味方哨戒機発見
      1.成生、第五十三號驅潜特務艇は成生艇長之を区処し現地に急行、附近C線以南甲乙区を掃蕩せよ
      2.第三十二掃海隊司令は掃海艇二隻を急派、附近C線以北B線以南を掃蕩せよ

 17.07.14:信電令作第2号:紀防機密第370番電:
      1.本日午前発見したる敵潜水艦は紀伊水道に潜伏すること概ね確実なり
      2.第三十二掃海隊司令は全力を挙げ概ねBFDH線にて包む海面を三日間索敵攻撃すべし
      3.成生、第五十二號驅潜特務艇は成生艇長之を区処しH線以東、I線以西の甲区丁区を掃蕩すべし
      4.第一掃海隊は十六日〇九〇〇現地発由良内に入港すべし

 17.07.15:信令作第3号:
       一〇〇〇市江埼二三五度十九浬に敵潜没潜水艦見ゆ飛行機爆撃中、第三十二掃海隊及び成生、
       第五十三號驅潜特務艇、第八日東丸は之を索敵攻撃せよ

 17.07.15:信電令作第4号:紀防機密第372番電:
       一九〇〇以後第一掃海隊、成生、第三十二掃海隊は各隊司令の定むる所に依り左記に依りて
       対潜哨戒に任ずべし
      1.哨戒区域
         市江埼灯台の二三〇度二〇浬地点を中心とする二十浬圏内
      2.担任哨区
         第一掃海隊、成生:潮岬灯台を通ずる二七〇度線以南の海面
         第三十二掃海隊:同右以北の海面
      3.本哨戒中第一掃海隊指令は成生を区処すべし
      4.第二號松榮丸は夜間F線以西の区画を掃蕩すべし
      5.第九、第八日東丸は市江埼潮岬配備に就け
      6.第五十三號驅潜特務艇及第三十二掃海隊指令の指定する一艦は明朝なるべく速かに現場に至り
        攻撃効果の調査検討をなせ

 17.07.16:信電令作第5号:紀防機密第375番電:
      1.第三十二掃海隊は日没迄に由良内に帰投せよ
      2.眞鶴、千鳥は串本入港を取止め対潜哨戒に就かしむる予定、成るべく速に由良内蟻島東南方に
        仮泊せよ、港内に第一掃海隊錨泊す
      3.成生は眞鶴、千鳥現場着後由良内に帰投せよ
      4.第五日正丸は直に出港市江配備に就け、第九日東丸は直に、第八日東丸は第五日正丸と交代後
        何れも成生の区処下に入り捜敵配備に就け
      5.敵潜は連日の攻撃制圧を受け浮上することあるべし、捕獲せば爾後の作戦に利する所大なり

 17.07.16:信電令作第6号:紀防機密第357番電:
      1.眞鶴、千鳥は先任艇長之を区処しB、F、D、H線にて包む海面を掃蕩せよ
      2.成生、第八日東丸は成生艇長之を区処し最寄港に仮泊、成生は明朝由良内に帰投せよ
        第八日東丸は潮岬配備に就け
        第五十二號驅潜特務艇は串本に待機せよ
        眞鶴、千鳥は日没時頃現地着の予定

 17.07.17:信電令作第7号:紀防機密第379番電:
       十七日一〇〇〇に至も敵状に変化なければ眞鶴、千鳥は現哨戒配備を撤し先任艇長の定むる
       ところに依り第六哨戒配備に就け

 17.07.19:信電令作第8号:紀防機密第387番電:
       一六三〇日ノ御崎灯台の一五〇度六六浬に敵潜没潜水艦発見哨戒機触接中
       眞鶴、千鳥は先任艇長区処し速に之を索敵攻撃せよ

 17.07.19:信電令作第9号:紀防機密第388番電:
      1.眞鶴、千鳥は今夜甲区を掃蕩せよ
      2.市江埼、潮岬配備艇は固有配備にありて警戒を厳にせよ

 17.07.19:信電令作第10号:紀防機密第389番電:
      1.眞鶴、千鳥は今夜潜水艦発見地点を中心とし概ね四〇浬圏内を掃蕩せよ
      2.第147番電に依る呂號第六十四潜水艦に注意せよ

 17.07.20:信電令作第11号:紀防機密第390番電:
      1.〇八〇〇に至らば千鳥潮岬配備、第五十三號驅潜特務艇は田邊配備、眞鶴は甲区を掃蕩せよ
      2.第三十二掃海隊は固有配備に就け

 17.07.20:信電令作第12号:紀防機密第391番電:
       〇九一〇潮岬の一八一度二二浬敵潜没潜水艦発見飛行機触接中、眞鶴、千鳥は之を撃滅せよ
       第五十三號驅潜特務艇は潮岬配備に就け

 17.07.20:信電令作第13号:紀防機密第393番電:
       眞鶴、千鳥は今夜丙丁区を掃蕩せよ

 17.07.20:電令作第14号:紀防機密第394番電:
      1.成生、第五十三號驅潜特務艇は〇六〇〇出撃、夫々丁丙区の対潜掃蕩に任ずべし
      2.眞鶴、千鳥は二十一日〇七〇〇以後哨区発由良内に帰投燃料補給をなせ

 17.07.22:信電令作第15号:紀防機密第396番電:
      1.摩耶一番機〇八三三(日ノ御埼の175度43浬)に敵潜没潜水艦らしきものを認め〇八五〇より
        由良一番機触接中
      2.成生は速かに進出驅逐隊に協力攻撃せよ、第五十三號驅潜特務艇は哨区に就け
      3.千鳥、眞鶴準備出来次第出動串本に進出命を待て
      4.各配備艇は警戒を厳にせよ

 17.07.22:信電令作第17号:紀防機密第399番電:
       一九〇〇に至るも状況変化なければ
      1.眞鶴、千鳥は丙丁区を掃蕩せよ
      2.成生、第五十二號、第五十三號驅潜特務艇は串本にて待機し明朝〇六〇〇出港
        成生は潮岬配備、第五十二號驅潜特務艇は樫野配備、第五十三號驅潜特務艇は由良内に帰投
        補給をなせ

 17.07.23:信電令作第18号:紀防機密第401番電:
      1.一二〇〇に至るも敵状変化なければ眞鶴、千鳥は串本にて待機せよ
      2.阪警機密第291番電(電令作第24号)による御嶽山丸護衛艦を眞鶴に指定す
      3.阪警機密第297番電(電令作第26号)による徴傭船建設號(船長ノルウェー人速力九.五節)
        護衛艦を千鳥に指定す
        同船は二十七日〇五〇〇名古屋発二二〇〇潮岬を通過紀伊水道を経て小樽に回航す
        千鳥は尾鷲湾附近より市江埼迄護衛すべし

 17.07.24:信電令作第19号:紀防機密第408番電:
       眞鶴、千鳥、成生は第四水雷戦隊派出の先任驅逐艦長(又は第二十七驅逐隊司令)の区処を受け
       本日夕刻より二十五日正午迄潮岬の一七〇度方向海面の対潜掃蕩に任ずべし

 17.08.02:信令作第20号:紀防機密第443番電:
       阪警電令作第28号に依る三日〇六〇〇より七日〇六〇〇迄紀伊水道東側航路通航禁止に関し
      1.紀伊水道通航船舶は西側航路(第二六四〇番線)を通航せしむる如く航路指示をなせ
      2.現配備の外昼間白埼日ノ御埼南方及伊島附近に警戒艇を増派す右警戒艇を第八(第九)日東丸
        第五十二號驅潜特務艇、第五十三號驅潜特務艇に指定す

 17.08.11:信電令作第21号:紀防機密第462番電:
      1.本日眞鶴は日没迄樫野配備、成生、千鳥(一二〇〇迄)潮岬配備に就け
      2.第五十三號驅潜特務艇は準備出来次第出港日ノ御埼南方附近にありて掃海作業警戒艇となれ
      3.各艇は市江埼より梶取埼間担任区域航行船舶をなるべく直接護衛する如くつとめよ

18.05.23:海防信電令作第1号:海防機密第0670番電:       本日一三〇五伊勢湾外にて敵潜の雷撃を受けたる船あり尚二一〇五Rの一二七度九十浬に       敵潜水艦の存在せしこと確実なり      1.配備中の各船艇は潜警戒を厳になせ      2.其の他の船艇は明二十四日〇五〇〇以後原速即時待機となせ      3.阪警信電令作第1号に依り二十四日より第二種航行管制実施せらる      4.第八日東丸は明日の由良内帰投を取止め串本にて待機せよ 18.05.24:海防電令作第2号:海防機密第1番電:       海防信電令作第1号関連       一八〇〇に至るも情況に変化なければ原速二時間待機となし       二十五日〇五〇〇以後原速即時待機となせ 18.05.25:海防信電令作第3号:海防機密第250759番電:       本二十五日八五二五A船団(七隻の予定)速力九節、八五二五B船団(六隻の予定)速力       七、五節一〇〇〇神戸発東航す      1.新井埼はA船団を富士丸はB船団を夫々由良内沖より三木埼附近迄之が直接護衛に任ずべし      2.本船団通過に際し配備中の各艇は警戒を厳になせ 18.05.25:海防信電令作第4号:海防機密第96番電:      1.二十五日一八〇〇以後第二哨戒配備(二直)となせ      2.新井埼は八五二五A船団の直衛終了後七五二五B船団十四節(建川丸、あかつき丸)を        三木埼附近より市江埼北方迄直接護衛をなし任務終了後串本にて待機せよ      3.各配備中の各船艇は哨区にありて警戒を厳になせ 18.05.26:海防信電令作第10号:海防機密第260850番電:      1.海防電令作第9号に依り索敵掃蕩を止め一二〇〇以後個有配備に復帰せよ      2.情況聴取の要あり富士丸は賀田湾に避退中の大信丸を直衛し蟻島沖に投錨せしめよ      3.第二種航行管制中直衛なき船団は直衛(リレー方式直衛)をなし担任海面を通過せしむべし 18.05.27:海防信電令作第11号:海防機密第091番電:       船団三隻八節本日〇九〇〇神戸発対潜訓練参加の上二一〇〇潮岬通過東航す      1.富士丸は右船団を由良内沖より三木埼附近迄直接護衛をなせ      2.配備中の各艇は警戒を厳になせ 18.05.27:海防信電令作第12号:海防機密第021番電:       西航船団六隻九節二十七日〇五〇〇頃三木埼通過の予定      1.富士丸は電令作第11号の任務終了後右船団を三木埼附近より直接護衛をなし由良内に帰投せよ      2.哨戒中の各艇は船団通過に際し警戒を厳になせ
18.09.19:海防信電令作第6号:海防機密第19900番電:       一六一五Oの二六〇度六・五浬に於ける加智山丸敵潜の雷撃を受く      1.第三十二掃海隊司令は今夜第三十二掃海隊の能う限り兵力を以てO二十浬圏内を索敵        之を撃滅せよ      2.那智丸、富士丸は準備出来次第出港、第三十二掃海隊に協力すべし      3.第二十一號掃海特務艇、第九日東丸は出港準備を完成し命令を待て 18.09.28:海防信電令作第7号:海防機密第280645番電:       本日〇一〇〇Oの一八〇度四・五浬に於て船団敵潜の雷撃を受く被害なし      1.第三十二掃海隊は全力を挙げ之を索敵撃滅せよ      2.富士丸、第二十一號掃海特務艇、第九日東丸は現場に急行        第三十二掃海隊に協力、掃蕩すべし      3.那智丸は現場任務を続行せよ      4.早鞆丸は大島配備に就け      5.海防信電令第18号を取消す 18.05.23:海防信電令作第8号:海防機密第230203番電:      1.二十二日二二〇〇頃独逸船ハーヘルランド號潮岬の九〇度六浬に於て雷撃を受け航行不能      2.北緯三三度二七分東経一三五度三六分に於て美崎丸砲雷撃を受く損害なし      3.第三十二掃海隊司令は適宜の艇を以て独逸商船を大島港に曳航せしめ且能う限りの兵力を以て        敵潜攻撃撃滅に任ずべし      4.那智丸、掃特二十二、掃特二十一は現場に急行、第三十二掃海隊司令の指揮を承け敵潜掃蕩及        曳航に従事すべし      5.第九日東丸は市江埼灯台配備富士丸は大島配備に就く      6.各衛所見張所は警戒を厳にせよ 18.12.25:海防信電令作第9号:海防機密第250600番電:       第八日東丸は準備出来次第出港掃蕩に関し第三十二掃海隊司令の指揮を受くべし 18.12.29:海防信電令作第10号:海防機密第292030番電:       早鞆丸は準備出来次第出港、第三十二掃海隊司令の命を受け敵潜掃蕩に従事すべし 19.04.23:海防信電令作第10号:海防機密第231340番電:       第九十七號驅潜特務艇は丁哨区に進出せよ       紀洋丸は市江配備に就け       第二十一號掃海特務艇は第八日東丸と任務交代帰投せよ

海面防備部隊信電令

 17.08.26:海面防備部隊信電令第22号:
       台風来襲の虞あり、荒天に対する準備をなせ、各艇は日没迄に(要すれば哨戒護衛を中止)避泊し
       錨位を報告せよ
       本日一般上陸外出を禁止す

17.09.03:信電令第1号:紀防機密第03175529番電:       一般船舶の紀伊水道夜間航行を許可せられたるところ黎明時の警戒特に北航船舶の防禦海面       進入に対する後方警戒を厳にせられ度 17.10.09:信電令第4号:紀防機密第090456番電:       大阪警備府管区通航船舶は第三航路(距岸一〇浬乃至一五浬)通航のことに定められたるに付       而今特令ある迄各哨戒肺にはこれに相当する第三航路を哨戒すべし 17.10.09:信電令第5号:紀防機密第091515番電:       尾鷲湾附近より曳航する船舶は三木埼の一八〇度一五浬より石室埼の一八〇度一五浬に直航する       様航路指示をなせ 17.10.10:信電令第6号:紀防機密第101400番電:       明十一日より商船航路は第一航路帯(接岸航路)に復帰せらる       各哨戒配備艇は明十一日以後第一航路帯を哨戒すべし 17.10.11:信電令第7号:紀防機密第110830番電:       樫野埼梶取埼間概ね商船航路に添い其の外側を哨戒するを梶取配備と呼称す
18.05.30:海防信電令第7号:海防機密第301730番電:       本日一一三〇北緯三三度〇分東経一三五度五二分に於て浮流機雷一個発見オウカリ丸附近漂泊       監視中、附近哨戒の船艇は注意を要す       新井埼は明三十一日早朝出港同機雷を捜索処分すべし 18.06.18:海防信電令第9号:海防機密第181153番電:       海特山霜丸、サイパン丸十二節護衛艦なし十八日一二〇〇友ヶ島一七四〇潮岬通過東航の予定      1.成生は右船団を由良内沖より梶取埼北方迄之が警戒護衛に任じ任務終了後串本にて待機せよ      2.配備中の各艇は船団通過に当り特に警戒を厳になせ 18.06.25:海防信電令第10号:海防機密第136番電:       第二十一號掃海特務艇は準備出来次第出港市江配備に就け 18.07.03:海防信電令作第11号:紀防機密第031145番電:       第八七〇三船団五隻八節品實一一〇〇神戸発二〇三〇市江埼通過の予定       成生は一時現任務を撤し富士丸と共に右船団を市江埼沖より三木埼附近迄之が直接護衛に任ず可し 18.07.25:海防信電令第12号:海防機密第250745番電:       昨日一三〇〇N三三度四三分E一三六度一一分に於て泰安丸は曳航中の運貨筒曳索切断し漂泊       監視中、富士丸は準備出来次第出港、之が救援並に警戒に当れ 18.07.27:海防信電令第13号:海防機密第271500番電:       第八七二七船団九隻八節之字運動昼間O法夜間A法毎五分一五三〇由良内沖二二三〇潮岬通過の       予定、那智丸、富士丸は由良沖より三木埼附近迄之が直接護衛に任ずべし 18.07.27:海防信電令第14号:海防機密第271520番電:       由良内在泊の教練参加の各艇は明日二十八日一五〇〇由良内発田辺に回航す      1.第十號驅潜特務艇は明日一三〇〇由良内発市江配備に就け      2.第二十一號掃海特務艇は交代せば切目埼附近にて教練参加部隊に合同せよ      3.那智丸は海防信電令第13号の任務終了せば田辺に回航待機せよ 18.07.28:海防信電令第15号:海防機密第281130番電:       明二十九日実施予定の教練作業は延期せらる      1.第二十一號掃海特務艇は現任務を続行せよ      2.那智丸は田辺回航を取止め由良内に帰投せよ 18.08.01:海防信電令第16号:海防機密第010800番電:       明二日阪警電令第70号に依り教練作業実施せらる       教練参加艇は本日一四三〇由良内発田辺に進出す      1.第二十一號掃海特務艇は本日交代後切目埼附近にて本隊に合同せよ      2.早鞆丸は本日田辺進出、二日市江配備、三日配備に就け      3.第三號驅潜特務艇は二日交代後串本進出す、第三十二掃海隊司令は之を区処せよ 18.08.13:海防信電令第17号:海防機密第131230番電:       第八八一三船団甲(五隻)十三日一六〇〇由良内沖通過八・五節      1.第二十一號掃海特務艇は由良内沖より梶取北方迄之が直接護衛に任ぜよ      2.各配備の船艇は間接護衛に任ずべし
19.04.19:海防信電令第5号:海防機密第191750番電:       第八四一九甲船団に対し左の通直接護衛をなせ      1.第九十七號驅潜特務艇は御坊錨地よりO点沖間      2.紀洋丸はO点沖より新宮沖間 19.04.24:海防信電令第6号:海防機密第241122番電:       第二掃蕩配備となせ       第九十七號驅潜特務艇を第一掃蕩隊に編入す       紀洋丸は丁哨区に進出す 19.04.25:海防信電令第7号:海防機密第251445番電:      1.第一護衛法別法第三掃蕩配備となせ      2.本配備中の兵力部署左の通        (イ)第一掃蕩隊 成生、第九日東丸、高知丸        (ロ)丁哨区配備 第八日東丸        (ハ)由良内待機 第二十二號掃海特務艇、紀洋丸、第九十七號驅潜特務艇        (ニ)串本待機  那智丸        (ホ)第三掃蕩隊 第三十二掃海隊司令所定      3.各隊(艇)は天候回復次第部署に就け 19.04.26:海防信電令第8号:海防機密第260900番電:       第一掃蕩配備となせ 19.05.05:信電令第9号:海防機密第051049番電:       第一護衛法別法第二掃蕩配備となせ 19.05.16:信電令第11号:海防機密第161930番電:      1.第一哨戒配備中の兵力部署当分の間左の通定む        甲乙哨区:紀伊水道部隊より哨戒艦一隻        丙哨区:潮岬部隊より哨戒艦二隻(配備点第三十二掃海隊司令所定)        イ哨区:紀伊水道部隊より哨戒艦二隻      2.那智丸、成生、高知丸、第二百五十一號驅潜特務艇は直接護衛を主務とし待機地従前通 19.10.25:信電令第11号:海防機密第250852番電:       通航船舶護衛に関しては周参見以北を甲配備艇、室戸岬以北を乙配備艇夫々全力を以て所在       先任艦(艇)長指揮の下に直接(状況に依り区間毎に)護衛するを立前とするも東航路に       ありては紀州部隊に引継ぎたる後江須埼附近其の儘続航し間隙を生ぜざる様注意するを要す 19.12.15:信電令第23号:海防機密第151747番電:       而今最初に敵艦(機)を発見(探知聴音)し味方作戦を有利ならしめたる者に対し詮議の上       適当なる表彰を行う
20.01.03:信電令第14号:       而今船舶護衛終了時の電報を取止め甲哨区にありては瀬戸埼又は日ノ御埼衛所を介し電話報告       することとす 20.01.15:信電令第15号:       而今当直艇は東航船舶ある場合切目埼に於て之を確認したる後左例に依り船団名(単独船は船名)       通過時刻を電報すべし        着信者 指揮官  受報者        三護衛 紀州部隊 阪警      本文 八一一四切目埼〇四三〇 船舶二隊以上ある場合は機宜処置す (20.01.16:信電令第15号中の受報者を 阪警長官 三護衛司令官 紀州部隊司令官に訂正) 20.01.21:信電令第16号:      1.当分の間友ヶ島配備艇として第五小隊を使用す配備中之を指揮すべし      2.右乗員の居住其の他に便宜を与うべし
20.01.24:信電令第1号:       当分の間特令なければ哨区内に通航船舶なき場合当直艇は燃料節約のため周参見又は田辺外港に       警戒碇泊即時待機規定の通信配備と戦闘即応の用意あるを要す       尚各艇長は船団護衛に対しては誠意を以て全力を傾注し万全を期すべし 20.05.21:信電令第3号:       対空戦闘は今後益々熾烈を加うるも弾薬の補給至難なるを以て絶対に乱射せざるを要す       乱射に陥る原因は射撃指揮の技量未熟且つ敢闘精神旺盛ならざるに依る指導上留意を要す      1.射撃時機の標準        目標を四〇〇〇米以上にて捕捉し有効射程(二十五粍は二五〇〇米、十三粍は一五〇〇米)に        入りたるとき又は急降下爆撃機は急降下に転入後必中の自信あるとき      2.追撃は射撃効果極めて不良なり射撃せざるを立前とす

海面防備部隊信令

 17.03.19:海面防備部隊信令第6号:
       非常警戒第二配備中防備隊司令官及び掃海隊司令は応急出動艇各一隻を準備し置くべし
       本日防備隊応急出動艇を第五十一號驅潜特務艇に指定す

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