馬來部隊電令作

 16.12.07:馬來部隊電令作第13号:南遣艦隊機密第108番電:
       主隊は7日1900地点「マメラ00」より南下、8日0100地点「ユヒヒ55」に進出
       上陸支援護衛隊本隊は之に応ずる如く行動すべし

 16.12.07:馬來部隊電令作第15号:南遣艦隊機密第114番電:
       敵主力は4日シンガポールに在りしこと確実なるも爾後の行動不明
       各部隊は明8日朝敵を馬來東岸北上に備へ警戒を厳にせよ

 16.12.08:馬來部隊電令作第18号:南遣艦隊機密第124番電:
       佛印南方海面及び泰海湾に敵潜水艦約三隻出没す、警戒を厳にせよ
       発見せば徹底的に之を攻撃撃沈すべし

 16.12.09:馬來部隊電令作第23号:南遣艦隊機密第156番電:
      1.主隊は9日馬來東方海面発10日午後カムラン湾着
        護衛隊は左記に依り行動すべし
       (イ)本隊は巡洋艦二、驅逐艦一乃至二程度を現位置附近に配備し其の他交互に補給を行へ
       (ロ)第一、第二護衛隊は速にカムラン湾に回航
          但し第三水雷戦隊司令官は所要に応じ一部兵力を上陸地点付近に残置することを得
      2.潜水部隊の配備に関する馬來部隊電令作第17号の制令を解く、由良は11日1200迄にカムラン湾
        に来れ
      3.自余の各部隊は現任務を続行すべし
      4.各部隊は14日1600全力配備に就け
      5.11日1500鳥海に於て第二次上陸部隊の護衛及び破壊作戦に関する打合せを行う

 16.12.09:馬來部隊電令作第25号:
       伊六五潜の報告に依れば9日午後3時15分「コチサ11」にリパルス型巡洋戦艦二隻見ゆ
       針路340度速力14節、各隊警戒を厳にせよ

 16.12.09:馬來部隊電令作第26号:
      1.第一航空部隊及び潜水部隊は今夜敵主力に極力触接攻撃せよ
      2.水上部隊は明天明後航空部隊、潜水部隊の攻撃に策応、機宜攻撃を加えつつ味方主力に誘致
        したる後決戦せんとす
      3.第三水雷戦隊は明10日成るべく速に第七戦隊に合同せよ

 16.12.09:馬來部隊電令作第29号:
       馬來部隊の大部は第二次上陸部隊の護衛任務を続行、第七戦隊第二小隊、第三水雷戦隊、
       驅逐艦二隻は南方部隊指揮官の直接指揮下に入り敵主力に対し備えよ

 16.12.10:馬來部隊電令作第30号:南遣艦隊機密第180番電:
       カムラン湾在泊中(11日より13日頃迄)の警戒に関し左の通定む
       (部隊、指揮官、兵力、要領)
       第一哨戒隊 第三水雷戦隊司令官 第三水雷戦隊、占守、辰宮丸、長沙丸、永jロ
             常時一艦を以て湾外哨戒
       第二哨戒隊 第十二航空戦隊司令官 第十二航空戦隊、馬來部隊艦載機
             毎日午前午後一回ムイホンラン灯台の100浬哨戒艦艇等は朝日特務艦長と強力する
             ものとす

 16.12.10:馬來部隊電令作第32号:南遣艦隊機密第195番電:
       明11日0800頃より艦隊カムラン湾入港
      1.占守、第七戦隊附属の駆逐艦、狭霧、驅潜隊は占守艦長指揮の下に入港終わる迄湾外の
        対潜掃蕩を行うべし

 16.12.10:馬來部隊電令作第33号:南遣艦隊機密第196番電:
       馬來部隊電令作第29号を取止む、各部隊は馬來部隊電令作第23号に依り行動すべし

 16.12.13:馬來部隊電令作第3-号:南遣艦隊機密第235番電:
       主隊は第一護衛隊と概ね行動を共にし14日1000プロコンドルの42度80浬附近に於て分離
       14日1800プロコンドルの195度70浬に達す

 16.12.11:馬來部隊電令作第35号:南遣艦隊機密第213番電:
       第五師団及び佗美支隊第二次上陸及びB作戦は左に依り同時に実施す
      1.兵力部署(乙)中、第二護衛隊に第七號驅潜艇を加う
      2.集合点発はx+5日上陸点着はx+8日0000頃の予定
      3.第九根據地隊司令官は別に掃海艇及び驅潜艇の大部をx+6日1200迄にプロコンドルに
        派遣右艇那決定せば報告すべし

 16.12.13:馬來部隊電令作第37号:南遣艦隊機密第241番電:
       第二航空部隊及びシンゴラ所在水上機は明14日タイ湾の敵驅逐艦及び潜水艦を索敵攻撃せよ

 16.12.13:馬來部隊電令作第38号:南遣艦隊機密第244番電:
      1.第四驅逐隊を第一護衛隊に編入
      2.第一護衛隊指揮官は輸送船隊上陸点着後はシンゴラ、コタバルの概ね80浬圏内及び(カモー岬)
        の南方約80浬圏内の敵潜水艦を掃蕩すべし
      3.相良丸(第七戦隊派遣飛行機を含む)は右掃蕩に協力すべし

 16.12.14:馬來部隊電令作第39号:南遣艦隊機密第245番電:
       14日0300馬來部隊電令作第35号に依り第九根據地隊より派出の掃海艇及び驅潜艇は直に原隊に
       復帰すべし

 16.12.14:馬來部隊電令作第40号:南遣艦隊機密第246番電:
      1.機密馬來部隊命令作第1号に依る南仏印及びカムラン湾に於ける特設監視艇の対空監視配備
        取止む
      2.第十一特別根據地隊司令官はなるべく速に特設監視艇(カムラン湾配備のものを除く)を
        シンゴラ方面に派遣、第九根據地隊司令官の命を受け主として泊地附近の対潜警戒に任ぜしむべし
      3.第十一特別根據地隊司令官は拿捕又は現地徴傭舟艇を以て聖雀冲及びカモー岬附近の対潜警戒に
        任ぜしむべし

 16.12.14:馬來部隊電令作第41号:南遣艦隊機密第347番電:
       極力敵潜水艦を索敵攻撃せよ

 16.12.15:馬來部隊電令作第45号:
       15日0300第七戦隊第一小隊は伊六四潜発見の敵に向え、鳥海、第七戦隊第二小隊は予定配備に
       ありて警戒す 0300

 16.12.15:馬來部隊電令作第46号:南遣艦隊機密第255番電:
       第一護衛隊指揮官は電令作第38号に依るカモー岬附近の対潜掃蕩を取止め第一護衛隊の全力を
       以て泊地着後各附近の敵潜水艦を掃蕩すべし
       第九根據地隊司令官はシンゴラ、パタニ、コタバルに掃海艇、驅潜艇を適宜配備、第一護衛隊
       指揮官の指揮を受けしむ

 16.12.15:馬來部隊電令作第47号:南遣艦隊機密第260番電:
      1.本日シンガポールの飛行偵察に依れば敵軽快部隊の一部は出動しある疑濃厚なり
      2.第七戦隊第一小隊は敵情を得る迄第二護衛隊を支援し得る如く行動せよ
      3.第五潜水戦隊は原配備に復帰せよ、途中潜水艦一隻を以てクチンを偵察せしむべし

 16.12.17:馬來部隊電令作第48号:南遣艦隊機密第283番電:
       第四驅逐隊をして第二艦隊機密第464番電の如く行動せしめよ
       各方面の揚陸状況並に終了見込知らせ

 16.12.17:馬來部隊電令作第50号:南遣艦隊機密第287番電:
      1.主隊及び第七戦隊第二小隊は21日馬來東方海面発カムラン湾回航の予定
      2.第一護衛隊は左の如く行動せよ
       (イ)川内、香椎、驅逐艦四隻は19日占守、驅逐艦三隻は21日夫々上陸点附近発カムラン湾に
          回航次作戦準備をなせ
          第三水雷戦隊司令官は各上陸点に於ける輸送船の揚陸効程に依りては上陸点附近発期日を
          適宜変更することを得
       (ロ)前号の第一護衛隊全兵力上陸点附近発以後掃海艇、驅潜艇(第七號驅潜艇、第十二昭南丸
          欠)は第九根據地隊司令官の指揮下に復帰し残留輸送船に対する泊地警戒をなせ
      3.第四潜水戦隊は19日以後現配備を徴しカムラン湾に帰れ
      4.自余の各部隊は現任務を続行すべし
      5.22日1000鳥海に於いて第二十五軍主力の護衛に関する打合を行う、参集者は別に指示す

 16.12.18:馬來部隊電令作第54号:南遣艦隊機密第304番電:
       18日第十一根據地隊司令官は速に左記を完成すべし
      1.聖雀に大巡二隻程度警泊するものとし之が対潜防備(防材、漁網等を設置、適宜警戒艦艇、
        徴傭舟艇等を配置)
      2.エアヘ桟橋附近に補給艦錨地を選定し驅逐艦、潜水艦に対する補給を用意ならしむ

 16.12.19:馬來部隊電令作第57号:南遣艦隊機密第334番電:
      1.鳥海、第七戦隊第二小隊、初雲、白雲はカムラン湾に回航20日1100着の予定
      2.第七戦隊第二小隊、初雲はク作戦支援の為、22日同湾を出動の予定
      3.鳥海は入港迄他艦所に対する了解を出さず
        20日1200より必要電に対する了解のみを取纏め行う

 16.12.20:馬來部隊電令作第58号:南遣艦隊機密第341番電:
       20日1200クチン攻略作戦は3日繰下げ実施す
       第二護衛隊は第七號驅潜艇をクチンに残置し22日同地発予定の如く行動すべし
       第七號驅潜艇をミリ引揚時機は特令す

 16.12.23:馬來部隊電令作第63号:E部隊機密第40番電:
      1.第二兵力部署に転換時期を24日1200とす
      2.第二兵力部署中左の通改む
        第一護衛隊
        1.第三水雷戦隊(驅逐艦九隻欠)、第一掃海隊(掃海艇二隻)、第十一驅潜隊(驅潜艇一隻)
        第二護衛隊
        2.第五水雷戦隊、第八驅逐隊、香椎、占守、第三水雷戦隊(驅逐艦二隻)、第一航空部隊、
          第十二航空戦隊一小隊、相良丸
      3.各部隊の任務行動上左の通改む
       (イ)第一護衛隊
          輸送船二隻(第十八師団)2個大隊を護衛X+21日頃特令に依りシンゴラ発X+23日
          0000頃クワンタンに上陸せしむ
       (ロ)第二護衛隊は第二十五軍及び第十五軍の輸送船約五十五隻を護衛し夫々シンゴラ及び西貢に
          上陸せしむ
       (ハ)第十二驅逐隊司令は特令ある迄第十二驅逐隊、第一掃海隊(掃海艇二隻)、
          第十一驅潜隊(驅潜艇一隻)を指揮し前任務を続行す
       (ニ)24日1800鬼怒に対する第七戦隊司令官の区処を解き鬼怒はカムランに回航待機後
          第七戦隊、驅逐艦4隻は「ク」作戦一段落後マレー東方海面に進出護衛を支援す
      4.~川丸は25日1800以後ミリ発カムランに回航
        第二航空部隊は輸送船隊の警戒に任ず
      5.第一航空部隊指揮官はクチン作戦の敵情に依りてはミリ派遣隊をして機宜タラカン攻撃を
        行はしめ西貢に復帰せしむべし
      6.香椎、占守、第二水雷戦隊(驅逐艦二隻)は24日カムラン発馬公に回航
      7.K潮丸は馬公よりシンゴラ迄第五水雷戦隊司令官の指揮を受け護衛隊根據地隊の補給に
        任ずべし

 16.12.28:馬來部隊電令作第69号:南遣艦隊機密第509番電:
      1.佗美支隊は陸路クワンタンに迫れり
      2.Q上陸作戦は之を取止む、第一護衛部隊はQ上陸部隊の乗船を護衛し適宜コタバルに回航、
        之を揚陸せしめたる後、一部を以て空船を護衛しカムラン湾に回航せよ
        第一掃海隊掃海艇二隻、第十一驅潜隊驅潜艇一隻は揚陸作業終了せば第九根據地隊に復帰せよ
        潜水部隊のQ沖配備を取止む

 16.12.31:馬來部隊電令作第77号:南遣艦隊機密第575番電:
       第一護衛隊は1月6日迄に虎門に回航、第十八師団長と協定し輸送船約十隻を護衛し
       1月11日中にカムラン湾に入泊せよ

 17.01.03:馬來部隊電令作第80号:
       第四航空戦隊(二聯隊欠)は準備出来次第カムランに回航すべし

 17.01.08:馬來部隊電令作第85号:
      1.第一航空部隊は第三飛行集団と協力シンガポール島方面敵航空兵力及艦艇を撃滅すべし
        昼間攻撃開始時機を概ね1月10日とす
      2.右攻撃開始日より3日間ロ区域の索敵を行わざることを得

 17.01.16:馬來部隊電令作第91号:
      1.15日シンガポールに戦艦一を基幹とする部隊(航空部隊を伴うものの如し)在泊、
        同部隊は出撃の算あり
      2.各艦現所在方面に在りて警戒を厳にせよ(以下不明)

 17.01.16:馬來部隊電令作第92号:
      1.S作戦は之を延期す
      2.鳥海、第七戦隊、第三水雷戦隊、第四航空戦隊(羽風を加う)鬼怒及由良は16日1300頃
        カムラン湾出撃、17日午後佛印南方海面に進出、敵を南支那海方面に誘出航空部隊の攻撃と
        相俟って之を撃滅せんとす
      3.第四潜水戦隊の潜水艦はシンガポール東方監視配備に就け、
        第五潜水戦隊の潜水艦はスンダ海峡南口及マラッカ海峡北口附近に配備せよ
      4.第二航空部隊(鳥海機を除く)は敵艦艇の索敵触接並に船隊の警戒に任ず
      5.爾余の部隊は現位置にありて警戒せよ

 17.01.27:馬來部隊電令作第102号:
      1.第一掃海隊はエンドウ発以後第九根據地隊司令官の指揮下に入らしむ
      2.第九根據地隊司令官は適宜第一掃海隊をしてプリンスオブウェールズ及びレパレスの沈没位置を
        確かめ設標せしむべし

 17.02.01:馬來部隊電令作第110号:
      1.由良、第二十驅逐隊(朝霧欠)は2月3日迄にカムラン湾に帰投せよ(以下不明)

 17.02.12:馬來部隊電令作第128号:
       辰宮丸は第一護衛隊指揮官の指示に依り行動、設営班員をムントク飛行場に輸送すべし

 17.02.09:馬來部隊電令作第124号:馬來部隊機密第699番電:
      1.鶴見は2月11日輸送船に引続きカムラン発第二護衛隊指揮官所定に依り補給を実施したる後
        アナンバスに待機し入泊艦船の補給に任ぜよ
        21日頃より一時第五水雷戦隊司令官の指揮下に入らしむる予定
      2.襟裳は鶴見アナンバス到着後之に重油を移載し(満載)西貢に回航第十一特別根據地隊司令官
        所定に依り重油及び石炭を満載の上聖雀に待機せよ
      3.日榮丸は16日迄にカムランに入泊
        蘭印部隊艦船に補給の上20日迄に聖雀に至り待機せよ

 17.02.15:馬來部隊電令作第131号:
       第一護衛隊指揮官は便宜元の任務に帰れ

 17.02.15:馬來部隊電令作第132号:
       第一護衛隊指揮官は特令する迄第一掃海隊の掃海艇三を根據地部隊指揮官の指揮下に入らしむべし

 17.02.16:馬來部隊電令作第135号:
      1.龍驤飛行機は本16日0920シンガポールに碇泊中の大型商船三を認めたり
      2.第一護衛隊指揮官は右商船シンガポールを脱出せば之が拿捕又は撃沈に努むべし
      3.第二航空部隊水上機は右に協力すべし

 17.02.17:馬來部隊電令作第136号:
      左に依りシンガポール及びマラッカ海峡水路啓開作戦を実施すべし
      1.第九根據地隊司令官は第九根據地隊(第一掃海隊、長沙丸、第九十一驅潜隊欠)、第二十驅逐隊(
        天霧、朝霧欠)、第四十一掃海隊、第四十四掃海隊、特設掃海隊(特設監視艇二、漁船四欠)を
        指揮、速にMapor島(ビンタン島東方)南方泊地に集結、シンガポール主水路及びマラッカ海峡
        水路を啓開す
        占守、長沙丸、漁船二は之を第三水雷戦隊司令官の指揮下に入らしむべし
      2.第三水雷戦隊司令官は川内、天霧、朝霧を率い特令に依り右水路啓開を支援す

 17.02.17:馬來部隊電令作第138号:
       馬來部隊電令作第132号による掃海艇三隻を第一護衛隊に復帰す

 17.02.17:馬來部隊電令作第39号:馬來部隊機密第828番電:
       第七戦隊司令官は第十七戦隊及び第十九驅逐隊(磯波欠)を併せ指揮しジャバ作戦時蘭印部隊
       第三護衛隊の支援に任ずべし

 17.02.18:馬來部隊電令作第141号:E部隊機密第867番電:
       第一航空部隊は第十一航空艦隊と連絡機宜ジャワ海西部及びスンダ海峡の索敵敵艦艇の攻撃並に
       ジャワ西部の敵航空兵力撃滅に任ずべし

 17.02.23:馬來部隊電令作第151号:
      1.夕霧は24日1200以後第三水雷戦隊司令官の指揮下に入れ
      2.第三水雷戦隊司令官は第二十驅逐隊(朝霧欠)をして25日中に甲点(北緯0度56分東経105度27分)
        乙点(北緯1度27.4分東経104度32.6分)間の掃海を実施せしむべし
      3.第三水雷戦隊(第十一驅逐隊、第十九駆逐隊(欠綾波)、第十二驅逐隊欠)は26日アナンバス
        襟裳より補給(満載)せよ
      4.(不明)

 17.02.24:馬來部隊電令作第152号:
       鳥海、第三水雷戦隊(第十二驅逐隊、第十九駆逐隊(綾波欠)、第十一驅逐隊欠)、香椎、其の他の
       新嘉坡進入に関し左の通定む
      1.鳥海、綾波は25日0800聖雀発、26日夕刻アナンバス南東、27日0500甲点(北緯0度56分東経105度
        27分)に達し、乙点(北緯1度27分4秒東経104度32分6秒)を経てセレター泊地に進入す
      2.第三水雷戦隊(第十二驅逐隊、第十九駆逐隊(綾波欠)、第十一驅逐隊欠)、衣笠丸は26日
        1900迄にアナンバス南東方海面に於いて鳥海に合同
        (以下不明)

 17.03.12:馬來部隊電令作第162号:
      1.機密馬來部隊命令作第18號D及びU作戦兵力部署中、驅逐隊(艦)の配属を左の通改む
       (イ)主隊(第四航空戦隊を含む):第四水雷戦隊の驅逐隊一隊を削除
                        第三水雷戦隊の驅逐艦五隻を加う
       (ロ)第一護衛隊:第三水雷戦隊(驅逐艦四隻欠)とあるを第三水雷戦隊(驅逐艦六欠)とす
       (ハ)第二護衛隊:第三水雷戦隊の驅逐艦三隻を削除
      2.敷波は現任務終了せば昭南に於いて入渠すべし

 17.03.14:馬來部隊電令作第164号:
       D及びU作戦兵力部署発動時機を15日0000とす

 17.03.17:馬來部隊電令作第167号:
      1.敷波を第二護衛隊に編入す
      2.(以下不明)

馬來部隊電令

 16.12.28:馬來部隊電令第10号:南遣艦隊機密第512番電:
       第一護衛隊指揮官は驅逐艦一隻を派出しコタバルより西貢迄富士川丸を護衛せしむべし

 17.02.16:馬來部隊電令第36号:
      1.鹿屋航空隊陸攻一機本15日敵艦隊攻撃後被弾の為バンカ島東岸のパシヤン島(「パンカルピナン」
        の沖)附近に不時着せる疑あり
      2.第一護衛隊指揮官は便宜艦艇を派遣、第二航空部隊指揮官は飛行機を派遣し右飛行機搭乗員の
        救援に任ぜしむべし
      3.第一護衛隊指揮官は右飛行機の捜索救護に関しバンカ島陸軍部隊に連絡すべし

 17.02.16:馬來部隊電令第38号:
       電令第36号の鹿屋陸攻はカパン基地に帰投せり
       右に対する救援の配備を徹せよ

 17.02.17:馬來部隊電令第39号:
       第七戦隊司令官は第七戦隊及び第十九驅逐隊(磯波欠)を併せ指揮、J作戦時蘭印部隊第三護衛隊の
       支援に任ずべし

 17.02.19:馬來部隊電令第41号:
      1.第三水雷戦隊司令官は左に依りバンカ、パレンバン方面に於いて拿捕せる船舶舟艇を処理すべし
       (イ)固有乗員にして操縦運転に必要なるものは努めて之を利用し已むを得ざるものは現地艦船
          乗員より補充
       (ロ)シンガポール水路嚮導等啓開に適当と認めらるる舟艇(固有乗員を含む)便宜出港
          第九、第十一根據地隊司令官に引渡す
       (ハ)其の他は成るべく速にシンガポールに回航、司令官に引渡しバンカ、パレンバン方面の
          警戒運輸等に必要なるものは差当り同方面に於いて利用することを得
       (ニ)右方針に基づき拿捕船舶処理要領を定め報告す
      2.爾後の使用区分に関しては別に之を定む

 17.03.25:馬來部隊電令第64号:
       D作戦概成後に於ける第一護衛隊、衣笠丸及び廣隆丸の行動左の通定む(國川丸は第十一航空艦隊
       所定に依り行動)
      1.第一號掃海艇、第五號掃海艇を彼南根據地部隊に編入す
        第一號掃海艇、第五號掃海艇はシンガポールに回航、入渠修理に従事す
        第一掃海隊(第一號掃海艇、第五號掃海艇欠)は之を一時昭南根據地部隊に編入す
        4月5日頃迄シンガポール方面の掃海に任じ以後シンガポールに於いて入渠修理に従事す 
      2.第九號驅潜艇は第十驅潜隊に編入、同艇は任務終了次第シンガポールに回航
      3.自余の第一護衛隊の行動は第三水雷戦隊司令官所定に依る
      4.衣笠丸は任務終了せば佛印ポートレドニに回航、運輸機密第536番電に依り行動す
      5.廣隆丸は任務終了後、シンガポールに回航、第一〇一軍需部長、第一〇一航空廠長所定の
        航空燃料、爆弾、糧食搭載、サバン島及びポートブレアに輸送
      6.第一護衛隊指揮官は輸送船帰還の際シンガポール方面帰投適宜の兵力を以て護衛に任ぜしむ

 17.03.31:馬來部隊電令第65号:第一南遣艦隊機密第758番電:
      1.鳥海、第七戦隊、第四航空戦隊、第三水雷戦隊、由良は4月10日夕刻乃至11日昭南港入港の予定
      2.第十特別根據地隊司令官は4月8日より三日間第四十四掃海隊の二隻を以てマラッカ海峡概ねCF
        浮標間航路筋、浮遊機雷の処分に任ぜしめると共に9日10日両日夜間Balupohat灯台の230度9浬及
        One fothon bonka灯台の315度8浬に碇泊通行艦の要求に依り機宜灯火を点出目標艦たらしむべし
        協議に応じ浮流機雷処分に協力すべし

馬來部隊信電令作

 17.01.01:馬來部隊信電令作第2号:南遣艦隊機密第602番電:
       襟裳は補給用燃料7,000瓲以上積載1月4日夕刻カムラン発5日0800頃第二護衛隊(概位パダラン岬
       の210度90浬)に合同爾後同隊指揮官の指揮を受け補給に任じたる後、シンゴラに回航せよ

 17.01.18:馬來部隊信電令作第7号:
      1.戦艦及び空母等に関する情報に就ては其の後確報を得ず
      2.鳥海、第七戦隊、第三水雷戦隊、第四航空戦隊(羽風を加う)鬼怒はカムラン湾に帰投す
      3.第四潜水戦隊潜水艦は同司令官所定に依り行動すべし

 17.01.20:馬來部隊電令作第8号:
      1.S作戦は之を取止む
      2.馬來部隊は第十八師団主力(輸送船十一隻)をシンゴラに又陸軍航空関係部隊(輸送船二隻)を
        エンドウに護衛すると同時にアナンバスに前進基地を推進す
      3.各部隊はS作戦計画(第一護衛隊より占守及特設監視艇二隻を除き之をアナンバス基地部隊に
        加へ第三航空部隊に第一護衛隊本隊の驅逐艦一隻を加う)に基づき左に依り行動すべし
       (イ)第一護衛隊本隊(第七戦隊第一小隊基幹)は第一護衛隊のエンドウ作戦及アナンバス基地
          部隊の作戦を支援すべし
       (ロ)エンドウ及アナンバス入泊期日を1月26日早朝と予定す
       (ハ)第一護衛隊は20日カムラン湾発、第十八師団主力をシンゴラに護衛したる後、陸軍航空関係
          部隊を護衛し24日シンゴラ発、26日エンドウに揚陸せしむべし、適時驅逐艦二隻、
          第一掃海隊、第十一驅潜隊、留萌丸、音羽丸及び特設監視艇四隻をアナンバスに回航せしめ
          第九根據地隊司令官の指揮下に入らしむべし
       (ニ)潜水部隊のエンドウ配備潜水艦を取止めシンガポール東入り口配備潜水艦を一隻とす
       (ホ)由良は21日以後、第七戦隊司令官の指揮を受け行動すべし
      4.爾余の各部隊の行動
        通信及び補給に関してはS作戦計画に準ず

 17.02.09:馬來部隊信電令作第17号:
       L作戦に関連しバンカ島方面海域を左の通区分す
       ケリアン岬を通ずる25度線以東 A区
       以西 B区
       シンケプ島CKINA山、TUG、ILANOS北端、グラサラ岬を貫く線以南 C区

 17.02.09:馬來部隊信電令作第18号:
      1.L日を2月15日と決定す
      2.各部隊予定の如く行動せよ

 17.02.12:馬來部隊信電令作第20号:
      1.主隊(第七戦隊第一小隊、由良、第十二驅逐隊欠)及び第三航空部隊は13日早朝シンケプ島の
        85度130分附近に進出、ガスパル及びカリマタ海方面の敵に備え主としてA海面に行動す
      2.川内、由良及び第十一驅逐隊(補給後適宜合同)は第三水雷戦隊司令官指揮の下に13日1000
        E点の25度30分附近に進出、爾後敵情に応じシンガポール南方及びバンカ方面敵の補足撃滅に
        任じ適宜輸送船団に合同せよ
        第七戦隊第一小隊及び第十二驅逐隊は13日1000E点の25度30分附近に進出之を支援せよ
        (以下不明)

 17.02.15:馬來部隊信電令作第23号:
      1.主隊は南東方面に進出、敵艦隊を撃滅せんとす
      2.第一、第三航空部隊は全力を挙げ反覆敵を攻撃せよ
      3.第二航空部隊は敵艦隊に触接せよ

 17.02.15:馬來部隊信電令作第24号:
       主隊、第一、第三航空部隊敵主力を撃破したる後、之と決戦せしめよ

 17.02.15:馬來部隊信電令作第25号:
      1.川内、由良、第十一驅逐隊、朝霧は主隊に合同せよ
      2.主隊はジャン角北東方海面を行動
      3.自余の第一護衛隊はムーシ河口内に入泊せよ

 17.02.16:馬來部隊信電令作第27号:
      1.鳥海、白雲、磯波及び第四航空戦隊、叢雲はバンカ島北方海面を機宜行動す
      2.第七戦隊及び第十九驅逐隊(欠磯波)はアナンバス、第七戦隊アナンバス在泊中同様司令官は
        警戒に関し同地所在の各部隊を指揮すべし
      3.香椎は輸送船団ムーシ河口に入泊せばアナンバスに回航せよ
        香椎アナンバス到着後アナンバス基地部隊指揮官を香椎艦長とす
      4.護衛隊指揮官は由良、第十一驅逐隊及び第一掃海隊を遅くとも19日迄にアナンバスに回航せしむ
        べし

 17.02.27:馬來部隊信電令作第29号:
       第三水雷戦隊司令官は第二十驅逐艦隊の一艦をして第三十八師団第二次帰還輸送船約十隻をムーシ
       河口より昭南島迄護衛せしむべし

 17.03.01:馬來部隊信電令作第30号:
       左に依りシンガポール主水路より商港に通ずる水路を啓開すべし
      1.掃海隊の編成
       (イ)掃海隊指揮官:第二十驅逐隊司令 
       (ロ)掃海隊:鳥海、香椎各二組、川内一組 、驅逐艦は第三水雷戦隊司令官所定 
       (ハ)夕霧は適時小掃海隊を率い商港に回航す
      2.啓開すべき水路は別に指示す
      3.第九特別根據地隊司令官は永興丸を母艦担任艦として商港(ヨットクラブの南方700米附近)に
        派遣すべし
      4.第十特別根據地隊司令官は掃海水路に設標すべし
      5.各基本部は第二十驅逐隊司令の要求により掃海作業を援助すべし
      6.ホースバーグ附近の掃海終了後、第四十一掃海隊、留萌丸、音羽丸を掃海隊に編入の予定

 17.03.06:馬來部隊信電令作第32号:
       信電令作第30号に依る昭南島商港より主水路に至る水路啓開指揮官を本6日夕刻以後、
       昭南根據地隊指揮官に改む

 17.03.07:馬來部隊信電令作第33号:
      1.辰宮丸はサバン島基地部隊を収容し第三水雷戦隊司令官の指揮を受けサバン島上陸作戦に従事せよ
        右任務終了せば昭南島に回航すべし
      2.機密馬來部隊命令作第18号による特設監視艇の配属を左の通定む
       (イ)アンダマン攻略部隊:大洋丸、第二北洋丸
       (ロ)サバン島基地部隊: 第二開洋丸、第七朝洋丸

 17.03.17:馬來部隊信電令作第36号:
      1.第十一驅潜隊(第九號驅潜艇欠)及び第九十一驅潜隊(第七昭南丸、第十二昭南丸欠)を
        彼南根據地部隊に編入す
       (以下不明)

馬來部隊信電令


 16.12.12:馬來部隊信電令第3号:南遣艦隊機密第226番電:
      1.13日1000以後第二戦略通信配備に於ける一般艦船通信用長波の代りに六四九〇(タソ二二)を
        使用一般艦船用短波の補用として随時使用、但し送信機不足の艦所は受信のみを行うことを得
      2.戦略交信中電報輻輳時に限り解信は15分の時隔を置かず直後に之を出すこととす

 17.01.03:馬來部隊信電令第4号:南遣艦隊機密第631番電:
       主隊(鳥海及び利根)は1月5日0930カムラン湾発6日1200プロコンドル島の160度140浬附近に
       達し南方100浬乃至140浬附近を機宜行動、輸送船隊の間接護衛に任ず

 16.12.22:馬來部隊信電令第5号:
       第一護衛隊指揮官は驅逐艦一隻を成可く24日午前中に西貢に回航、第二十二航空戦隊司令官
       所定に依る基地人員及び物件をコタバルに輸送すべし、爾後の行動は第一護衛隊指揮官所定に
       依る

 17.01.10:馬來部隊信電令第6号:
      1.午後2時30分(ホンカット)灯台の80度13浬に於て敵潜水艦輸送船団に対し魚雷2本発射せり
        ~川丸観測機2機、日没頃迄附近警戒中
      2.第十二驅逐隊司令は驅逐艦2隻を急派し右潜水艦を捜索撃沈せしむべし(敵を見ざる場合は
        明日1200頃迄附近に在りて警戒す)

 17.01.11:馬來部隊信電令第8号:
       哨戒隊指揮官は信令第96号に依る哨戒驅逐艦の外、別に驅逐艦二隻を派遣し、第十二驅逐隊と
       交替、敵潜を捜索攻撃すべし

 17.01.16:馬來部隊信電令第10号:
       S作戦に関し特令ある迄出港を待て

 17.02.17:馬來部隊信電令第16号:
      1.主隊(鳥海、磯波)及び第二航空部隊は17日夕刻バンカ島北方海面発聖雀に回航、19日夕刻入泊の
        予定、聖雀に於ける錨地、鳥海カンギオアバル灯標の28度2000米、龍驤、鳥海の145度1000米、
        磯波、汐風、河口内方防材の北側適宜先任艦長所定とす
      2.西貢基地部隊指揮官は主隊在泊中、砲艇を以て内外防材間を警戒せよ
      3.第十二驅逐隊は特令に依りアナンバスに回航待機せよ

 17.02.18:馬來部隊信電令第17号:
      1.電令第39号及び信電令第16号に依る磯波と綾波を入れ換う
      2.綾波は速に主隊に合同せよ、18日1000主隊の一北緯3度40分東経106度50分、針路12度14節
      3.磯波は綾波主隊合同後アナンバスに回航せよ

 17.02.27:馬來部隊信電令第19号:
       馬來部隊セレター軍港在泊中の警戒要領左の通定む
      1.在泊艦艇第一戦備 第二警戒配備 12節一時間待機とし特に対空警戒を厳にせよ
      2.艦艇に依る哨戒指揮官 第三水雷戦隊司令官
        兵力 所在驅逐艦全部及び軍艦派出機動艇(各艦一隻派出)
       (イ)驅逐艦一隻をプロウビン島西方に配備し敵艦艇の侵入を阻止す
       (ロ)軍艦派出機動艇一隻を以てプロウビン島プロテコン島中間海面防材内側を哨戒す
      3.飛行警戒指揮官 相良丸艦長
        兵力 在泊搭載艦飛行機全部
        要領
       (イ)対水上艦艇潜水艦 午前午後各一機基点を中心とする約60浬圏内方水路を一巡後シンガポール
          海峡上を反復警戒す、行動時間四時間
       (ロ)対空警戒 二座機約半数を第一待機とす
      4.通信
       (イ)使用電波暗号書 
          艦艇中波を有するもの(チウ0)
          機動艇(第三水雷戦隊司令官所定)
          中枢艦 川内 乙リサ
          甲飛行機(タヒ10)
          統制艦 相良丸 リサ乙陸A
       (ロ)地点表示法 第二法 基点チヤンキ岬東端
       (ハ)機動艇呼出符号は各搭載艦の呼出符号(レトヨ)の上に0を冠し使用す

 17.03.14:馬來部隊信電令第25号:
       馬來部隊彼南在泊中の警戒に関し左の通定む
      1.在泊艦艇 第一戦備第二警戒配備、12節一時間待機とす
      2.艦艇に依る哨戒
       (イ)指揮官:第三水雷戦隊司令官(川内不在中は先任驅逐隊司令又は驅逐艦長)
       (ロ)兵 力:所在驅逐艦全部及び軍艦派出機動艇(各艦一隻派出)  
       (ハ)要 領:左の外指揮官所定
         (一)驅逐艦一を五番浮標外方附近に配備し北口よりする敵艦艇の浸入を阻止す
         (二)軍艦派出機動艇一隻を以て艦隊泊地北側(テコン岬アエルタワルとの連結線附近)を
            哨戒す
      3.飛行機による哨戒指揮官:鳥海艦長
        使用飛行機:所在水上機全部
        要領:一日一機一回乃至二回とし指揮官所定とす
      4.通信
       (イ)使用電波 暗号書
          艦艇(チウ0)、機動艇(7000KC)、中枢艦川内(不在中鳥海)Z乙四リサ甲  
       (ロ)地点表示法
          第二法、基点ムカ岬灯台 
       (ハ)機動艇の呼出符号は各搭載艦の呼出符号(レトヨ)の上に0を冠し使用

 17.03.16:馬來部隊信電令第26号:
       馬來部隊信電令第25号第2項(ニ)を左の通改む
       軍艦派出機動艇一隻を以てサクスチャンネル北端(スウエテンハム桟橋の南方約3粁附近)を
       哨戒す

 17.03.15:馬來部隊信電令第29号:
      1.本16日2000野島丸は北緯3度東経100度47分に於いて潜水艦を認め更に西方8粁に於いて商船一
        雷撃撃沈せられたるを認めたり
      2.第三水雷戦隊司令官は驅逐艦二を第九特別根據地隊司令官は第十一驅潜隊を急速出動せしめ
        先任者指揮の下に
       (一)被襲撃船の救難
       (二)特令ある迄現場付近の対潜攻撃に任ぜしむべし
          第四〇空司令は艦攻、鳥海艦長は水偵何れも午前午後各一機を以て右対潜制圧に協力せしむ
          べし

 17.03.18:馬來部隊信電令第30号:
      1.夕霧、天霧は18日夕刻迄現任務を続行、19日午前中にペナンに帰投せよ
      2、(以下不明)

 17.04.08:馬來部隊信電令第34号:
      1.(不明)
      2.第三水雷戦隊司令官は龍驤飛行作業中、驅逐艦二隻を以て警戒に任ぜしむべし
      3.(不明)

馬來部隊信令作

 16.12.03:南遣艦隊信令作第6号:
      1.根據地隊指揮官は初鷹を以て輸送船關西丸及び淺香山丸を護衛しx−5日1800頃三亞発、
        x−1日0800頃プロパンジャン島の南西方約20浬附近に於て右輸送船を第一護衛隊に合同
        せしめたる後、予定計画に依り行動すべし
      2.本行動中特に企図の秘匿に関し留意すべし

 16.12.03:南遣艦隊信令作第7号:
       機密馬來部隊命令作第1号第一兵力部署(甲)に於ける野島丸の行動を左の通改めらる
       野島丸は根據地隊指揮官所定に依り三亞発12月5日1000迄にプロコンドルに至り掃海艇三隻及び
       特令に依り驅逐艦四隻に対する補給に任じたる後第一護衛隊に合同、爾後予定の如く行動すべし

 16.12.01:南遣艦隊信令作第8号:
       機密馬來部隊命令作第1号第一兵力部署(乙)中第一護衛隊兵力より驅逐艦一を除き掃海艇、
       驅潜艇各一を加う、同第二護衛隊兵力に驅逐艦一を加え根據地隊より掃海艇、驅潜艇各一を
       除く

 16.12.02:南遣艦隊信令作第8号:
       米大型潜水艦14隻潜水母艦1隻驅逐艦2隻12月1日朝マニラ出港行先不明との報あり
       対潜警戒を厳にせよ

 16.12.03:南遣艦隊信令第9号:
       機密馬來部隊命令作第1号第一兵力部署(甲)第一護衛隊の三亞出港時刻をx−4日0700に改む

 16.12.06:南遣艦隊信令作第11号:
       關西丸及び淺香山丸は第一護衛隊指揮官適宜合同せしむべし、
       右合同後、機密馬來部隊命令作第7号に依る初鷹の任務を解く

 16.12.11:南遣艦隊信令作第14号:
       カムラン湾在泊中軍艦(占守を除く)は機動艇各一隻を朝日に派遣し同艦長の指揮を受け
       湾口哨戒に従事せしむべし

 16.12.12:馬來部隊信令第15号:
       智利丸及び錦隆丸は本日1900当日発シンゴラに先行せしむべし

 16.12.12:南遣艦隊信令第16号:
       当地在泊中第二警戒碇泊とす、但し12節一時間待機とす

 16.12.12:南遣艦隊信令作第17号:
      1.機密馬來部隊命令作第11号別紙第四作戦実施要領
      2.(ホ)中、鳥海を削除す
      3.第七戦隊司令官はプロコンドル派遣水上機をして途中輸送船隊の航路附近を索敵せしむべし

 16.12.22:馬來部隊信令作第19号:
       第三水雷戦隊各艦は成可く速に爆雷装置及び落下台に対する防弾鈑装着工事を実施すべし
       工事の詳細に関しては朝日艦長と協議するものとす

 16.12.21:馬來部隊信令作第20号:
      1.当地在泊中の警戒要領を第一戦備、第二警戒配備(12節一時間待機に改む)
      2.白雲は22日以後朝日艦長の区処を受け湾口哨戒に従事すべし

 16.12.21:馬來部隊信令作第20号:
      1.(不明)
      2.川内飛行機は明22日早朝、鳥海飛行機に代り飛行警戒を行うべし

 16.12.21:馬來部隊信電令作第2号:信号
       艦船行動に関する報告要領(不明)

 16.12.21:馬來部隊信令作第76号:信号 26号?
       当地在泊中、軍艦(占守を除く)は機動艇一隻を朝日に派遣し同艦長の指揮を受け
       湾口哨戒に従事せしむべし

 16.12.31:馬來部隊信令作第29号:
      1.第十二驅逐隊は原隊に復旧すべし
      2.機密馬來部隊命令作第13号兵力部署中、左の通改む
       (イ)主隊    鳥海、第三水雷戦隊の驅逐艦二隻
       (ロ)護衛隊本隊 第七戦隊、第二水雷戦隊の驅逐艦四隻
       (ハ)第一護衛隊 第三水雷戦隊(驅逐艦八隻欠)

 16.12.31:馬來部隊信令作第30号:
      1.機密南方部隊命令第21号に依る哨戒驅逐隊(艦)を第十一驅逐隊及び浦波に指定す
      2.馬來部隊信令第76号に依る軍艦機動艇(各艦一隻)の派出区分左の通定む
        31日 鳥海、第七戦隊第一小隊
        1日 第七戦隊第二小隊
        2日 鳥海、鬼怒
        3日 第七戦隊第二小隊
        4日以後 残留先任指揮官所定

 17.01.11:馬來部隊信令作第34号:
      1.第四航空戦隊はカムラン湾外敵潜水艦制圧を兼ね飛行訓練を実施すべし
        実施時機を1月12日、13日の内1日とす
      2.護衛隊、護衛本隊指揮官は同隊の驅逐艦一隻をして右行動中、第四航空戦隊司令官の指揮を
        受けしむべし

 17.01.13:馬來部隊信令作第37号:
       航空作戦の進捗状況に鑑みS日を差当り1日繰下ぐ

 17.01.14:馬來部隊信令作第38号:
      1.第三水雷戦隊は司令官所定に依り予備魚雷実用頭部約60個を朝日に移載すべし
      2.朝日艦長は右頭部を保管すべし

 17.01.15:馬來部隊信令作第39号:
       特令する迄出港を待て

 17.01.15:馬來部隊信令作第40号:
       軍隊区分に依り主隊及び護衛隊本隊に編入せる驅逐艦と同所に碇泊する場合は直接軍隊区分に
       依る任務以外に関しては原隊指揮官の指揮を受くるものとす

 17.01.15:馬來部隊信令作第41号:
       左に依りカムラン湾外対潜掃蕩を実施す
      1.期日 15日夕刻より17日1200
      2.指揮官及び兵力
       (イ)掃蕩隊  第三水雷戦隊司令官
          第1日 第三水雷戦隊驅逐艦六隻以内
          第2日 第三水雷戦隊驅逐艦及び潮風、羽風、占守中六隻以内
       (ロ)航空部隊 第十二航空戦隊司令官
          所在水上機全部
      3.掃蕩隊及び航空隊は相互協力するものとす
      4.右実施期間中、馬來部隊信令第96号に依る哨戒及び飛行警戒は之を行わず
      5.右の外実施細目 各指揮官所定

 17.01.15:馬來部隊信令作第42号:
       馬來部隊信令作第41号に依る敵潜掃蕩実施期日を16日0900迄に改め、第2日は行わず

 17.01.16:馬來部隊信令作第44号:
      1.15日海軍機の写真偵察に依ればシンガポールに戦艦在泊す、空母を伴うものの如し
        敵空母カムラン湾空襲の算あり
      2.各艦対空警戒を厳にせよ、0700以後16節15分間待機となせ、但し見張所派遣員の撤収行はず
      3.飛行警戒に関し左の通定む(以下不明)

 17.01.16:馬來部隊信令作第44号:
       朝日に移載中の魚雷実用頭部を速に復旧すべし

 17.01.16:馬來部隊信令作第46号:
      1.S作戦は之を延期す
      2.鳥海、第七戦隊、第三水雷戦隊、第四航空戦隊(羽風を加う)、鬼怒及び由良は16日1300頃
        カムラン湾出撃、17日午後佛印南方海面に進出、敵を南支那海方面に誘出、航空部隊の攻撃と
        相俟って之と撃滅せんとす(以下不明)

 17.01.16:馬來部隊信令作第49号:
      1.機密馬來部隊命令作第16号所定序列を第一警戒航行序列(昼間)とす
      2.第二警戒航行序列(夜間)を左の通定む
       (イ)鳥海、第七戦隊、由良、第四航空戦隊、第一警戒航行序列に同じ
       (ロ)自余の各艦占位番号 鳥海よりの方位距離 艦名(隻数)の順
          一番 右14度6.2粁 鬼怒 驅逐艦二
          三番 右37度7.5粁 驅逐艦二
          五番 右90度6  粁 驅逐艦二
          二番 左14度6.2粁 川内 驅逐艦二
          四番 左37度7.5粁 驅逐艦二
          六番 左90度6  粁 驅逐艦二

 17.02.08:馬來部隊信令作第54号:
       馬來部隊電令作第113号(L作戦に関する兵力部署)中
      1.由良を第二護衛隊より除き主隊に加う
      2.香椎をアナンバス基地部隊より除き第二護衛隊に加え第二護衛隊指揮官を香椎艦長に改む
      3.アナンバス基地部隊指揮官を第九十一警備隊司令に改む

 17.02.26:馬來部隊信令作第61号:
       第二十驅逐隊及び綾波は第三水雷戦隊司令官所定に依り明27日0800よりジョホール水路入り口迄
       前路掃海をなせ

馬來部隊信令

 16.12.01:南遣艦隊信令第59号:
       第二哨戒部隊指揮官は哨戒驅逐艦をして熊野二号機の発見せるパナマ汽船ヘロンを捜索し其の
       泊地近接を阻止せしむべし
       1000に於ける同船の位置東州の200度75浬針路80度速力8節

 16.12.06:馬來部隊信令第71号:
      1.第三配備に就けの令あらば三直哨戒に依り警戒すべし
      2.明朝0730以後第一配備となせ

 16.12.06:馬來部隊信令第72号:
       予定の如く行動せよ、奮闘を祈る

 17.01.10:馬來部隊信令第96号:
       今次カムラン湾入泊中の警戒中の警戒要領左の通定む
      1.在泊艦 第一戦備、第二警戒配備、12節一時間待機
      2.水上艦艇に依る哨戒
       (イ)哨戒隊指揮官及び哨戒艦
          10日 第十二驅逐隊司令、11日以後 第三水雷戦隊司令官 同司令官所定
       (ロ)要領
          驅逐艦一隻ホンカット灯台を中心とする10浬圏内移動哨戒、他の一艦ムイホンスン灯台
          外方に避泊待機
      3.飛行警戒
       (イ)指揮官及び参加飛行機
          第十二航空戦隊司令官 所在水上機全部
       (ロ)要領
          早朝及び午後概ねホンカット灯台の100浬以内を索敵す
          巡洋艦、航空母艦の出入港時は之が対潜警戒を行う、敵潜水艦の出現に際しては驅逐艦と
          協力し徹底的に攻撃を加う
       (ハ)使用電波  タヒ一七 統制艦 ~川丸
       (ニ)暗号書   「F5」リサZ
       (ホ)地点表使用 ホンカット灯台の方位距離に依る
      4.軍艦(龍驤を除く)汽動艇派出は信令第76号通とす

 17.01.16:馬來部隊信令第106号:
      1.出港順序を第三水雷戦隊、鬼怒、鳥海、第七戦隊、由良、第四航空戦隊の順
        鳥海の出港時刻を1400と予定す
      2.出撃航路 北水道外端より135度速力14節
      3.各隊(艦)は水道外端附近より警戒航行序列に占位せよ
      4.第三水雷戦隊は出撃前、司令官所定に依り湾口附近対潜警戒をなせ
      5.第二航空部隊は出撃時、対潜警戒をなせ

 17.02.04:馬來部隊信令第137号:
       第二護衛隊指揮官は左に依り明元丸に信号員を派遣勤務せしむべし
      1.派遣元(員数)
        由良、天霧、夕霧(各一名)
      2.派遣期間
        当地出港前乗船、ムーシ河口にて復旧
 
 17.02.07:馬來部隊信令第144号:
       第五水雷戦隊在泊中驅逐艦に依る湾口哨戒に関し9日正午迄第三水雷戦隊、爾後第五水雷戦隊の
       担任とし哨戒要領は各司令官所定とす

 17.02.07:馬來部隊信令第149号:
       信令第137号による信号員派出鑑中、由良を除き代わりに香椎を加う

 17.03.06:馬來部隊信令第173号:
      1.第一、第二護衛隊は商港在泊中、先任指揮官所定に依り同方面の警戒に任ぜよ
      2.以下不明

 17.03.17:馬來部隊信令第185号:
       馬來部隊信電令第29号による第十一驅潜隊の派遣を取止む

 17.03.17:馬來部隊信令第186号:
      1.廣隆丸、第二號春日丸は明18日0800ペナン発サバン島に回航すべし
      2.叢雲は右二船を18日夕刻迄護衛したる後ペナンに帰投せよ

 17.04.08:馬來部隊信令第206号:
      1.第三水雷戦隊及由良の占位左の通定む
       (イ)8日1500以後昼間司令官所定に依り直衛配備
       (ロ)夜間鳥海の前程4粁を基点とし其の左右に配列するものとし司令官所定
      2.由良は十度海峡通過後(2300頃)分離の予定

 17.04.08:馬來部隊信令第207号:
      1.本日1500以後発進、第四航空戦隊は90度より1402に至180浬圏内の飛行索敵を為せ
        使用電波(タヒ一〇)
      2.右飛行作業中、第三水雷戦隊司令官は驅逐艦一隻を以て警戒に任ぜよ

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