鐵製大發動艇

鐵製大發動艇について

陸軍の鐵製大發動艇にはADがあります。海岸に直接擱座し歩板付開閉式艇首から八九式中戦車を揚陸可能な舟艇で大發と略称されました。B第六号、B第十二号のB2隻、C第二十号をはじめとしてC5隻の計7隻は支那事変により喪失しました(JACAR: C04123158700)。海軍では前進根拠地設営器材として使用するためC型大發動艇の図面を陸軍から借り受けました(JACAR:C05023602400。海軍が建造し雑役船に編入したものは14特型運貨船に分類されました。昭和9年当時は「極秘」扱いの兵器でしたが、昭和205月現在の区分は「輸送用舟艇」で主体類別は「一類」、取扱区分は「普通」でした。(JACAR: C01007870400)

鐵製大發動艇の諸元(大發)

A(LB-A)

   全長13.200m、長12.800m、幅3.050m深さ1.52m、

B(LB-B)

昭和51110日範式認可(JACAR: C01003931900)

一般發動艇、艇首底部V

全長13.980m、長12.800m、幅3.050m深さ1.52m、自重8瓲、

機関60馬力ガソリンタイプ。

C(LB-C)

昭和8118日範式認可(JACAR: C01004001600)

一般發動艇、艇首底部W

全長13.980m、長12.800m、幅3.050m深さ1.52m、自重8瓲、

機関60馬力ガソリンタイプ。

D(LB-D)

昭和8118日範式認可(JACAR: C01004001600)

八九式戦車をも搭載し得る大發動艇、艇首底部W

機関80馬力6気筒の重油タイプ。

全長14.880m、長13.700m、幅3.350m深さ1.520m、自重9.5瓲、

搭載量12.5t(八九式中戦車1両又は武装兵70名又は馬匹10頭)

 

 

1.     「昭和造船史第1巻」(原書房) 日本造船学会編(P.763)

2.     「海防資料研究」第三年一号「日本陸軍舟艇概史」巻ノ一 海防史料研究会

3.     「戦前船舶」第102号「陸軍船舶特集No.1」戦前船舶研究会

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