特大發動艇

特大發動艇について

昭和12年九七式中戦車が制定されましたが、この戦車は重量が16tもあるため従来の大發では搭載困難でした。そのため、より大型の艇が必要となり開発されたのが特大發動艇(略称特大發)で、昭和15年より実用されました。昭和16228日には同年6月までに100隻を新調するよう通牒がでています (JACAR: C04123091100) 。これによれば大阪鐵工所櫻島工場、播磨造船所に各15隻、三菱重工業神戸造船所に10隻、玉造船所に12隻、大阪鐵工所因島工場に8隻の合計60隻、また代用特大發として原田造船、遠藤造船、蓬莱造船、淺野造船に各1隻、大原造船、佐野安造船、尼崎ドック、樋口造船に各2隻、浪速造船、大阪造船に各3隻、占部造船、向島ドックに各5隻、大阪鐵工所因島工場に12隻の合計40隻が発注されております。陸軍の特大發動艇にはB(N-LB)C(N-LC)がありました。昭和205月現在の区分は「輸送用舟艇」で主体類別は「一類」、取扱区分は「普通」でした。(JACAR: C01007870400)

特大發動艇の諸元

全長18.05m、幅3.7m、深さ1.75m、自重17.5t、満載排水量34.0t、機関60馬力ディーゼル22軸、搭載量16.5t(九七式中戦車1両又は貨物自動車2台又は武装兵120名又は馬匹13頭)、乗員11名。

 

 

出典:

1. 「昭和造船史第1巻」(原書房) 日本造船学会編(P.765)

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