機舟

機舟について

渡河器材として九五式機舟と九九式機舟がありました。九五式機舟は九五式折畳舟に九五式軽操舟機を取り付けたものです。九九式機舟は大河の渡河作戦に於いて諸偵察、渡河舟艇群の指揮及び曳船(ひきぶね)作業に任ずるものにして九五式折畳舟と行動を共にし得るものでした。折畳舟、機関、逆転機、漕舟具、属品及び予備品から成り、尖形舟、第一方形舟及び第二方形舟の3つの折畳舟を連結して一つの舟としました。折畳舟といっても完全な折畳式は尖形舟のみで第一方形舟と第二方形舟は半折畳式でした。尖形舟中央の両舷側には機関銃受が具えられていました。第一方形舟には操舵装置や推進装置があり、機関を据え付けます。第二方形舟には舵が備っていました。これら3つの折畳舟を連結した全長は8米40、全幅は1米55、全高は0米65、機関を含めた全重量は約1060瓲でした。機関は竪型空冷式4気筒4衝程ガソリンエンジンで最大出力は約70馬力、速度は毎秒7米、九五式折畳舟6隻を毎秒3米の速度で曳航できました(但し、九五式折畳舟1隻の積載重量は1瓲300)。取扱法(陸普第二七七三号)がアジア歴史資料センターのRef. C01005193600またはC01005215400で閲覧できますので、ご関心のある方は是非そちらをご覧ください。

 

 

出典:

1.         アジア歴史資料センターC01005215400(上図を含む)

2.         「工兵入門」(光人社) 佐山二郎